里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

リンドウ 金成普賢堂の草藪

2019-10-30 | 日記
栗原市金成普賢堂地区北部、丘陵地の狭間の細い農道を上がって行くと、やがて山裾の細道に
なります。道の東側にはヤナギやハンノキの若木の林がありますが、林床が平坦ですからかつ
ては田んぼだったのでしょう。さらに行くと、西側が杉林になったあたりで、道下の草藪の中
に青い花が点々と見えます。歩み寄ると、淡い日ざしで開き始めたリンドウの花で、20mほど
の範囲に12~13株が咲いています。




                             二枚とも2019.10.23撮影

和名のリンドウは、中国名の竜胆(りゅうたん)の音が変化したものといわれています。
その竜胆は、根が非常に苦いことから、熊の胆(い)より苦く竜の胆のようだとして名付けら
れたとされます。

漢方ではエゾリンドウ、トウリンドウ、オヤマリンドウなどと共に、乾燥させた根を苦味健胃
薬として処方され、尿道炎やリウマチの抗炎症薬的にも用いられます。
民間薬としては、食欲不振、消化不良、胃酸過多、腹痛などに用いられます。
成分は苦味配糖体のゲンチオピクロサイド、ゲンチアノース、ゲンチシン、ゲンチアニンなど。


                                 2019.10.23撮影

リンドウ科リンドウ属の多年草で、本州〜九州に分布し、草丈は20〜100cm。
丘陵地~山地の林縁や林道沿い、草地などに自生する。
根茎は淡黄色で少し肥大して長くのび、多数のひげ状の根を出す。
茎は枝を分けずに直立または斜上、紫褐色を帯び4条線がある。
葉は対生し、葉身は卵状披針形で長さ3~8cm、先端は尖り、基部は茎を抱く。表面は緑色で
裏面は淡緑色、3本の葉脈が目立つ。
花期は9〜11月、花は茎頂および上部の葉腋にかたまってつき、苞がある。
萼筒は長さ10~20mm、萼裂片は線状披針形。花冠は青紫色で5裂し、長さ4~5cm、内面に
紫褐色の斑点がある。副片は3角形で小歯がある。子房の基部に5個の蜜腺がある。
花は日が当たると開き、夕方になると閉じる。雨や曇りの日は閉じたまま。
果実は蒴果で、成熟すると先端から2裂する。
種子は紡錘形で、両端に短い尾がある。

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