銭湯の散歩道

神奈川、東京を中心とした銭湯めぐりについて、あれこれ書いていきます。

反町浴場

2017-04-08 17:52:06 | 銭湯
東急東横線反町駅を下車して改札口の左側に回り込むと、すぐ目の前に反町浴場がみえてくる。これほど駅から近い銭湯はなかなかない。それと建物は一見とするスーパー銭湯のようだが、入浴料は一般の銭湯と同じ470円。
入り口の下足箱に靴を預けて中に入ると、自販機でチケットを購入。受付はビルゆえにフロント式。店員さんはいかにもいかつい感じだが、対応はふつうだった。フロントのそばに休憩所があって、客でにぎわっていた。
浴室は一階と二階に分かれていて、男女日替わりらしくその日は男湯が二階。二階の入り口には、一見するとマッサージチェアと思わせる椅子があるが、有料のドライヤーだった。のれんをくぐると脱衣場になるが、奥にベランダのようなスペースがあって、椅子も並ぶ。
浴室はほかの銭湯と比べると少し複雑な配置をしている。浴室内はおおまかにL字になっていて、手前半分が右側にカランを設け、左側が浴槽。浴槽部分には、サウナ、水風呂、シルク湯、メインとなる風呂、そのメインの風呂の両端に電気風呂が設置されている。壁画は、みなとみらいの写真。たぶん大桟橋から撮影されたものだろう。
奥側になると配置が切り替わり、左側がカランで、右側が浴槽(備長炭を使ったぬる湯やジェットバス)と続く。その一番奥が露天風呂になっている。露天風呂は、露天となっているが実際は室内。いわゆる半露天だ。
浴室に入って最初に目に付くのは、水風呂。打たせ湯のように輪になったシャワーが天井から落ちている。それと、この反町浴場の特徴は種類が豊富なのもさることながら、温度の幅が広いことだ。
シルク湯はおそらく44℃ぐらい。メインの風呂は42℃だろう。ぬる湯は38℃。ジェットバスは40℃ぐらいだと思われる。露天風呂もそれぐらいだろう。さらに露天風呂にもう一つ浴槽があって、常温風呂と記されている。常温とは何かといえば、温度管理されてない水風呂のことだ。その時の外気温に左右される水風呂だが、ここまで温度が多様な銭湯ははじめてである。それだけに、あらゆる入浴客に配慮がされているということだろう。熱いお湯が苦手な子どもはぬる湯につかれるし、熱いお湯が好きな入浴客はシルク湯でがっつり浸かれる。
施設は老朽化してる部分もあって決して綺麗な方ではないが、細かい部分でいろんなこだわりがあり、スーパー銭湯並の充実したお得感満載の銭湯だった。

【評価チェック箇所】
・値段 470円
・アクセス(道程) ものすごく近い
・周辺の店 コンビニや飲食店など
・休憩所 家庭的な感じ
・混雑ぶり そこそこ混んでる
・清潔さ ちゃんと掃除されている
・接客 普通
・客層 年齢層のバラランスがよい
・脱衣所 きれい
・キャパシティ 間に合ってる
・洗い場仕切りの有無 なし
・シャワーの出 良い
・温度 いろんな温度の浴槽がある
・高低差 なし
・眺望 そんなによくない
・食事 なし

蛇骨湯

2017-04-03 07:44:17 | 銭湯 温泉
東京メトロ銀座線の浅草駅を降りて、にぎやかな雷門通りを歩くこと10分。雷門通りの突き当たった右手裏側に蛇骨湯がある。浅草自体は何度か来たことがあるのだが、所在地は裏通りとあって、最初はみつけるのに苦労した。
細い道をすり抜けて蛇骨湯に近づくと、なにやら人だかりが。出てくる人と入る人、それと灰皿があるのでタバコを吸う人と入り口はごった返していた。その時に紫煙をくゆらせていたのは着物をまとった和服美人。いかにも浅草という感じである。
銭湯は建物自体が小さいので、必然的に下足箱も狭い。それと下足箱のところにチケットの自販機が置いてある。表記は日本語のみならず英語、ハングル語、中国語表記。それもそのはずで、外国人客がものすごく目立つ。さすがに日本人のほうが圧倒的に多いのだが、ほかの銭湯と比べたら別世界だ。ここが日本有数の観光地であることを改めて思い知らされる。
中に入るとカウンターがあり、左奥には休憩所。休憩所には大きな金魚が泳いでいた。
脱衣場はリニューアルしたとあって、とても綺麗だった。マッサージチェアのある仕切られた一画には、テレビが置いてある。この日は野球を放映していたので、脱衣場内には野球中継が響いていた。
浴室内に入ると、右手側がカラン群で、左側に露天風呂の入り口とその奥はL字となった浴槽が並ぶ。しかし室内の浴槽は思ったよりも小さく、また脱衣場は新しかったが、浴室はそんなに新しくも感じなかった。ジェットバスや電気風呂もあるが、種類はその程度。お湯は一応黒湯と表記されているが、見た目はどうみても緑だ。手ですくってみるとほぼ透明なので、一応黒湯なのだが色がかなり薄いのだろう。
そしてびっくりしたのが、カランから出るお湯も緑であること。同じ温泉のお湯がカランからも出てくる。そのため、お湯だけで髪を洗っていると心なしかゴワゴワする感触と温泉の匂いがそのまま残るような感じがする。
しかし、ここの銭湯で特筆すべきは露天風呂だろう。ここは外気浴のできるスペースがあって、小さな庭に木の欄干が設けられている。そこに背もたれのない椅子が4脚ほど並び、客はその欄干に腕を預けて椅子に座り、庭を眺めながら体を冷やすことができる。それと庭の隣には池もあって、ところ狭しと鯉が泳いでいた。その鯉もまた休憩所の金魚に負けないぐらい立派な鯉ばかり。
足を伸ばせば背中をなでられそうなぐらい距離が近く、小さな鯉も含めると30匹ぐらいはいるだろうか。
それと肝心の露天風呂だが、温度はぬるい。室内のお湯が42度ぐらいだとすると、40度ぐらい。露天には水風呂もある。水風呂の上にはスピーカーが設置されていて、テレビの音が聞こえてくる。ガラス越しで脱衣場にあるテレビを露天風呂からも見られる仕組みだ。
自分が訪れたときは、外国人客も何人か入っていたのだが、どうも一見さんという感じがしなくて慣れた様子だった。露天風呂の椅子に座ろうとしたときに、近くにいた外国人客がついでにという感じで自分の椅子もお湯を流してくれた。外国人と言っても観光客だけでなく、浅草付近に住む常連客もいるのかもしれない。

【評価チェック箇所】
・値段 460円
・アクセス(道程) 駅からそんなに遠くはないが、ちょっと分かりづらい
・周辺の店 観光名所がたくさん
・休憩所 金魚が立派
・混雑ぶり やや混んでいる
・清潔さ 古びたせいなのと黒湯のためか浴室はそれほど綺麗に感じない
・接客 あまり愛想はよくない
・客層 日本人の中高年ほか若い女性、外国人も
・脱衣所 綺麗なのとそこそこ広さもある
・キャパシティ 一般的な銭湯としては広いほうだが、来客数に比べてやや足りない
・洗い場仕切りの有無 なし
・シャワーの出 ふつう
・温度 まあまあ
・高低差 なし
・眺望 昔ながらの富士山の絵がみられる
・食事 なし

利世館

2017-04-02 17:40:24 | 銭湯
JR京浜東北線関内駅を下車して伊勢佐木町をブラブラ歩き、そのまま風俗街へ。その風俗街の少し入ったところに利世館がある。ビル型の銭湯で、お店は二階にあるのだが、一階は風俗店。風俗店の上にある銭湯というのはかなり珍しいのではないかと思う。入り口はビルの脇にあるため、風俗店を横切る必要はない。
ただ、そこらへんの道を歩いていると、どうしても客引きから声を掛けられる。
建物はけっこう古く、下足箱は松竹錠。カウンター式で自販機はない。受付は場所が場所だけにやさぐれた店員を勝手に想像していたのだが、感じの良い女性店員さんだった。
お金を払うとロッカーの鍵を受け取り、帰りはその鍵を返す仕組み。
のれんをくぐって中に入ると、脱衣場もかなり年季を感じさせた。ただ、汚れてる感じはしない。入店したのは開店してまもなくの15時頃だったせいか、客はまばら。
浴室は、入って左手前にシャワー、その隣にジェット、バイブラなどのメインの浴槽が並ぶ。さらに奥が黒湯、水風呂とある。メインの浴槽は43度。黒湯は44度となっていた。部屋の一番奥にはサウナがある。
右手側はすべてカランが占めるが、凹凹と並んだ感じの形をしている。
室内全体はレンガの外壁で、加えて薄暗く古びているのでなんともいえないアンニュイな雰囲気。客層は、ほとんど中年か高齢者で、みんな静かだ。
カランも古いのだが、はじめてみる形をしていた。床のタイルはところどころはげており、否応なく年月の経過を感じさせる。
風俗街のど真ん中にあるということで強面の人たちばかりを想像していたが、店員さんも含め、意外と普通の人たちばかり。カランの場所取りはあるけど、周囲に気遣う感じの人が多く、室内だけみると、ここが風俗街にある銭湯とはとても思えなかった。

【評価チェック箇所】
・値段 470円
・アクセス(道程)少し歩く
・周辺の店 風俗店ばかり
・休憩所 こじんまりとしているが、手作り感のある休憩所
・混雑ぶり ほどほど
・清潔さ 設備はかなり古いが、きちんと清掃されている感じはした
・接客 感じが良い
・客層 ふつうの人たち。めずらしく刺青の人も見かけなかった
・脱衣所 古いがそこそこ広さがある
・キャパシティ 間に合ってる
・洗い場仕切りの有無 なし
・シャワーの出 立ちシャワーの勢いはよくない
・温度 43~4と少し熱めか
・高低差 なし
・眺望 薄暗くて壁画もなし
・食事 なし

斉藤湯

2017-04-01 20:50:40 | 銭湯
JR山手線日暮里駅から歩くこと5分。かつて日本で最後の三助がいる銭湯として知られた斉藤湯がここにある。歴史ある銭湯だが、いまはリニューアルされて綺麗な建物となっている。
訪れたのは土曜日の14時過ぎ。下足箱に靴を入れて中に入ると、自販機でチケットを購入。チケットをカウンターに出して脱衣場に入ると、入り口同様に作りはシンプル。広さは銭湯の規模としては十分だ。ロッカーはスーパー銭湯ではお馴染みの鍵がタグの中に入るタイプ。
浴室に入ると、右手側がカランで、左手が浴槽となっている。入ってすぐ手前が露天風呂の入り口で、その奥に水風呂、熱めの風呂、ジェットバス、炭酸泉と浴槽がL字になって並ぶ。
カランはシャンプーなどの備え付けがあり、シャワーも勢いがあって使いやすい。仕切りがあるカランもあって、そちらはシャンプーが置いてなかったが、スーパー銭湯によくあるタイプのシャワーがホースになっている。
天井はそれほど高くもなく、壁画もカランのところに小さく描かれているだけ。それと水風呂はあるが、サウナはない。
露天風呂は正確には半露天で、天井はすだれが掛かったようなっているので、空もほとんどよく見えない。
外気浴用の椅子はプラスチック製ながら少し柔らかめで座りやすく、足を掛ける場所は大きな石があるのでヒンヤリしてて気持ちいい。
露天風呂自体は、白濁湯でけっこうぬるく感じた。
内風呂の温度も炭酸泉が低めなのは定番として、ジャグジー風呂も温度が低い。
一つだけある熱めの風呂は43度ぐらいと、昔の銭湯からしたら低いぐらいだろう。
入浴中に女性従業員が入ってきて、見回っている様子だった。三助でないのは残念だが、一般の銭湯ながらこうして見回りに来るのは珍しい。
カランや椅子などこだわりもあってなかなか快適なのだが、この店の最大の特徴はなんといっても啓発ポスターだろう。
こういった類の掲示物というのは、やや野暮な感じになってしまうのだが、この店はお洒落でかっこよく作られており、「思いやり」という言葉が赤い丸で示され、「近所に迷惑を掛けないように静かに入りましょう」などと記されている。
こういう掲示物はなかなか他の店にではお目に掛からないのでちょっと驚いたが、すごくいい試みだと思う。
実際にそうした掲示物が功を奏しているのか、客のマナーはとてもいい感じだった。カランの場所取りはゼロではなかったが、ほぼない状況。
店側としては客に注文をつけるのは勇気がいることだと思うが、そうした店の注意喚起が結果として客側の快適さに還元されるわけで、ほかの銭湯も斉藤湯同様、こうしたカッコイい啓発ポスターをどんどん採用していってほしいと思う。

【評価チェック箇所】
・値段 460円
・アクセス(道程) 駅から近い
・周辺の店 駅前にはいろんな飲食店が並ぶ
・休憩所 銭湯にしては広く綺麗
・混雑ぶり けっこう混んでる
・清潔さ きれい
・接客 良い
・客層 地元客っぽい年配者が中心だが、若者もそこそこいる
・脱衣所 綺麗で快適
・キャパシティ 足りない
・洗い場仕切りの有無 あり
・シャワーの出 使い勝手が良く最高
・温度 少し低い
・高低差 なし
・眺望 これといったものはない
・食事 なし