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読書と旅行と柴犬のブログ
目標は留学生に日商簿記3級合格を!
ヤプログから引っ越してきました。

映画「あん」河瀬直美監督作品で初めて、しっくり感じた

2015-06-14 10:17:14 | 邦画
映画「あん」★★★★☆
ディラン・オブライエン、カヤ・スコデラリオ、
アムル・アミーン、トーマス・ブロディ=サングスター、
キー・ホン・リー、ウィル・ポールター出演


河瀬直美 監督、
113分、2015年5月30日公開
2015,エレファントハウス
(原題/原作:あん)



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「世界の注目を集める監督、
河瀬直美が『2つ目の窓』に
続いて手がけたヒューマン・ドラマ。
ドリアン助川の原作に基づき、
どら焼き屋を舞台に据えて、
雇われ店長とそこで働くことになった
老女の心の通い合いを繊細に描きだす。
辛い過去を背負い、
人間の尊厳を奪われても生きようとする老女。
そんなヒロインを、
樹木希林が味わい深く演じている。」

ぴあ映画生活 HPより


この監督の作品と言うだけで
どうも敬遠していたが
この作品は出演者がTV露出して
予告も面白そうだったので劇場へ。


混んでたね。
こんな、ひっそりした題材の映画が
こんなにヒットするのは
ちょっと違和感があるが、
しみじみ良い映画だった。



雇われ店長として、どら焼き屋「どら春」で
単調な日々をこなしていた千太郎(永瀬正敏)
彼の前に求人募集の張り紙を見て
一人の老女、徳江(樹木希林)がやってくる。


年齢も年齢だから、断るが
彼女が持ってきた、“あん”が
とても美味しかったことから
“あん”作りを任せることになる。


美味しいどら焼きを作りたいだとか、
儲けて店を大きくしたいだとか
そういう気持ちが無い主人公は
あんこの材料を慈しみ
作っている家庭を決しておろそかにしない
徳江の“あん”の作り方
そしてその向こうに透けて見える
彼女の生き方に触れて
彼の働き方に変化が起こる



自分もハンセン病という病は
詳しくは知らなかった、
先日TVで爆笑問題が、この映画でも
描かれた患者たちの住む場所を訪れ
この映画で描ききれなかった部分が
符合して少しは分かった気がするが
やはり人間は「見た目」なんだと
それだけは実感した。


映画自体はそれを強く訴えるでもなく
それでも「その前」と「後」では
関わった人間には確かに変化があり
それだけが救いだった。



自分の作ったものを
人が喜んで食べてくれる、
外で働きたい


願いはたいそうなものじゃないのに
それさえ叶わなかった
彼女の人生

不理解が生んだ悲劇というけれど
それだけじゃ割り切れない
人間の素朴な感情
それを思うとうなだれるが
そういうものも確かに持ってるのが人間だ。

桜並木の側の小さなどら焼き屋、
なんかホントに何処かにありそうだ、
そこでは徳江さんが
小豆にむかって「頑張りなさいよ」って。


★100点満点で90点

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映画「ソロモンの偽証 前篇・事件」あり得ないのに感じるリアル

2015-05-01 14:00:23 | 邦画
映画「ソロモンの偽証 前篇・事件」★★★★面白かった
藤野涼子、板垣瑞生、石井杏奈、
清水尋也、富田望生、前田航基、
佐々木蔵之介、夏川結衣、永作博美、
黒木華、田畑智子、松重豊、小日向文出演


成島出 監督、
121分、2015年3月7日公開
2015,日本,松竹
(原題/原作:ソロモンの偽証/宮部みゆき原作)



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「ベストセラー作家・宮部みゆき原作の
ミステリー巨編を『八日目の蝉』の
成島出監督が映画化。
生徒たち自らが“校内裁判“を開廷し、
ひとりの中学生の死に隠された
真実を紡ぎ出していく様を描く。
“事件““決意““法廷“の3部構成からなる
原作を2部作で製作し、
主人公をはじめ1クラス分の生徒全員を、
大規模オーディションを敢行し決定する。」

ぴあ映画生活 HPより


クリスマスの朝、
雪に埋もれた校庭で見つかった
男子生徒の遺体
警察は自殺と断定するが、
“殺人”の目撃者を名乗る告発状が
学校に届いたことから
マスコミも巻き込んで事件となる。


「自殺」か「他殺」か、
目撃者は本当に事件を見ていたのか?


ミステリーという本筋も
興味が湧くが
前篇を見終えて
深く印象に残ったのは
主演の藤野涼子役でデビューした
藤野涼子の無垢なまなざしだ。



なんとかなる
そのうち分かる、
大人になれば分かる
そういう事もあるんだ


曖昧な表現でその場を取り繕う
大人たちの言い訳を
彼女の視線が鋭く射抜く。


校内裁判を開こうなんて
それだけで、あまりに突飛で
胡散臭く感じそうなところを
それほど違和感なく
ストーリーに入っていけたのは
生徒や学校全体に
作り物っぽいところを
感じなかったからだろう。



前篇・後篇なんて言われると
途中で途切れてしまう感じで
あまり好きじゃないが
この映画では後篇への期待感で
見終えたので
興味がそがれるというよりは
どんなふうに終わるのか
とても楽しみになった。


この映画は一ヵ月以上前に見た
感想は「後篇」を見る直前に
やっと書いた。

★100点満点で85点★

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映画「風に立つライオン 」映像の伝えきれないもどかしさ

2015-04-06 16:41:08 | 邦画
映画「風に立つライオン 」★★★☆
大沢たかお、石原さとみ、
真木よう子、萩原聖人、
鈴木亮平、藤谷文子、
中村久美、山崎一、石橋蓮司出演


三池崇史 監督、
139分、2015年3月14日公開
2015,日本,東宝
(原題/原作:帰来)



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「さだまさしがアフリカ・ケニアで
巡回医療に携わった
実在の日本人医師をモデルに
作った1987年の同名楽曲を基に
執筆した小説を、
大沢たかお主演、三池崇史監督で映画化。
アフリカのケニアで医療に従事している主人公が、
心に傷を負った元少年兵と
心をかよわせる様を、
アフリカの雄大な風景を交えて描く。」

ぴあ映画生活 HPより


旅行先のホテルのプールで
原作を読んだ、
こういう作品を旅先で読むものじゃない
泣くからね、
熱帯の焼ける様な日差しの中で
ふさわしい選択じゃなかった。

日本に戻って公開中の
映画を見た。

もと歌への思い入れが強すぎて
やはりどう描いていても
違和感は仕方ないかもしれないが

主人公が亡くなったという
前提の映画の進行は
主人公と同時に、
何かを体験するというような
単純な共感ができない分
どうにももどかしく感じた。

単純な描き方じゃなく
現代とをつないで
ちょっと懲りすぎてしまったようだ。


単純に主人公の苦楽を
見せてくれれば
こちらは大満足だったはず。

自分の決めた道を
ひたすら突き進む

それは強く、まぶしい。

なかなかできることじゃないし、
自分と比べるには
違いすぎて
どこに感情をもっていっていいのか。


「誰かの為に」なんて
立派すぎる、

でも自分たちのやっていることも
誰かに少しは良い影響を
与えていると信じたいね。

きっと自分のためだけなら
こんなに頑張れるわけない。


いつかそう遠くないいつか、
自分もアフリカの大きな夕日を
見たいと思っている。

映画みたいに
ライオンでは立派すぎるから
駆け抜ける風くらいでいいから
大地を駆け抜けてみたいものだ。

思い入れが強い分
映画の出来は、そこそこ、
大満足というわけにはいかないが
名古屋からアフリカまで
ひと時、連れて行ってくれた。


それだけで見た価値はあると思った。

★100点満点で75点

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映画「蜩ノ記」本当の事は胸に秘めたまま

2014-11-21 16:29:19 | 邦画
映画「蜩ノ記」★★★☆
役所広司、岡田准一、
堀北真希、原田美枝子出演

小泉堯史 監督、
121分 2014年10月4日公開
2014,日本,東宝
(原題/原作:葉室麟/ 蜩ノ記 )



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「直木賞を受賞し、時代小説としては
破格の50万部を突破する
ベストセラーとなった葉室麟の
原作に基づく時代劇。1
0年後の切腹を命じられ、
幽閉中の武士の秘密を解き明かしながら、
人と人の強い結びつきを温かく浮かび上がらせる。」

ぴあ映画生活 HPより


原作はかなり面白く読んだ記憶がある、
主人公を役所広司と岡田准一が
演じると予告で知って
かなり期待していた作品。


あと3年で切腹を命じられた男、
戸田秋谷(役所広司)は田舎に幽閉され
前藩主から、藩の歴史である
「家譜」の完成を命じられていた。

そこに城内で刃傷沙汰を
起こしてしまった檀野庄三郎(岡田准一)が、
「3年後の切腹まで監視せよ」と
送り込まれてくる。

城下と違い
畑や田んぼ、清流に囲まれ
日々の業務を淡々と行う秋谷と
こんな、ひとかどの人物が
藩主の側室と不義密通の罪を犯したのかと
檀野は自ら本当は何があったのか
調べ始める。

派手な立ち回りは無い、
人々の生活をたんねんに描いて
季節の移ろいを
色づく風景で見せてくれる。



調べるうちに核心に迫っていく、
藩が取りつぶしになるほどの事件を
ひとりで背負って、その命を
投げ出そうとしていることが
明らかになっていくが
前藩主との約束を守り
真実を胸に秘めたまま
あるがままに生きる姿は
何か大切なものを教えてくれる。



現在に置き換えるとか
ここで描かれたことが
自分をダイレクトに変えるとか
そんなことは無いけれど
自分というものを捨ててまで
守るものが確かにあり
それを声高にひけらすのでもなく
そんな苦しい生き方が
胸に響く事は確かだ



誰かの為に
自分は何ができるのか。


ことさら何かを押し付けるような映画じゃないが
描かれる景色や人々の様子
何もかもが
今はもう、すぐそばには無く
スクリーンの中でしか
会えないのかもなと思うと
それは少し淋しいことだ


しみじみ良い映画だった。

★100点満点で75点

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映画「ふしぎな岬の物語」 そろそろ吉永小百合の代表作を見たい。

2014-10-26 16:34:29 | 邦画
映画「ふしぎな岬の物語」★★★
吉永小百合、阿部寛、竹内結子、笑福亭鶴瓶、
笹野高史、小池栄子、春風亭昇太、井浦新、
中原丈雄、石橋蓮司、米倉斉加年出演

成島出 監督、
117分 2014年10月11日公開
2014,日本,東映
(原題/原作:岬の喫茶店/森沢明夫)



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「千葉県に実在する喫茶店をモチーフにした
森沢明夫の小説『虹の岬の喫茶店』を映画化。
里の岬に立つ小さなカフェを舞台に、
そこに集う人々の温かくも切ない
人間模様が描かれる。
主演のみならず初の企画に挑戦した
吉永小百合がカフェ店主に扮し、
阿部寛、竹内結子、笹野高史ら
実力派俳優が脇を固める。」

ぴあ映画生活 HPより


良い人である、
そんな人ばかりが出てくる、
だからこれは、お伽噺として
見るといいかもしれない。

現実はもっと厳しいことも多いからね。


その場所で30年、
地元の人たちが、
朝のひと仕事を終えて、
ちょっと息抜きに
その店の美味しい珈琲を飲みにやってくる。


日常の何気ない事を話しているが
それが毎日の繋がりだから
都会の喫茶店とは
その様子は全然違う。



誰もがそんな行きつけの店を
持ちたいと思いながらも

どこも「いちげんさん」でしかなく
そんな場所は、自分の想像の中でだけ、
それが現実。

だから彼らの行動を見ていても
身近でありながら
もうひとつリアルには迫っていない。


自分もかつて、行きつけの喫茶店があった、
お店には自分の指定席があり
そこで、なんだかなんだと
店を出たら何を話したかも
忘れてしまうくらい
些細な事を話していた。

店が無くなってもう随分なるな、
ママは数年前に亡くなってしまった、
マスターは、何してるのかな
もうすぐ年賀状のシーズン
そんな時にふと、思い出すだけ。

色んな事が起こったが
この映画でも
それは一瞬に消えてしまう、

自分達はその瞬間を忘れてしまうのかな、
それとも、また同じ様なことを
繰り返す事を経験で知ってるので
それ程心に留めないように
出来てるのかもしれない。

登場人物は誰も優しく
良い人で
心に突き刺さるようなシーンは
無かったけれど
過酷な現実を見て
うなだれて帰るより
この静かな癒しの余韻は
良いのかもしれない。


レンタルでも
それ程印象は変わらないかも。


★100点満点で65点


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