白樺小舎便り(しらかばごやだより)

北信濃の田舎暮らしの日々

ツールドNAGANOに参加

2011年12月04日 21時51分33秒 | 日記

第2回ツールドNAGANOに参加した。

善光寺平を囲む里山をランニングで繋ぎ、山にも登る過酷なレース。

時間は27時間。どこで止めても自力でスタート地点まで戻ればいい。

去年は日没までと決めていたので、48km。

今年は夜も走ると決めていたのでヘッドランプも用意した。

朝6時スタート。

あいにくの雨模様だが、構わず走る。

昨年の景品だったシャツを着ているので濡れてもそれほど冷たくはない。

参加人数89人。物好きな人もいるものだ。

去年少し一緒に走った人(男性)と、もう1人に女性と何となくペースが合っていろいろ話しながら走る。

各地のウルトラマラソン(100kマラソン)に参加しているという。

そういう点ではすごい人たちなのだなと思う。

月に250km程度走っているという。

僕は基本的に山の人なので、ロード区間ははたしてついて行けるのか心配だったが何とか遅れずについて行けた。

三登山、髻(もとどり)山、そして雁田山。

吹き飛ばされそうな強い風が吹いた。

今年のテーマ。『押さえて、押さえて』

去年は中止した時点で、この二人よりも1時間以上先行していた。

後半のことを考えると、飛ばしすぎないようにしないといけない。

そういう点でこの同行者たちの存在は大きかった。

ウルトラマラソンに出ようよ、楽しいよと誘ってくれる。

山があるから何とかついて行けるが、平地だけのランニングならどれだけ走れるかわからない、というとそれだけ走れれば大丈夫と太鼓判を押してくれる。

なんとこの女性は野辺山100kmマラソンを9時間台で走っているのである。

多分ぼくの現在の走力では制限時間の14時間を切るのがやっとだろう。

所々で、これはオーバーペースだなと感じる場合があった。

そんな時は構わず彼らから離れた、マイベース、マイペース、押さえて、押さえてと呟きながら。

時には彼らの速度が遅すぎると感じることがあった。そんな時は先行した。

走る人と山の人ではペース配分が違うのだな。

それでも、いつの間にかまた一緒に走っている。

明覚山、この山は自宅から目の前に見える。一度登ったかみさんは、もう2度と登りたくないというほどの山だ。ピークがいくつもあり、鎖場もある。雨も激しくなったり弱くなったり。

気温は割合高くて長袖のランニングシャツ一枚で足りる。

所々にチェックポイントがありエイドがある。飲み物、おにぎり、サンドイッチ、うどん、果物、チョコレート、等々。スタッフに感謝。

臥龍山、桜の名所臥竜公園の背後にある低山。本の人登りで山頂に着く。

去年は此処で日没になり、中止した。今年はスタートが3時間早くなったのでまだ日没まではかなり時間がある。

井上山、その尾根続きの大洞山。この季節、木の葉が落ちて明るい。

この山の向こうに一本の林道が走っている。全く人里離れた山の中だ。真夜中にひとりで走るには怖すぎる。

この林道をかなり歩いて次の太郎山に登る。

この途中で日が暮れた。

ちょっとした登りなので同行者は緩く走る。

ぼくは歩きで彼らより早い。これが山の人のすごいところだね。こういう技があれば楽だね。うらやましがる彼らはどんどん遅れていく。

太郎山の登りはヘッドランプを点けた。

この山は尾根が長くてかなり急なくだりもある。

落ち葉が濡れて滑りやすい。

先行するランナーが二度道を間違える。そこは違うと教えてあげた。そのまま下って行けばとんでもない場所に降りてしまう。

この山を下りてそこからは長丁場のロードラン。

尼巌(あまかざり)山の麓のエイドステーションでも同行者の二人は追いついて来なかった。

ここでは看護士をしているという男性としばらく一緒に登る。

『失礼ですが、何歳くらいなんですか』と三〇代くらいの彼が尋ねる。

『還暦』

『ええ!!』

この山は松代温泉の裏山で、典型的な里山なのだが、急斜面もあって下りはかなり神経を使う。

この山を降りた後、長い長いロードランが待っている。いつしか一人旅になっていた。

実はそれがこの後に起きる大失態の伏線になっていたのである。

千曲川を渡りY字の分岐路を左に曲がらなければならないのを、ついうっかり右に行ってしまったのである。

このルートは何度も通って熟知しているはずだった。道が突き当たるまで気がつかなかった。そこの地名を見て愕然とした。

10km以上も目的地から離れてしまっている。

時間は12時を回ろうかという時分。まだ制限時間まで9時間もある。

リタイアしてこのままスタート地点まで戻れば近いのだが、目的地は反対方向にある。

リタイアするにしてもそのチェックポイントまでいってからにしよう。

もうレースを続ける気力は萎えてしまった。走らないまでも、羨ましがられた歩きでチェックポイントに向かった。それでもやっぱり足は重かった。

山では迷わなかったのに、長野市の街中で迷うなんて。。。

夜で、目指す山の方向が見えなかった。やっぱり昼間とは違う。

一人旅になってしまったのも良くなかった。

茶臼山の麓のチェックポイントに辿り着いた時、前のポイントを2時間遅れで出てきた人と一緒になった。大きいなロスだ。

茶臼山へ登って行く人を見送りながら、スタッフと四方山話をする。

後は帰るだけなので気楽だ。時間は2時過ぎ。

15km道のりだ。正しいルートで来ればここまでで80kmになる。そこにロスの分があるから90km以上になる。ここからスタート地点まで歩いて結局107kmとなった。時間は5時半近かった。

歩数158,123歩。

スタート地点に戻っていた同行した女性は御苦労さまと迎えてくれる。

彼女は尼巌山までで中止したと言う。もう一人はチャレンジを続けている。

今年のチャレンジは終わった。

商品のTシャツをもらい、くじを引いてブドウももらった。

参加費5,000円はとてもありがたい。

ボランティアスタッフの対応も良くて、気持ちよく走れた。

来年の今頃も走っているだろうか。

わからない。何しろ61歳だからなあ。