68点
原題はThe Big Short でこれだと「デカい空売り」って意味なんだけど、「マネーショート」という株式用語ですらない謎の和製英語にしてしまうのはいかがなものか
まあ、意味不明な邦題なんて昔から死ぬほどあるからよいけど
後にリーマンショックと呼ばれる金融恐慌をいち早く予期し、絶対暴落が起こると信じて信用売(空売り)を仕掛けるが、なかなか暴落が起こらずヤキモキする男たちの物語
映画の中で「証券業界は専門用語で煙に巻く世界だ」、という感じのナレーションがある。そして本作も専門用語が溢れる。英字3文字の略称がいくつか出て来て初出時に説明はあるものの、似た用語がいくつか出てくるともう何だっけ?の世界。
住宅ローン関連の商品についてはカメラ目線での例え話でわかりやすく説明はしてくれるのだけど、タイトルにもなってて主人公たちがやる「空売り」について一切の説明がないが、それは常識だから一々説明しないってことだろうか?
シナリオの常套手段でいけば業界のことを知らない若い奴が「カラウリ?なんすかそれ?」とか言って、「なんだお前、そんなことも知らんのか?(やれやれ)いいか、空売りってのはな、証券会社から有価証券を借りてそいつを売っぱらっちまうことだ。後で買い戻して証券会社に返すんだが、売った額と買い戻した額の差分がプラスならこっちの儲けになるんだ」「そうか!だから株が値下がりするほど得になるから景気が悪い時でも儲けのチャンスになるってことか」…みたいな会話で説明するところだが、本作にはそうした説明はない。
これ知らない人はついていけるのだろうか?
そういう絡みで言うと最後の方でスティーブ・カレルが仲間から「売れ」と言われて渋々「売る」と言うのだけど彼がしていたのは空売りなんだから決済で行うのは「返済買」になるわけで「売り」じゃなく「買い」ではないのか?あの字幕は正しいのか?俺の知識不足?それとも彼がやっていたのは空売りじゃなかったのか?
どなたかご教示いただけると助かります。
そんなこんなで専門用語の飛び交う難しい映画であり、邦題のサブタイトルから連想するような軽いコメディではないし、アメリカンドリームを描いた薄い話でもない。
主人公たち含めて金融業界、証券業界の人間たちが金額の上がった下がったに一喜一憂するゲームに興じているような血の通っていない世界を見せつけられる。
リーマンショックで職を失った人たち、家を失った人たちの苦しみや悲しみは一切描かずにマネーゲームに興じているかのような人たち。
金がただのデータであり、庶民のなけなしの金を集めたものだという考えは全くない。帳簿上の辻褄あわせ、将来なんとかなるさと妥当性のない格付けをする人たち、そういうカラクリを知って暴落に賭ける主人公たち含めてリーマンショックを起こしたのはそういう奴らなのではないかと感じさせる。
ただ1人ブラッド・ピットだけが若造たちに浮かれるな!俺たちが儲かるってことは多くの国民がひどい目にあうってことだぞ、みたいなことを言う。彼が作者あるいは作り手の代弁者なのかもしれない。
話はそれるが最近ブラピは汚れ役が少なく、「それでも夜は明ける」も「いい白人」だったし、なんか寂しい。
いい役やるならばりっと単独主演の時だけにして欲しいな~
マネーショート 華麗なる大逆転
監督 アダム・マッケイ
脚本 チャールズ・ランドルフ、アダム・マッケイ
出演 クリスチャン・ベイル、スティーブ・カレル、ライアン・ゴスリング、ブラッド・ピット
原題はThe Big Short でこれだと「デカい空売り」って意味なんだけど、「マネーショート」という株式用語ですらない謎の和製英語にしてしまうのはいかがなものか
まあ、意味不明な邦題なんて昔から死ぬほどあるからよいけど
後にリーマンショックと呼ばれる金融恐慌をいち早く予期し、絶対暴落が起こると信じて信用売(空売り)を仕掛けるが、なかなか暴落が起こらずヤキモキする男たちの物語
映画の中で「証券業界は専門用語で煙に巻く世界だ」、という感じのナレーションがある。そして本作も専門用語が溢れる。英字3文字の略称がいくつか出て来て初出時に説明はあるものの、似た用語がいくつか出てくるともう何だっけ?の世界。
住宅ローン関連の商品についてはカメラ目線での例え話でわかりやすく説明はしてくれるのだけど、タイトルにもなってて主人公たちがやる「空売り」について一切の説明がないが、それは常識だから一々説明しないってことだろうか?
シナリオの常套手段でいけば業界のことを知らない若い奴が「カラウリ?なんすかそれ?」とか言って、「なんだお前、そんなことも知らんのか?(やれやれ)いいか、空売りってのはな、証券会社から有価証券を借りてそいつを売っぱらっちまうことだ。後で買い戻して証券会社に返すんだが、売った額と買い戻した額の差分がプラスならこっちの儲けになるんだ」「そうか!だから株が値下がりするほど得になるから景気が悪い時でも儲けのチャンスになるってことか」…みたいな会話で説明するところだが、本作にはそうした説明はない。
これ知らない人はついていけるのだろうか?
そういう絡みで言うと最後の方でスティーブ・カレルが仲間から「売れ」と言われて渋々「売る」と言うのだけど彼がしていたのは空売りなんだから決済で行うのは「返済買」になるわけで「売り」じゃなく「買い」ではないのか?あの字幕は正しいのか?俺の知識不足?それとも彼がやっていたのは空売りじゃなかったのか?
どなたかご教示いただけると助かります。
そんなこんなで専門用語の飛び交う難しい映画であり、邦題のサブタイトルから連想するような軽いコメディではないし、アメリカンドリームを描いた薄い話でもない。
主人公たち含めて金融業界、証券業界の人間たちが金額の上がった下がったに一喜一憂するゲームに興じているような血の通っていない世界を見せつけられる。
リーマンショックで職を失った人たち、家を失った人たちの苦しみや悲しみは一切描かずにマネーゲームに興じているかのような人たち。
金がただのデータであり、庶民のなけなしの金を集めたものだという考えは全くない。帳簿上の辻褄あわせ、将来なんとかなるさと妥当性のない格付けをする人たち、そういうカラクリを知って暴落に賭ける主人公たち含めてリーマンショックを起こしたのはそういう奴らなのではないかと感じさせる。
ただ1人ブラッド・ピットだけが若造たちに浮かれるな!俺たちが儲かるってことは多くの国民がひどい目にあうってことだぞ、みたいなことを言う。彼が作者あるいは作り手の代弁者なのかもしれない。
話はそれるが最近ブラピは汚れ役が少なく、「それでも夜は明ける」も「いい白人」だったし、なんか寂しい。
いい役やるならばりっと単独主演の時だけにして欲しいな~
マネーショート 華麗なる大逆転
監督 アダム・マッケイ
脚本 チャールズ・ランドルフ、アダム・マッケイ
出演 クリスチャン・ベイル、スティーブ・カレル、ライアン・ゴスリング、ブラッド・ピット