東西圧縮回流記

仙台青春風の旅 ブーメランのように 

卒論発表 バイオマス科学会議

2010-01-23 | Weblog

☆   松島や 船が迎える 初日の出    桃太郎

 日本エネルギー学会の主催による第5回バイオマス科学会議が1月20日と21日に早稲田大学の国際会議場で開催された。研究室4年の学生がアブストラクトの作成、申し込み、原稿の作成まで全てを、卒論をまとめ研究発表した。タイトルは「木質ペレットと熱電変換素子による熱・電気の複合システムの研究」。昨年の申込締切が10月9日、原稿締切12月4日、新年には発表の前日まで実験と計算、ポスター製作と頑張った。発表は簡潔かつ正確で、質問にも的確に答えており、研究室の学生というより大学の代表としてもふさわしいほどで誇り高く感じました。小生の学生時代4年のころとは比較にならないほど立派でした。

 同会議では最後にパネルディスカッションがあり、いくつかのコメントがあった。
・堀尾先生:数年前にリチウムイオン電池の電極に燐酸鉄方式が開発され、火災事故の発生を劇的に抑えることができたこと、安全性が格段に向上し、これがリチウムイオン電池の利用のターニングポイントとなったこと、水素自動車は高圧水素ではなく、LNGを車の中で水素改質する燃料電池ハイブリッド方式が伸びそうだ
・山地先生:ブラジルのサトウキビによるエタノールのエネルギー効率は9倍程度、トウモロコシは1.4倍程度、ライフサイクルアセスメント(LCA)の考え方、食糧との競合、土地利用や生物多様性の考え方は常に必要
・鮫島先生;研究と開発、事業化の観点は別途にしないと費用対効果は収束しない
など、バイオマス利用もバラ色の時代から実質重視に、また分散型や熱電併用のシステムなど、総合エネルギー効率の向上とライフサイクル評価へ行かざるを得ないと実感した。

 また別途、林業経営の分野で活躍中の研究者、久保山裕史氏の講演と意見交換の会があり、そこで日本の森林利用について現状の問題点と将来展望など多くを学んだ。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

須磨 鵯越え 芭蕉

2010-01-03 | Weblog
 須磨には多くの碑がある。須磨浦公園には敦盛塚がある。

 源氏と平家の一の谷の戦いは、現在の神戸で、湊川を中心に塩屋、生田、鵯越(ひよどりごえ)と広範囲に展開したようだ。義経の鵯越の逆落としは有名であるが、史実には諸説があるらしい。一の谷の戦いで平敦盛はわずか17歳で散った。この史実を素材に『敦盛』ができた。後世の織田信長が好んで謡い舞ったという。

人間五十年、下天のうちをくらぶれば、夢幻の如くなり 一度生を享け滅せぬもののあるべきか  幸若舞『敦盛』

 芭蕉も度々須磨を訪れている。敦盛が笛の名手だったことを偲んでいる。

須磨寺や 吹かぬ笛聞く 木下闇  芭蕉

公園内には後年の作もある。

蝸牛 角振り分けよ 須磨明石   芭蕉

 蕪村も訪れた。正岡子規は従軍記者として出征した帰りに須磨にて病と闘い、弟子の虚子も訪れている。私たちが来たのは冬至も過ぎた年末にもかかわらず、須磨から淡路を望む眼前の瀬戸内の海は波もなく、どこまでもおだやかであった。

春の海 終日のたり のたりかな  蕪村

ことづてよ須磨の浦わに晝寝すと 子規

月を思い人を思ひて須磨にあり  虚子


 名作群のあとで気が引けますが、恥ずかしながら、僭越ながら一句。

寒風に 馬も落とすか 須磨の浦    小生
光る海 下天に急ぐ 寒もみじ     同上
歳重ね 昇る鉢伏 光あり       同上
おさな子が 輪投げ興ずる 須磨の暮れ   同上 
島なみに 光かがやけ 年の暮れ    同上
荒波に 筑波の双耳 塩屋崎     同上
雪雲や 泉ヶ岳へ 船帰る       同上
松島や 船が迎える 初日の出     同上
   
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする