東西圧縮回流記

仙台青春風の旅 ブーメランのように 

ヨコハマ IPCC パチャウリ議長

2008-06-22 | Weblog
先週末は少し時間ができたので急遽、ヨコハマに帰ってみた。みなとみらい、ランドマークタワー、パシフィコ横浜、横浜国際会議場、クイーンズスクエア、見慣れた場所だったが妙に異邦人の心境だった。なつかしかった。みなとみらい、東京ビッグサイト、幕張メッセはシンポジウムや展示会のメッカでよく通ったものだ。ヨコハマと仙台、行き来をしていたが仙台に居るほうが長くなった。

IGES(地球環境戦略研究機構)のシンポジウム「地球温暖化に立ち向かうアジア太平洋の戦略」が、みなとみらいの横浜国際会議場で開催された。小生は設立当初から半分物珍しさも手伝い賛助会員になっていた。最初はヒヨコのように歩みが遅かった。IGESもずいぶん大所帯になり外国人の研究員も増え、戦略的に動くようになった。環境省のOBが多くおられる。責任者が小生のもと雲の上の上司の関係者だったとは。シンポジウム終了後の夕方、レセプションがあった。

IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change: 気候変動に関する国際パネル)のパチャウリ議長(Rajendra K Pachauri,Ph.D)とそのレセプションで出会った。昨年ゴア前副大統領とともにノーベル平和賞を受賞された人だ。パチャウリさんのオーラが余りにも強いのでみなさんは少し遠慮していた。そこでボクは近くに行き少し話をした。東欧か南米の人かと勝手に想像していたがインド国籍の方だった。インドには親近感がある。IPCCは国連の機関でUNEP(国際連合環境計画)とWMO(世界気象機関)が設立した一つのパネルに過ぎない。しかしIPCCの方針はサミットの中心議題となり世界の根幹で影響力がある。IPCCの存在感はとてつもなく大きい。パラダイムを変える力がある。彼の目を見たが眼光は非常に鋭い。生き生きした姿そのものだ。ツーショットの写真も撮ってもらった。ボクは少し酔っていたが、彼はサムライの心と風貌を持ち、自律と尊厳を持って仕事をしている覚悟が見えた。

地球温暖化、彼らの生き方や手法に共感したりその対策で一致しているが一部批判もある。我々はもっと真剣に付き合わねばなるまい!
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岩手・宮城内陸地震 栗駒山 泉ヶ岳

2008-06-14 | Weblog
栗駒山の駒の湯温泉が被害を受けたと報道があった。

思い起こせば何十年か前の学生時代、大学2年のころだったか、初めての単独行が栗駒山だった。鉄道の終点が細倉で、バスに乗換えて温湯温泉に向かった。バスの車掌さんが料金の精算のとき「こまいのありませんか?」とやさしく聞いた。関西弁に近い発音をするのだな、とボクの失恋単独行は出だしで少し癒された。裕次郎と浅丘ルリ子「夕陽の丘」のデュエットを歌うと、あの車掌さんと温湯温泉に向かう車窓の風景を思い出す。温湯温泉からは沢沿いに登山道を湯ノ倉温泉を経由し、湯浜温泉に向かって歩いた。栗駒の山岳道路は工事中で完成していなかった。湯浜温泉は深い渓谷の上流にあり電気も通じていなかった。登りに向かう湯浜温泉で一休みした。客がほとんどいない宿には、意外に都会的な雰囲気のあるカップルが宿泊していた。宿の縁側で、浴衣姿の若くさわやかな方に「おひとりですか? どちらから来られたの」と聞かれた。「仙台です」とぎこちなく答えた。「どちらに行かれるの」「栗駒山です。どちらから来られましたか?」「東京から来たのよ。あなたはお元気ですね」と柔らかな返事、いいひとだなと感じた。ただほっとした安堵の雰囲気の中に、少しけだるさが伺われた。連れの男性客とは言葉をかわさなかった、というより少し距離を置かれあまり会話を望まない風だったので、ボクは早々に退散した。そして宿を離れ、あえぎながら栗駒山の山頂に立ち、酸が強いが疲労が吹き飛ぶような須川温泉に浸かったのち、一関を経由し仙台へ戻った。

今日の地震発生時は泉ヶ岳に向かう根白石の近くで車の運転中だった。揺れは全く感じなかった。ちょうどNHKラジオから緊急地震速報があった。また訓練放送かと思った。しばらく報道を聞いていると本物の地震だと気づいた。報道の初期だったので被害は大きくなさそうだった。登山口の駐車場に着き、モモコと泉ヶ岳の頂上へ行き、数時間遊んで帰った。途中で何度か自宅に携帯で電話したが回線が混んでいて全く通じなかった。ただ偶然に関西からの地震見舞いが携帯に飛び入った。ボクは「元気だよ。ありがとう。」と山中で答えた。
身辺も少し落ち着いたので、しばらくは東北の山で逍遥も良しと歩きながら想った。

今回の地震で亡くなった方々のご冥福を祈ります。
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温暖化ガス 半分に削減 洞爺湖サミット

2008-06-01 | Weblog
7月7日から主要国首脳会議、いわゆるサミット、今年は日本の当番、場所は北海道洞爺湖ということで、洞爺湖サミットが開催される。考えてみれば7月7日の七夕に符合させていますね。サミットの主な議題のうち環境問題、地球温暖化ガスの削減が大きな議題となっている。 
日本が提案しているのは2050年に全世界の二酸化炭素を半分にすること。つまり2005年で262億トンの二酸化炭素を2050年に130億トンにすること。この原案は吉川弘之先生が座長の「クールアース エネルギー革新技術計画」答申であり信頼できると思うが、開発途上国のエネルギー需要は伸び続け、エネルギーを二酸化炭素に換算すると2050年で580億トンに相当する。従ってその差450億トンを再生可能エネルギーなどで代替する計画である。内容は風力など既存技術の再生可能エネルギー、次世代自動車、燃料電池やIT機器、水素製鉄・ガラスなど革新技術、革新的太陽光発電、先進原子力発電、二酸化炭素の回収・貯留で450億トン分の削減である(日経新聞3/2付など)。これを「革新エネルギー7分野」とでも呼びますか。その実現には財政的に裏付けのある政治、それを支える民意、技術とコストが相関するブレークスルーが必要です。それも血の出るような努力や格闘があってはじめて完結する。我々は各々技術課題の解決に取り組み、また政策実現に貢献しよう。
思い起こせばOO十年前、小生も学生時代は原子核物理とそのエネルギー利用の勉強からスタートしており、企業では「石油代替エネルギー」(以前はこういう言い方、現在では厳密には異なるが二酸化炭素(CO2)代替エネルギー、カーボンフリーエネルギーとでも言う)に直接あるいは間接に研究開発に係わり、革新エネルギー7分野にも全てなじみがあり係わりがあった。
次に、食料のエネルギー転換はノーという命題がある。アメリカのトウモロコシ、ブラジルのさとうきびのエタノール転換と食料不足を見込んだ投機の影響が大きく、第2世代のエタノール、ソフトバイオマス以外の転用は猛反発が予測され、洞爺湖サミットでも宣言があるはずです。バイオマスも廃棄物の有効利用は倫理的に許容されるが、廃棄物のみではエネルギー問題解決の貢献は少ない。今後は食料生産ができる土地で食料以外のエネルギー主目的の作物収穫さえも難しくなるのではないか。となるとヨーロッパのナタネのバイオディーゼルや日本のイネからエタノールなども食糧栽培に転換した方が良い、という議論が必ず起こる。但し、食料生産にはコストと補償保護の政治が絡むので問題も多く解答は難しいが、次のステップに行かざるを得ない。

さて洞爺湖サミットを機会に、食料とエネルギーの問題を考え、世に棲む日々(R)をどう生き抜きますか?
 
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