ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

料理にワインを
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 樋口誠

感動する、ということ・・・・

2013年05月15日 02時25分58秒 | ちょっと休憩

昔、吉田拓郎さんが「感動できなきゃ人間やめだ」とアルバムに書いています。

そうですね。

感動の無い人生なんてつまらない。

ある時、そむりえ亭に若いお客様の先輩と後輩の3人連れがお越しになられた時の会話です。

「年をとると感動が無くなるよね~~」「そうなりたくないから年は取りたくないなあ」と・・・・・

私はツイツイ口を挟みました。

「私は年と共に感動は増えるし、その大きさも増大してますよ」

彼らは言います。

「本当ですか?」


しかし、考えてみれば当然のことです。

だって、自分が経験してきた痛みとか、小さな喜びは若い頃は「経験していない」訳です。

例えば知人の死の悲しみは、少なくても若い頃より今の方が痛切です。

野に咲く花の健気さは若い頃は考えもしませんでした。

或いは「あの人、若いのに頑張っているねえ」

「あの人、あんなお年なのに凄いですね」

若い時は、その定規がなくて凄さが判らないことが多いんです。

また、その一言が「人を傷つける」と言うのが判っていればイジメはないのです。

大人でもイジメはありますが、段々と出来なくなる。

この商売では、お客様の有難味は年を経て、より深くなっていきます。

ドラマを見て涙もろくなっていきます。

久しぶりの同級生に会った時の喜びは高校を卒業して何年、では感じなかった感慨があります。

其々の人生を慮る(オモンバカル)のですね。


どうぞ、皆さん、年をとってください。

私は嬉しいですね。

いやあ、勿論体力は無くなります。頭もゆるくなります。残りの時間は減っていきます。

年をとることが偉い事ではありません。

衰えてこそ知る感動もあるのです。

しかし、感動は減りません。増えるんです。

今日も何があるのか楽しみであり、訃報に涙するかもしれません。

拓郎さん、良い事言いますね!!

「感動できなきゃ人間やめだ」