里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

ナルコユリの青い実

2020-08-11 | 日記

大郷町石原地区西部、山中での踏査を終えて、山裾の農道を集落方向へ歩いて行くと、山
側から枝垂れるように茎を伸ばした、ユリの仲間らしき植物が7~8株生えています。
草姿から、ナルコユリかアマドコロでしょうね。
歩み寄って観察すると、茎の断面が丸く、葉身の幅が狭いのでナルコユリでしょう。

葉の間から、暗緑色の丸い実が鈴生りになっているのが見えます。
秋には黒熟しますが、まだ半熟状態と思われます。

                              二枚とも2020.8.6撮影

ナルコユリの根茎は肉質で太く、横走して分岐しています。
これを秋に掘り上げ、ひげ根を取り除いてから水洗いし、スライスして天日乾燥させたも
のが生薬の黄精(おうせい)です。滋養強壮、補気作用があり、胃腸虚弱や慢性の肺疾患、
食欲不振、咳、糖尿病などに用いるようです。
薬効成分は配糖体の エピメジン、フラボノイドの イカリインなど。

                              二枚とも2020.8.6撮影

キジカクシ科アマドコロ属の多年草で、北海道~九州に分布し、草丈は50~100cm。
丘陵~山地の草地や林縁に自生し、しばしば群生する。
根茎は肉質で太く、節間が短く数珠状に横走して分岐する。
茎は円柱形で稜がなくほぼ平滑、下部は分枝せずに直立~斜上し、上部は弓状にしなる。
葉は互生し、葉身は披針形で長さ10〜20cm、先端は尖り、基部はやや楔形で短柄~無柄、
表面は無毛、裏面小脈にそって小突起がある。
花期は5〜6月、葉腋から分枝する花柄を出し、細い筒状の花を2~3個ずつ吊り下げる。
花被は緑白色で長さ20~25mm、先が浅く6裂する。雄しべは6個で花被の筒の中にあり、
花糸は無毛。
果実は球形の液果で直径7~10mm、黒色に熟す。
種子は卵球形で長さ3mmほど。



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