文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

過酷な地で活動する自衛隊員の行動パターンも分かってしまうから、日本を敵国扱いする悪辣な国にとって、こんなに楽な情報収集はない

2018年04月30日 14時14分06秒 | 日記

今、NHKを支配している労組…過激派や極左がNHKの労組やJR労組、自治労、日教組、日弁連等を支配している事は、もはや周知の事実である…は、私が日本国民全員必読の書であると言及する月刊誌群は、右寄りの雑誌だと決めつけて、鼻でせせら笑っている救いがたい組織である。

このような人間達によって製作されているニュースや朝日新聞などのメディアだけを視聴・購読している情報弱者である中高年層は尚の事、私が日本国民全員必読の書であると言及する月刊誌群の一角が4/26に発売されている。

本物の論文が満載されていながら、たったの840円である。

中高年層にとっては何らの問題もない金額であろう。

朝日新聞の月間購読料約5,000円に比べれば、その論文の質の差に物事の真相と虚報の差が天と地であることに愕然とするだろう。

以下は4/26に発売された月刊誌Willに掲載されている湯浅博氏の連載コラム「文明の不作法」今月号は、「日報」公開が隊員を危険にさらす、である。

みんなで渡れば怖くないと考えるのだろうか。

国会議員やメディアの安全保障観の欠如には愕然とする。

陸上自衛隊の海外派遣部隊が書いた「日報」を白日の下にさらそうと、防衛省をこづき回している。

提出を逡巡し、見つからないと答えれば、「隠蔽するのか」と正義の鉄槌を下す。 

野党の狙いは、日報に「戦闘」の二文字があることを探し出し、部隊を送り出した政府の責任を追及すること。

憲法が自衛隊を戦闘区域に派遣することを禁じているとの解釈からだ。 

そこには、南スーダンの人々の安全や復興のために働く自衛隊員へのねぎらいや、イラク安定のために貢献する隊員への感謝もない。

まして国益の「こ」の字もない。

あるのは安倍政権の足下を崩そうとする政争パフォーマンスばかりだ。 

日報には、任務の経過や成果もあるが、他国から得た機密情報も含まれる。

あるいは、過酷な地で活動する自衛隊員の行動パターンも分かってしまうから、日本を敵国扱いする悪辣な国にとって、こんなに楽な情報収集はない。

わが国会議員は騒動好きのメディアと一緒になって、かの国の工作員を喜ばせるばかりなのである。 

軍事関係の日報や兵士の日記は、決して公開してはならないものだ。

第二次大戦中に、日本軍将校が戦地でも欠かさずに書いた日記が、捕虜になって接収され、米軍に作戦行動のすべてを把握されてしまった苦い経験がある。

これらの教訓が、戦後の反軍ムードから少しも生かされていない。 

日本の旧陸軍士官学校は、紳士のならいとして平時から日記をつけることを推奨していた。日本軍人は戦地で捕虜になるという前提がないから、記録類が災いになるとは考えもつかなかった。

しかし、敵情報の入手を重視する米軍にとっては、日記はまさに宝の山であった。

ちなみに、米軍人は戦地で日記などメモを残すことを厳しく禁じられた。

情報に対する考え方の違いが、勝敗や生死を分けることになる。 

昭和16年12月8日の日本軍による真珠湾攻撃で、ハワイや西海岸に住む日系人12万人が強制収容所に送られた。

収容所から志願した日系二世は、欧州の激戦地に送られ、第442連隊がドイツ軍に包囲されたテキサス大隊を救出した戦闘は、ドキュメンタリー映画『442日系部隊』で広く知られるようになった。

実はこの戦闘部隊とは別に、米軍が敵国情報を入手する手段として日本語能力をもつ日系人を軍事情報部(MIS)が採用していた。

彼らは語学学校で日本語の再訓練を受けたあと、太平洋戦線の情報部に語学兵として配属された。

彼らの使命は、日本人捕虜からの聞き取りや、所持する日記の翻訳などであった。 

日系語学兵は陸海軍の百を超える部隊に編入されたというから驚きだ。

フィリピンや南太平洋の激戦地では、日本兵に投降を呼びかけ、捕虜の尋問を行った。

特に、日本人将校の日記を分析することによって、米軍司令官は敵行動の予測が可能になり、南太平洋戦域での劣勢を逆転することにつながる。 

ところが、現在の防衛省・自衛隊は、財務省や国土交通省など一般行政官庁と横並びで情報公開法に縛られている。

だから、陸自の日報も他省庁なみの行政文書と位置づけられ、公開の対象にされてしまう。ばかげたことに、国を挙げて自衛隊員の命を危険にさらしているようなものではないか。

例外は外務省の外交文書で、一般の行政文書とは別に局部長が指定する「極秘文書」と課室長が指定の「秘文書」に分けられている。

指定期間は5年を超えないものとするが、延長も可能で、原則的に公開は30年経過したものとしている。 

米国の情報公開法もほぼ同様で、作成後30年以上が経過した外交文書は原則的に公開されている。

公開までに一定期間を置くのは、交渉の手のうちをさらして国益を害する危険があるからだ。

国防総省、国防情報局、中央情報局(CIA)、中央軍などの関係文書はさらに厳しく精査したうえで、一部が公開される。

実際には、機密が解除されるのはそうたやすいことではない。 

今回、陸自の公文書管理に甘さがあった点は否めない。

しかし、国会議員が「法の制定者」を自負するのであれば、国益に照らして欠陥のある法や規則を直ちに改めるべきであろう。

日報は事実を把握し、のちの活動に生かすために引き継がれるべきものだ。

こうした軍事資産を政争の具にするのではなく、本来のあるべきPKOの前提となる憲法改正を、粛々と行うのが議員の本懐ではないか。      

ゆあさ ひろし 1948年東京生まれ。中央大学法学部卒業。プリンストン大学Mid-Career Program修了。産経新聞ワシントン支局長、シンガポール支局長を務める。現在、産経新聞特別記者・論説委員。著書に『覇権国家の正体』(海竜社)、『吉田茂の軍事顧問辰巳栄二(文藝春秋)など。

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そこには、南スーダンの人々の安全や復興のために働く自衛隊員へのねぎらいや、イラク安定のために貢献する隊員への感謝もない

2018年04月30日 14時12分54秒 | 日記

今、NHKを支配している労組…過激派や極左がNHKの労組やJR労組、自治労、日教組、日弁連等を支配している事は、もはや周知の事実である…は、私が日本国民全員必読の書であると言及する月刊誌群は、右寄りの雑誌だと決めつけて、鼻でせせら笑っている救いがたい組織である。

このような人間達によって製作されているニュースや朝日新聞などのメディアだけを視聴・購読している情報弱者である中高年層は尚の事、私が日本国民全員必読の書であると言及する月刊誌群の一角が4/26に発売されている。

本物の論文が満載されていながら、たったの840円である。

中高年層にとっては何らの問題もない金額であろう。

朝日新聞の月間購読料約5,000円に比べれば、その論文の質の差に物事の真相と虚報の差が天と地であることに愕然とするだろう。

以下は4/26に発売された月刊誌Willに掲載されている湯浅博氏の連載コラム「文明の不作法」今月号は、「日報」公開が隊員を危険にさらす、である。

みんなで渡れば怖くないと考えるのだろうか。

国会議員やメディアの安全保障観の欠如には愕然とする。

陸上自衛隊の海外派遣部隊が書いた「日報」を白日の下にさらそうと、防衛省をこづき回している。

提出を逡巡し、見つからないと答えれば、「隠蔽するのか」と正義の鉄槌を下す。 

野党の狙いは、日報に「戦闘」の二文字があることを探し出し、部隊を送り出した政府の責任を追及すること。

憲法が自衛隊を戦闘区域に派遣することを禁じているとの解釈からだ。 

そこには、南スーダンの人々の安全や復興のために働く自衛隊員へのねぎらいや、イラク安定のために貢献する隊員への感謝もない。

まして国益の「こ」の字もない。

あるのは安倍政権の足下を崩そうとする政争パフォーマンスばかりだ。 

日報には、任務の経過や成果もあるが、他国から得た機密情報も含まれる。

あるいは、過酷な地で活動する自衛隊員の行動パターンも分かってしまうから、日本を敵国扱いする悪辣な国にとって、こんなに楽な情報収集はない。

わが国会議員は騒動好きのメディアと一緒になって、かの国の工作員を喜ばせるばかりなのである。 

軍事関係の日報や兵士の日記は、決して公開してはならないものだ。

第二次大戦中に、日本軍将校が戦地でも欠かさずに書いた日記が、捕虜になって接収され、米軍に作戦行動のすべてを把握されてしまった苦い経験がある。

これらの教訓が、戦後の反軍ムードから少しも生かされていない。 

日本の旧陸軍士官学校は、紳士のならいとして平時から日記をつけることを推奨していた。日本軍人は戦地で捕虜になるという前提がないから、記録類が災いになるとは考えもつかなかった。

しかし、敵情報の入手を重視する米軍にとっては、日記はまさに宝の山であった。

ちなみに、米軍人は戦地で日記などメモを残すことを厳しく禁じられた。

情報に対する考え方の違いが、勝敗や生死を分けることになる。 

昭和16年12月8日の日本軍による真珠湾攻撃で、ハワイや西海岸に住む日系人12万人が強制収容所に送られた。

収容所から志願した日系二世は、欧州の激戦地に送られ、第442連隊がドイツ軍に包囲されたテキサス大隊を救出した戦闘は、ドキュメンタリー映画『442日系部隊』で広く知られるようになった。

実はこの戦闘部隊とは別に、米軍が敵国情報を入手する手段として日本語能力をもつ日系人を軍事情報部(MIS)が採用していた。

彼らは語学学校で日本語の再訓練を受けたあと、太平洋戦線の情報部に語学兵として配属された。

彼らの使命は、日本人捕虜からの聞き取りや、所持する日記の翻訳などであった。 

日系語学兵は陸海軍の百を超える部隊に編入されたというから驚きだ。

フィリピンや南太平洋の激戦地では、日本兵に投降を呼びかけ、捕虜の尋問を行った。

特に、日本人将校の日記を分析することによって、米軍司令官は敵行動の予測が可能になり、南太平洋戦域での劣勢を逆転することにつながる。 

ところが、現在の防衛省・自衛隊は、財務省や国土交通省など一般行政官庁と横並びで情報公開法に縛られている。

だから、陸自の日報も他省庁なみの行政文書と位置づけられ、公開の対象にされてしまう。ばかげたことに、国を挙げて自衛隊員の命を危険にさらしているようなものではないか。

例外は外務省の外交文書で、一般の行政文書とは別に局部長が指定する「極秘文書」と課室長が指定の「秘文書」に分けられている。

指定期間は5年を超えないものとするが、延長も可能で、原則的に公開は30年経過したものとしている。 

米国の情報公開法もほぼ同様で、作成後30年以上が経過した外交文書は原則的に公開されている。

公開までに一定期間を置くのは、交渉の手のうちをさらして国益を害する危険があるからだ。

国防総省、国防情報局、中央情報局(CIA)、中央軍などの関係文書はさらに厳しく精査したうえで、一部が公開される。

実際には、機密が解除されるのはそうたやすいことではない。 

今回、陸自の公文書管理に甘さがあった点は否めない。

しかし、国会議員が「法の制定者」を自負するのであれば、国益に照らして欠陥のある法や規則を直ちに改めるべきであろう。

日報は事実を把握し、のちの活動に生かすために引き継がれるべきものだ。

こうした軍事資産を政争の具にするのではなく、本来のあるべきPKOの前提となる憲法改正を、粛々と行うのが議員の本懐ではないか。      

ゆあさ ひろし 1948年東京生まれ。中央大学法学部卒業。プリンストン大学Mid-Career Program修了。産経新聞ワシントン支局長、シンガポール支局長を務める。現在、産経新聞特別記者・論説委員。著書に『覇権国家の正体』(海竜社)、『吉田茂の軍事顧問辰巳栄二(文藝春秋)など。

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野党の狙いは、日報に「戦闘」の二文字があることを探し出し、部隊を送り出した政府の責任を追及すること。

2018年04月30日 14時11分25秒 | 日記

今、NHKを支配している労組…過激派や極左がNHKの労組やJR労組、自治労、日教組、日弁連等を支配している事は、もはや周知の事実である…は、私が日本国民全員必読の書であると言及する月刊誌群は、右寄りの雑誌だと決めつけて、鼻でせせら笑っている救いがたい組織である。

このような人間達によって製作されているニュースや朝日新聞などのメディアだけを視聴・購読している情報弱者である中高年層は尚の事、私が日本国民全員必読の書であると言及する月刊誌群の一角が4/26に発売されている。

本物の論文が満載されていながら、たったの840円である。

中高年層にとっては何らの問題もない金額であろう。

朝日新聞の月間購読料約5,000円に比べれば、その論文の質の差に物事の真相と虚報の差が天と地であることに愕然とするだろう。

以下は4/26に発売された月刊誌Willに掲載されている湯浅博氏の連載コラム「文明の不作法」今月号は、「日報」公開が隊員を危険にさらす、である。

みんなで渡れば怖くないと考えるのだろうか。

国会議員やメディアの安全保障観の欠如には愕然とする。

陸上自衛隊の海外派遣部隊が書いた「日報」を白日の下にさらそうと、防衛省をこづき回している。

提出を逡巡し、見つからないと答えれば、「隠蔽するのか」と正義の鉄槌を下す。 

野党の狙いは、日報に「戦闘」の二文字があることを探し出し、部隊を送り出した政府の責任を追及すること。

憲法が自衛隊を戦闘区域に派遣することを禁じているとの解釈からだ。 

そこには、南スーダンの人々の安全や復興のために働く自衛隊員へのねぎらいや、イラク安定のために貢献する隊員への感謝もない。

まして国益の「こ」の字もない。

あるのは安倍政権の足下を崩そうとする政争パフォーマンスばかりだ。 

日報には、任務の経過や成果もあるが、他国から得た機密情報も含まれる。

あるいは、過酷な地で活動する自衛隊員の行動パターンも分かってしまうから、日本を敵国扱いする悪辣な国にとって、こんなに楽な情報収集はない。

わが国会議員は騒動好きのメディアと一緒になって、かの国の工作員を喜ばせるばかりなのである。 

軍事関係の日報や兵士の日記は、決して公開してはならないものだ。

第二次大戦中に、日本軍将校が戦地でも欠かさずに書いた日記が、捕虜になって接収され、米軍に作戦行動のすべてを把握されてしまった苦い経験がある。

これらの教訓が、戦後の反軍ムードから少しも生かされていない。 

日本の旧陸軍士官学校は、紳士のならいとして平時から日記をつけることを推奨していた。日本軍人は戦地で捕虜になるという前提がないから、記録類が災いになるとは考えもつかなかった。

しかし、敵情報の入手を重視する米軍にとっては、日記はまさに宝の山であった。

ちなみに、米軍人は戦地で日記などメモを残すことを厳しく禁じられた。

情報に対する考え方の違いが、勝敗や生死を分けることになる。 

昭和16年12月8日の日本軍による真珠湾攻撃で、ハワイや西海岸に住む日系人12万人が強制収容所に送られた。

収容所から志願した日系二世は、欧州の激戦地に送られ、第442連隊がドイツ軍に包囲されたテキサス大隊を救出した戦闘は、ドキュメンタリー映画『442日系部隊』で広く知られるようになった。

実はこの戦闘部隊とは別に、米軍が敵国情報を入手する手段として日本語能力をもつ日系人を軍事情報部(MIS)が採用していた。

彼らは語学学校で日本語の再訓練を受けたあと、太平洋戦線の情報部に語学兵として配属された。

彼らの使命は、日本人捕虜からの聞き取りや、所持する日記の翻訳などであった。 

日系語学兵は陸海軍の百を超える部隊に編入されたというから驚きだ。

フィリピンや南太平洋の激戦地では、日本兵に投降を呼びかけ、捕虜の尋問を行った。

特に、日本人将校の日記を分析することによって、米軍司令官は敵行動の予測が可能になり、南太平洋戦域での劣勢を逆転することにつながる。 

ところが、現在の防衛省・自衛隊は、財務省や国土交通省など一般行政官庁と横並びで情報公開法に縛られている。

だから、陸自の日報も他省庁なみの行政文書と位置づけられ、公開の対象にされてしまう。ばかげたことに、国を挙げて自衛隊員の命を危険にさらしているようなものではないか。

例外は外務省の外交文書で、一般の行政文書とは別に局部長が指定する「極秘文書」と課室長が指定の「秘文書」に分けられている。

指定期間は5年を超えないものとするが、延長も可能で、原則的に公開は30年経過したものとしている。 

米国の情報公開法もほぼ同様で、作成後30年以上が経過した外交文書は原則的に公開されている。

公開までに一定期間を置くのは、交渉の手のうちをさらして国益を害する危険があるからだ。

国防総省、国防情報局、中央情報局(CIA)、中央軍などの関係文書はさらに厳しく精査したうえで、一部が公開される。

実際には、機密が解除されるのはそうたやすいことではない。 

今回、陸自の公文書管理に甘さがあった点は否めない。

しかし、国会議員が「法の制定者」を自負するのであれば、国益に照らして欠陥のある法や規則を直ちに改めるべきであろう。

日報は事実を把握し、のちの活動に生かすために引き継がれるべきものだ。

こうした軍事資産を政争の具にするのではなく、本来のあるべきPKOの前提となる憲法改正を、粛々と行うのが議員の本懐ではないか。      

ゆあさ ひろし 1948年東京生まれ。中央大学法学部卒業。プリンストン大学Mid-Career Program修了。産経新聞ワシントン支局長、シンガポール支局長を務める。現在、産経新聞特別記者・論説委員。著書に『覇権国家の正体』(海竜社)、『吉田茂の軍事顧問辰巳栄二(文藝春秋)など。

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陸上自衛隊の海外派遣部隊が書いた「日報」を白日の下にさらそうと、防衛省をこづき回している。

2018年04月30日 14時10分29秒 | 日記

今、NHKを支配している労組…過激派や極左がNHKの労組やJR労組、自治労、日教組、日弁連等を支配している事は、もはや周知の事実である…は、私が日本国民全員必読の書であると言及する月刊誌群は、右寄りの雑誌だと決めつけて、鼻でせせら笑っている救いがたい組織である。

このような人間達によって製作されているニュースや朝日新聞などのメディアだけを視聴・購読している情報弱者である中高年層は尚の事、私が日本国民全員必読の書であると言及する月刊誌群の一角が4/26に発売されている。

本物の論文が満載されていながら、たったの840円である。

中高年層にとっては何らの問題もない金額であろう。

朝日新聞の月間購読料約5,000円に比べれば、その論文の質の差に物事の真相と虚報の差が天と地であることに愕然とするだろう。

以下は4/26に発売された月刊誌Willに掲載されている湯浅博氏の連載コラム「文明の不作法」今月号は、「日報」公開が隊員を危険にさらす、である。

みんなで渡れば怖くないと考えるのだろうか。

国会議員やメディアの安全保障観の欠如には愕然とする。

陸上自衛隊の海外派遣部隊が書いた「日報」を白日の下にさらそうと、防衛省をこづき回している。

提出を逡巡し、見つからないと答えれば、「隠蔽するのか」と正義の鉄槌を下す。 

野党の狙いは、日報に「戦闘」の二文字があることを探し出し、部隊を送り出した政府の責任を追及すること。

憲法が自衛隊を戦闘区域に派遣することを禁じているとの解釈からだ。 

そこには、南スーダンの人々の安全や復興のために働く自衛隊員へのねぎらいや、イラク安定のために貢献する隊員への感謝もない。

まして国益の「こ」の字もない。

あるのは安倍政権の足下を崩そうとする政争パフォーマンスばかりだ。 

日報には、任務の経過や成果もあるが、他国から得た機密情報も含まれる。

あるいは、過酷な地で活動する自衛隊員の行動パターンも分かってしまうから、日本を敵国扱いする悪辣な国にとって、こんなに楽な情報収集はない。

わが国会議員は騒動好きのメディアと一緒になって、かの国の工作員を喜ばせるばかりなのである。 

軍事関係の日報や兵士の日記は、決して公開してはならないものだ。

第二次大戦中に、日本軍将校が戦地でも欠かさずに書いた日記が、捕虜になって接収され、米軍に作戦行動のすべてを把握されてしまった苦い経験がある。

これらの教訓が、戦後の反軍ムードから少しも生かされていない。 

日本の旧陸軍士官学校は、紳士のならいとして平時から日記をつけることを推奨していた。日本軍人は戦地で捕虜になるという前提がないから、記録類が災いになるとは考えもつかなかった。

しかし、敵情報の入手を重視する米軍にとっては、日記はまさに宝の山であった。

ちなみに、米軍人は戦地で日記などメモを残すことを厳しく禁じられた。

情報に対する考え方の違いが、勝敗や生死を分けることになる。 

昭和16年12月8日の日本軍による真珠湾攻撃で、ハワイや西海岸に住む日系人12万人が強制収容所に送られた。

収容所から志願した日系二世は、欧州の激戦地に送られ、第442連隊がドイツ軍に包囲されたテキサス大隊を救出した戦闘は、ドキュメンタリー映画『442日系部隊』で広く知られるようになった。

実はこの戦闘部隊とは別に、米軍が敵国情報を入手する手段として日本語能力をもつ日系人を軍事情報部(MIS)が採用していた。

彼らは語学学校で日本語の再訓練を受けたあと、太平洋戦線の情報部に語学兵として配属された。

彼らの使命は、日本人捕虜からの聞き取りや、所持する日記の翻訳などであった。 

日系語学兵は陸海軍の百を超える部隊に編入されたというから驚きだ。

フィリピンや南太平洋の激戦地では、日本兵に投降を呼びかけ、捕虜の尋問を行った。

特に、日本人将校の日記を分析することによって、米軍司令官は敵行動の予測が可能になり、南太平洋戦域での劣勢を逆転することにつながる。 

ところが、現在の防衛省・自衛隊は、財務省や国土交通省など一般行政官庁と横並びで情報公開法に縛られている。

だから、陸自の日報も他省庁なみの行政文書と位置づけられ、公開の対象にされてしまう。ばかげたことに、国を挙げて自衛隊員の命を危険にさらしているようなものではないか。

例外は外務省の外交文書で、一般の行政文書とは別に局部長が指定する「極秘文書」と課室長が指定の「秘文書」に分けられている。

指定期間は5年を超えないものとするが、延長も可能で、原則的に公開は30年経過したものとしている。 

米国の情報公開法もほぼ同様で、作成後30年以上が経過した外交文書は原則的に公開されている。

公開までに一定期間を置くのは、交渉の手のうちをさらして国益を害する危険があるからだ。

国防総省、国防情報局、中央情報局(CIA)、中央軍などの関係文書はさらに厳しく精査したうえで、一部が公開される。

実際には、機密が解除されるのはそうたやすいことではない。 

今回、陸自の公文書管理に甘さがあった点は否めない。

しかし、国会議員が「法の制定者」を自負するのであれば、国益に照らして欠陥のある法や規則を直ちに改めるべきであろう。

日報は事実を把握し、のちの活動に生かすために引き継がれるべきものだ。

こうした軍事資産を政争の具にするのではなく、本来のあるべきPKOの前提となる憲法改正を、粛々と行うのが議員の本懐ではないか。      

ゆあさ ひろし 1948年東京生まれ。中央大学法学部卒業。プリンストン大学Mid-Career Program修了。産経新聞ワシントン支局長、シンガポール支局長を務める。現在、産経新聞特別記者・論説委員。著書に『覇権国家の正体』(海竜社)、『吉田茂の軍事顧問辰巳栄二(文藝春秋)など。

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みんなで渡れば怖くないと考えるのだろうか。国会議員やメディアの安全保障観の欠如には愕然とする。

2018年04月30日 14時09分05秒 | 日記

今、NHKを支配している労組…過激派や極左がNHKの労組やJR労組、自治労、日教組、日弁連等を支配している事は、もはや周知の事実である…は、私が日本国民全員必読の書であると言及する月刊誌群は、右寄りの雑誌だと決めつけて、鼻でせせら笑っている救いがたい組織である。

このような人間達によって製作されているニュースや朝日新聞などのメディアだけを視聴・購読している情報弱者である中高年層は尚の事、私が日本国民全員必読の書であると言及する月刊誌群の一角が4/26に発売されている。

本物の論文が満載されていながら、たったの840円である。

中高年層にとっては何らの問題もない金額であろう。

朝日新聞の月間購読料約5,000円に比べれば、その論文の質の差に物事の真相と虚報の差が天と地であることに愕然とするだろう。

以下は4/26に発売された月刊誌Willに掲載されている湯浅博氏の連載コラム「文明の不作法」今月号は、「日報」公開が隊員を危険にさらす、である。

みんなで渡れば怖くないと考えるのだろうか。

国会議員やメディアの安全保障観の欠如には愕然とする。

陸上自衛隊の海外派遣部隊が書いた「日報」を白日の下にさらそうと、防衛省をこづき回している。

提出を逡巡し、見つからないと答えれば、「隠蔽するのか」と正義の鉄槌を下す。 

野党の狙いは、日報に「戦闘」の二文字があることを探し出し、部隊を送り出した政府の責任を追及すること。

憲法が自衛隊を戦闘区域に派遣することを禁じているとの解釈からだ。 

そこには、南スーダンの人々の安全や復興のために働く自衛隊員へのねぎらいや、イラク安定のために貢献する隊員への感謝もない。

まして国益の「こ」の字もない。

あるのは安倍政権の足下を崩そうとする政争パフォーマンスばかりだ。 

日報には、任務の経過や成果もあるが、他国から得た機密情報も含まれる。

あるいは、過酷な地で活動する自衛隊員の行動パターンも分かってしまうから、日本を敵国扱いする悪辣な国にとって、こんなに楽な情報収集はない。

わが国会議員は騒動好きのメディアと一緒になって、かの国の工作員を喜ばせるばかりなのである。 

軍事関係の日報や兵士の日記は、決して公開してはならないものだ。

第二次大戦中に、日本軍将校が戦地でも欠かさずに書いた日記が、捕虜になって接収され、米軍に作戦行動のすべてを把握されてしまった苦い経験がある。

これらの教訓が、戦後の反軍ムードから少しも生かされていない。 

日本の旧陸軍士官学校は、紳士のならいとして平時から日記をつけることを推奨していた。日本軍人は戦地で捕虜になるという前提がないから、記録類が災いになるとは考えもつかなかった。

しかし、敵情報の入手を重視する米軍にとっては、日記はまさに宝の山であった。

ちなみに、米軍人は戦地で日記などメモを残すことを厳しく禁じられた。

情報に対する考え方の違いが、勝敗や生死を分けることになる。 

昭和16年12月8日の日本軍による真珠湾攻撃で、ハワイや西海岸に住む日系人12万人が強制収容所に送られた。

収容所から志願した日系二世は、欧州の激戦地に送られ、第442連隊がドイツ軍に包囲されたテキサス大隊を救出した戦闘は、ドキュメンタリー映画『442日系部隊』で広く知られるようになった。

実はこの戦闘部隊とは別に、米軍が敵国情報を入手する手段として日本語能力をもつ日系人を軍事情報部(MIS)が採用していた。

彼らは語学学校で日本語の再訓練を受けたあと、太平洋戦線の情報部に語学兵として配属された。

彼らの使命は、日本人捕虜からの聞き取りや、所持する日記の翻訳などであった。 

日系語学兵は陸海軍の百を超える部隊に編入されたというから驚きだ。

フィリピンや南太平洋の激戦地では、日本兵に投降を呼びかけ、捕虜の尋問を行った。

特に、日本人将校の日記を分析することによって、米軍司令官は敵行動の予測が可能になり、南太平洋戦域での劣勢を逆転することにつながる。 

ところが、現在の防衛省・自衛隊は、財務省や国土交通省など一般行政官庁と横並びで情報公開法に縛られている。

だから、陸自の日報も他省庁なみの行政文書と位置づけられ、公開の対象にされてしまう。ばかげたことに、国を挙げて自衛隊員の命を危険にさらしているようなものではないか。

例外は外務省の外交文書で、一般の行政文書とは別に局部長が指定する「極秘文書」と課室長が指定の「秘文書」に分けられている。

指定期間は5年を超えないものとするが、延長も可能で、原則的に公開は30年経過したものとしている。 

米国の情報公開法もほぼ同様で、作成後30年以上が経過した外交文書は原則的に公開されている。

公開までに一定期間を置くのは、交渉の手のうちをさらして国益を害する危険があるからだ。

国防総省、国防情報局、中央情報局(CIA)、中央軍などの関係文書はさらに厳しく精査したうえで、一部が公開される。

実際には、機密が解除されるのはそうたやすいことではない。 

今回、陸自の公文書管理に甘さがあった点は否めない。

しかし、国会議員が「法の制定者」を自負するのであれば、国益に照らして欠陥のある法や規則を直ちに改めるべきであろう。

日報は事実を把握し、のちの活動に生かすために引き継がれるべきものだ。

こうした軍事資産を政争の具にするのではなく、本来のあるべきPKOの前提となる憲法改正を、粛々と行うのが議員の本懐ではないか。      

ゆあさ ひろし 1948年東京生まれ。中央大学法学部卒業。プリンストン大学Mid-Career Program修了。産経新聞ワシントン支局長、シンガポール支局長を務める。現在、産経新聞特別記者・論説委員。著書に『覇権国家の正体』(海竜社)、『吉田茂の軍事顧問辰巳栄二(文藝春秋)など。

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朝日新聞の月間購読料約5,000円に比べれば、その論文の質の差に物事の真相と虚報の差が天と地であることに愕然とする

2018年04月30日 14時06分55秒 | 日記

今、NHKを支配している労組…過激派や極左がNHKの労組やJR労組、自治労、日教組、日弁連等を支配している事は、もはや周知の事実である…は、私が日本国民全員必読の書であると言及する月刊誌群は、右寄りの雑誌だと決めつけて、鼻でせせら笑っている救いがたい組織である。

このような人間達によって製作されているニュースや朝日新聞などのメディアだけを視聴・購読している情報弱者である中高年層は尚の事、私が日本国民全員必読の書であると言及する月刊誌群の一角が4/26に発売されている。

本物の論文が満載されていながら、たったの840円である。

中高年層にとっては何らの問題もない金額であろう。

朝日新聞の月間購読料約5,000円に比べれば、その論文の質の差に物事の真相と虚報の差が天と地であることに愕然とするだろう。

以下は4/26に発売された月刊誌Willに掲載されている湯浅博氏の連載コラム「文明の不作法」今月号は、「日報」公開が隊員を危険にさらす、である。

みんなで渡れば怖くないと考えるのだろうか。

国会議員やメディアの安全保障観の欠如には愕然とする。

陸上自衛隊の海外派遣部隊が書いた「日報」を白日の下にさらそうと、防衛省をこづき回している。

提出を逡巡し、見つからないと答えれば、「隠蔽するのか」と正義の鉄槌を下す。 

野党の狙いは、日報に「戦闘」の二文字があることを探し出し、部隊を送り出した政府の責任を追及すること。

憲法が自衛隊を戦闘区域に派遣することを禁じているとの解釈からだ。 

そこには、南スーダンの人々の安全や復興のために働く自衛隊員へのねぎらいや、イラク安定のために貢献する隊員への感謝もない。

まして国益の「こ」の字もない。

あるのは安倍政権の足下を崩そうとする政争パフォーマンスばかりだ。 

日報には、任務の経過や成果もあるが、他国から得た機密情報も含まれる。

あるいは、過酷な地で活動する自衛隊員の行動パターンも分かってしまうから、日本を敵国扱いする悪辣な国にとって、こんなに楽な情報収集はない。

わが国会議員は騒動好きのメディアと一緒になって、かの国の工作員を喜ばせるばかりなのである。 

軍事関係の日報や兵士の日記は、決して公開してはならないものだ。

第二次大戦中に、日本軍将校が戦地でも欠かさずに書いた日記が、捕虜になって接収され、米軍に作戦行動のすべてを把握されてしまった苦い経験がある。

これらの教訓が、戦後の反軍ムードから少しも生かされていない。 

日本の旧陸軍士官学校は、紳士のならいとして平時から日記をつけることを推奨していた。日本軍人は戦地で捕虜になるという前提がないから、記録類が災いになるとは考えもつかなかった。

しかし、敵情報の入手を重視する米軍にとっては、日記はまさに宝の山であった。

ちなみに、米軍人は戦地で日記などメモを残すことを厳しく禁じられた。

情報に対する考え方の違いが、勝敗や生死を分けることになる。 

昭和16年12月8日の日本軍による真珠湾攻撃で、ハワイや西海岸に住む日系人12万人が強制収容所に送られた。

収容所から志願した日系二世は、欧州の激戦地に送られ、第442連隊がドイツ軍に包囲されたテキサス大隊を救出した戦闘は、ドキュメンタリー映画『442日系部隊』で広く知られるようになった。

実はこの戦闘部隊とは別に、米軍が敵国情報を入手する手段として日本語能力をもつ日系人を軍事情報部(MIS)が採用していた。

彼らは語学学校で日本語の再訓練を受けたあと、太平洋戦線の情報部に語学兵として配属された。

彼らの使命は、日本人捕虜からの聞き取りや、所持する日記の翻訳などであった。 

日系語学兵は陸海軍の百を超える部隊に編入されたというから驚きだ。

フィリピンや南太平洋の激戦地では、日本兵に投降を呼びかけ、捕虜の尋問を行った。

特に、日本人将校の日記を分析することによって、米軍司令官は敵行動の予測が可能になり、南太平洋戦域での劣勢を逆転することにつながる。 

ところが、現在の防衛省・自衛隊は、財務省や国土交通省など一般行政官庁と横並びで情報公開法に縛られている。

だから、陸自の日報も他省庁なみの行政文書と位置づけられ、公開の対象にされてしまう。ばかげたことに、国を挙げて自衛隊員の命を危険にさらしているようなものではないか。

例外は外務省の外交文書で、一般の行政文書とは別に局部長が指定する「極秘文書」と課室長が指定の「秘文書」に分けられている。

指定期間は5年を超えないものとするが、延長も可能で、原則的に公開は30年経過したものとしている。 

米国の情報公開法もほぼ同様で、作成後30年以上が経過した外交文書は原則的に公開されている。

公開までに一定期間を置くのは、交渉の手のうちをさらして国益を害する危険があるからだ。

国防総省、国防情報局、中央情報局(CIA)、中央軍などの関係文書はさらに厳しく精査したうえで、一部が公開される。

実際には、機密が解除されるのはそうたやすいことではない。 

今回、陸自の公文書管理に甘さがあった点は否めない。

しかし、国会議員が「法の制定者」を自負するのであれば、国益に照らして欠陥のある法や規則を直ちに改めるべきであろう。

日報は事実を把握し、のちの活動に生かすために引き継がれるべきものだ。

こうした軍事資産を政争の具にするのではなく、本来のあるべきPKOの前提となる憲法改正を、粛々と行うのが議員の本懐ではないか。      

ゆあさ ひろし 1948年東京生まれ。中央大学法学部卒業。プリンストン大学Mid-Career Program修了。産経新聞ワシントン支局長、シンガポール支局長を務める。現在、産経新聞特別記者・論説委員。著書に『覇権国家の正体』(海竜社)、『吉田茂の軍事顧問辰巳栄二(文藝春秋)など。

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中高年層は尚の事、私が日本国民全員必読の書であると言及する月刊誌群の一角が4/26に発売されている。

2018年04月30日 14時04分00秒 | 日記

今、NHKを支配している労組…過激派や極左がNHKの労組やJR労組、自治労、日教組、日弁連等を支配している事は、もはや周知の事実である…は、私が日本国民全員必読の書であると言及する月刊誌群は、右寄りの雑誌だと決めつけて、鼻でせせら笑っている救いがたい組織である。

このような人間達によって製作されているニュースや朝日新聞などのメディアだけを視聴・購読している情報弱者である中高年層は尚の事、私が日本国民全員必読の書であると言及する月刊誌群の一角が4/26に発売されている。

本物の論文が満載されていながら、たったの840円である。

中高年層にとっては何らの問題もない金額であろう。

朝日新聞の月間購読料約5,000円に比べれば、その論文の質の差に、物事の真実と虚報の差が天と地であることに愕然とするだろう。

以下は4/26に発売された月刊誌Willに掲載されている湯浅博氏の連載コラム「文明の不作法」今月号は、「日報」公開が隊員を危険にさらす、である。

みんなで渡れば怖くないと考えるのだろうか。

国会議員やメディアの安全保障観の欠如には愕然とする。

陸上自衛隊の海外派遣部隊が書いた「日報」を白日の下にさらそうと、防衛省をこづき回している。

提出を逡巡し、見つからないと答えれば、「隠蔽するのか」と正義の鉄槌を下す。 

野党の狙いは、日報に「戦闘」の二文字があることを探し出し、部隊を送り出した政府の責任を追及すること。

憲法が自衛隊を戦闘区域に派遣することを禁じているとの解釈からだ。 

そこには、南スーダンの人々の安全や復興のために働く自衛隊員へのねぎらいや、イラク安定のために貢献する隊員への感謝もない。

まして国益の「こ」の字もない。

あるのは安倍政権の足下を崩そうとする政争パフォーマンスばかりだ。 

日報には、任務の経過や成果もあるが、他国から得た機密情報も含まれる。

あるいは、過酷な地で活動する自衛隊員の行動パターンも分かってしまうから、日本を敵国扱いする悪辣な国にとって、こんなに楽な情報収集はない。

わが国会議員は騒動好きのメディアと一緒になって、かの国の工作員を喜ばせるばかりなのである。 

軍事関係の日報や兵士の日記は、決して公開してはならないものだ。

第二次大戦中に、日本軍将校が戦地でも欠かさずに書いた日記が、捕虜になって接収され、米軍に作戦行動のすべてを把握されてしまった苦い経験がある。

これらの教訓が、戦後の反軍ムードから少しも生かされていない。 

日本の旧陸軍士官学校は、紳士のならいとして平時から日記をつけることを推奨していた。日本軍人は戦地で捕虜になるという前提がないから、記録類が災いになるとは考えもつかなかった。

しかし、敵情報の入手を重視する米軍にとっては、日記はまさに宝の山であった。

ちなみに、米軍人は戦地で日記などメモを残すことを厳しく禁じられた。

情報に対する考え方の違いが、勝敗や生死を分けることになる。 

昭和16年12月8日の日本軍による真珠湾攻撃で、ハワイや西海岸に住む日系人12万人が強制収容所に送られた。

収容所から志願した日系二世は、欧州の激戦地に送られ、第442連隊がドイツ軍に包囲されたテキサス大隊を救出した戦闘は、ドキュメンタリー映画『442日系部隊』で広く知られるようになった。

実はこの戦闘部隊とは別に、米軍が敵国情報を入手する手段として日本語能力をもつ日系人を軍事情報部(MIS)が採用していた。

彼らは語学学校で日本語の再訓練を受けたあと、太平洋戦線の情報部に語学兵として配属された。

彼らの使命は、日本人捕虜からの聞き取りや、所持する日記の翻訳などであった。 

日系語学兵は陸海軍の百を超える部隊に編入されたというから驚きだ。

フィリピンや南太平洋の激戦地では、日本兵に投降を呼びかけ、捕虜の尋問を行った。

特に、日本人将校の日記を分析することによって、米軍司令官は敵行動の予測が可能になり、南太平洋戦域での劣勢を逆転することにつながる。 

ところが、現在の防衛省・自衛隊は、財務省や国土交通省など一般行政官庁と横並びで情報公開法に縛られている。

だから、陸自の日報も他省庁なみの行政文書と位置づけられ、公開の対象にされてしまう。ばかげたことに、国を挙げて自衛隊員の命を危険にさらしているようなものではないか。

例外は外務省の外交文書で、一般の行政文書とは別に局部長が指定する「極秘文書」と課室長が指定の「秘文書」に分けられている。

指定期間は5年を超えないものとするが、延長も可能で、原則的に公開は30年経過したものとしている。 

米国の情報公開法もほぼ同様で、作成後30年以上が経過した外交文書は原則的に公開されている。

公開までに一定期間を置くのは、交渉の手のうちをさらして国益を害する危険があるからだ。

国防総省、国防情報局、中央情報局(CIA)、中央軍などの関係文書はさらに厳しく精査したうえで、一部が公開される。

実際には、機密が解除されるのはそうたやすいことではない。 

今回、陸自の公文書管理に甘さがあった点は否めない。

しかし、国会議員が「法の制定者」を自負するのであれば、国益に照らして欠陥のある法や規則を直ちに改めるべきであろう。

日報は事実を把握し、のちの活動に生かすために引き継がれるべきものだ。

こうした軍事資産を政争の具にするのではなく、本来のあるべきPKOの前提となる憲法改正を、粛々と行うのが議員の本懐ではないか。      

ゆあさ ひろし 1948年東京生まれ。中央大学法学部卒業。プリンストン大学Mid-Career Program修了。産経新聞ワシントン支局長、シンガポール支局長を務める。現在、産経新聞特別記者・論説委員。著書に『覇権国家の正体』(海竜社)、『吉田茂の軍事顧問辰巳栄二(文藝春秋)など。

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このような人間達によって製作されているニュースや朝日新聞などのメディアだけを視聴・購読している情報弱者である中高年層は

2018年04月30日 14時01分40秒 | 日記

今、NHKを支配している労組…過激派や極左がNHKの労組やJR労組、自治労、日教組、日弁連等を支配している事は、もはや周知の事実である…は、私が日本国民全員必読の書であると言及する月刊誌群は、右寄りの雑誌だと決めつけて、鼻でせせら笑っている救いがたい組織である。

このような人間達によって製作されているニュースや朝日新聞などのメディアだけを視聴・購読している情報弱者である中高年層は尚の事、私が日本国民全員必読の書であると言及する月刊誌群の一角が4/26に発売されている。

本物の論文が満載されていながら、たったの840円である。

中高年層にとっては何らの問題もない金額であろう。

朝日新聞の月間購読料約5,000円に比べれば、その論文の質の差に、物事の真実と虚報の差が天と地であることに愕然とするだろう。

以下は4/26に発売された月刊誌Willに掲載されている湯浅博氏の連載コラム「文明の不作法」今月号は、「日報」公開が隊員を危険にさらす、である。

みんなで渡れば怖くないと考えるのだろうか。

国会議員やメディアの安全保障観の欠如には愕然とする。

陸上自衛隊の海外派遣部隊が書いた「日報」を白日の下にさらそうと、防衛省をこづき回している。

提出を逡巡し、見つからないと答えれば、「隠蔽するのか」と正義の鉄槌を下す。 

野党の狙いは、日報に「戦闘」の二文字があることを探し出し、部隊を送り出した政府の責任を追及すること。

憲法が自衛隊を戦闘区域に派遣することを禁じているとの解釈からだ。 

そこには、南スーダンの人々の安全や復興のために働く自衛隊員へのねぎらいや、イラク安定のために貢献する隊員への感謝もない。

まして国益の「こ」の字もない。

あるのは安倍政権の足下を崩そうとする政争パフォーマンスばかりだ。 

日報には、任務の経過や成果もあるが、他国から得た機密情報も含まれる。

あるいは、過酷な地で活動する自衛隊員の行動パターンも分かってしまうから、日本を敵国扱いする悪辣な国にとって、こんなに楽な情報収集はない。

わが国会議員は騒動好きのメディアと一緒になって、かの国の工作員を喜ばせるばかりなのである。 

軍事関係の日報や兵士の日記は、決して公開してはならないものだ。

第二次大戦中に、日本軍将校が戦地でも欠かさずに書いた日記が、捕虜になって接収され、米軍に作戦行動のすべてを把握されてしまった苦い経験がある。

これらの教訓が、戦後の反軍ムードから少しも生かされていない。 

日本の旧陸軍士官学校は、紳士のならいとして平時から日記をつけることを推奨していた。日本軍人は戦地で捕虜になるという前提がないから、記録類が災いになるとは考えもつかなかった。

しかし、敵情報の入手を重視する米軍にとっては、日記はまさに宝の山であった。

ちなみに、米軍人は戦地で日記などメモを残すことを厳しく禁じられた。

情報に対する考え方の違いが、勝敗や生死を分けることになる。 

昭和16年12月8日の日本軍による真珠湾攻撃で、ハワイや西海岸に住む日系人12万人が強制収容所に送られた。

収容所から志願した日系二世は、欧州の激戦地に送られ、第442連隊がドイツ軍に包囲されたテキサス大隊を救出した戦闘は、ドキュメンタリー映画『442日系部隊』で広く知られるようになった。

実はこの戦闘部隊とは別に、米軍が敵国情報を入手する手段として日本語能力をもつ日系人を軍事情報部(MIS)が採用していた。

彼らは語学学校で日本語の再訓練を受けたあと、太平洋戦線の情報部に語学兵として配属された。

彼らの使命は、日本人捕虜からの聞き取りや、所持する日記の翻訳などであった。 

日系語学兵は陸海軍の百を超える部隊に編入されたというから驚きだ。

フィリピンや南太平洋の激戦地では、日本兵に投降を呼びかけ、捕虜の尋問を行った。

特に、日本人将校の日記を分析することによって、米軍司令官は敵行動の予測が可能になり、南太平洋戦域での劣勢を逆転することにつながる。 

ところが、現在の防衛省・自衛隊は、財務省や国土交通省など一般行政官庁と横並びで情報公開法に縛られている。

だから、陸自の日報も他省庁なみの行政文書と位置づけられ、公開の対象にされてしまう。ばかげたことに、国を挙げて自衛隊員の命を危険にさらしているようなものではないか。

例外は外務省の外交文書で、一般の行政文書とは別に局部長が指定する「極秘文書」と課室長が指定の「秘文書」に分けられている。

指定期間は5年を超えないものとするが、延長も可能で、原則的に公開は30年経過したものとしている。 

米国の情報公開法もほぼ同様で、作成後30年以上が経過した外交文書は原則的に公開されている。

公開までに一定期間を置くのは、交渉の手のうちをさらして国益を害する危険があるからだ。

国防総省、国防情報局、中央情報局(CIA)、中央軍などの関係文書はさらに厳しく精査したうえで、一部が公開される。

実際には、機密が解除されるのはそうたやすいことではない。 

今回、陸自の公文書管理に甘さがあった点は否めない。

しかし、国会議員が「法の制定者」を自負するのであれば、国益に照らして欠陥のある法や規則を直ちに改めるべきであろう。

日報は事実を把握し、のちの活動に生かすために引き継がれるべきものだ。

こうした軍事資産を政争の具にするのではなく、本来のあるべきPKOの前提となる憲法改正を、粛々と行うのが議員の本懐ではないか。      

ゆあさ ひろし 1948年東京生まれ。中央大学法学部卒業。プリンストン大学Mid-Career Program修了。産経新聞ワシントン支局長、シンガポール支局長を務める。現在、産経新聞特別記者・論説委員。著書に『覇権国家の正体』(海竜社)、『吉田茂の軍事顧問辰巳栄二(文藝春秋)など。

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北朝鮮が国連を敵にまわして頑張っている姿をみると、「相互確証破壊による均衡」の考えは「小国による世界分裂と均衡」の時代へ向うように

2018年04月30日 10時38分42秒 | 日記

以下は4/26に発売された月刊誌Willに掲載されている日下公人氏の連載コラム「繁栄のヒント」…今回のタイトルは「内臓が問題の時代」である。

トランプ大統領が登場してから、アメリカのインテリはすっかり静かになった。 

「新しい世界をつくろう」という呼びかけは消え、「新しい世界はかくあるべし」という理想や夢を語る声もない。 

それに代って、「北朝鮮を制裁する」という声が出てきた。

実力があるアメリカが言うのだから実現性は十分あると思うが、それがあと一歩というところで進まない。

「進め!」 という声もない。 

日本の安倍首相も、「では日本がやる」とは流石に言えない。

日米韓中の四力国で圧力をかけようというところで止まっている。 

このまま貿易と金融を制限しているだけでも十分効果はあるのだから何も焦ることはない3年くらい続けてみるといいと思うがそういう声もない。 

これまで世界各国はスパンの短い外交を重ねてきたので、それがクセになっているらしい。

どこの国でも内閣の寿命が短くなっているので自然に仕事の期限も短く考えるようになっている。 

ではこの際、スパンの長い外交を考えてみよう。

日本ならそれができる。どこからも借金をしていないからだ。

むしろ融資や投資ならどこの国に対してもたくさんしているから、条件を明示して「かくかく、しかしかの国に対しては今後融資も投資もしない」と声明を出して実行すれば、多分原爆投下と同じくらいの効果がある。 

それを首相直轄の“世界再生政策”とても名付けて実行すればよい。

折り紙でツルを折るよりよほど確かな効果が期待できる。 

日本もそれだけの金持ちになったと思えば国民は貯金した甲斐があったというものだが、今は外務省と経産省に勝手に使われている。 

蒋介石は友人から、「日本との戦争と中国共産党征伐の二つの問題にどう対処する気か」 と訊かれて、「中国共産党の征伐は『内臓の病気』だが、日本との戦争は単なる『皮膚病』」と答えた。 

正にその通りで蒋介石は中国共産党との戦いに負けて台湾に逃げ二度と戻ってこなかった。 

21世紀の今、予想される戦争はいろいろあるがこの分類を使って考えてみよう。 

まず内臓に達する病はたくさんある。 

アメリカでは白人至上主義との戦いがすでに内臓に食い込んでいる。

貧富の格差も同じである。

宗教的原理主義者との戦いはこれからはじまる。

アメリカの各州と連邦政府の関係は、独立戦争の昔に戻るかもしれない。 

「英語ができないアメリカ人」や「白人でないアメリカ人」はいずれ過半数に達する。 

それでもアメリカ人として誇りを持って生きてゆくために必要なものは何か。 

これは“内臓病対策とアメリカ”という問題である。

そのときはカリフォルニアは日本に―フロリダはスペインに―分裂してゆくというのも一案になる。 

ま、しかしそんなことが問題になるようなときは同じ問題がヨーロッパにも登場しているだろう。

中国本土にも。 

中国には雲南行省など、行省がいくつかあったが、これは元の時代に中国語による統治を諦めたところという意味らしい。いやはや。 

アイデンティティを言いだすとこんな話になって、国家という名称が使えなくなる、とは島国育ちの日本人には想像を超えた話だが、別の言い方をすれば日本は歴史が古いから、トランプが言う“国境の壁を高くする平和”はもう実現しているとも言える。 

21世紀はどこの国も内臓が問題の時代になる。

そのとき日本の病気が一番軽ければ日本は何かを世界のために言わねばならない。 

400年続いた帝国主義に代って登場する新しい世界を見るメガネは、実はどこの国にも備わっていると思う。

たとえば「温故知新」だが、「郷土再生」「国粋主義」「国家分割」「小国家主義」などを見直してみてはどうだろうか。 

北朝鮮が国連を敵にまわして頑張っている姿をみると、「相互確証破壊による均衡」の考えは「小国による世界分裂と均衡」の時代へ向うように見える。 

サテ日本は?

くさか きみんど 1930年生まれ。東京大学経済学部卒。日本長期信用銀行取締役、昶ソフト化経済センター理事長、東京財団会長を歴任。現在、日本ラッド、三谷産業監査役。最新刊に『ついに日本繁栄の時代がやって来た』(ワック刊)。

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たとえば「温故知新」だが、「郷土再生」「国粋主義」「国家分割」「小国家主義」などを見直してみてはどうだろうか

2018年04月30日 10時37分05秒 | 日記

以下は4/26に発売された月刊誌Willに掲載されている日下公人氏の連載コラム「繁栄のヒント」…今回のタイトルは「内臓が問題の時代」である。

トランプ大統領が登場してから、アメリカのインテリはすっかり静かになった。 

「新しい世界をつくろう」という呼びかけは消え、「新しい世界はかくあるべし」という理想や夢を語る声もない。 

それに代って、「北朝鮮を制裁する」という声が出てきた。

実力があるアメリカが言うのだから実現性は十分あると思うが、それがあと一歩というところで進まない。

「進め!」 という声もない。 

日本の安倍首相も、「では日本がやる」とは流石に言えない。

日米韓中の四力国で圧力をかけようというところで止まっている。 

このまま貿易と金融を制限しているだけでも十分効果はあるのだから何も焦ることはない3年くらい続けてみるといいと思うがそういう声もない。 

これまで世界各国はスパンの短い外交を重ねてきたので、それがクセになっているらしい。

どこの国でも内閣の寿命が短くなっているので自然に仕事の期限も短く考えるようになっている。 

ではこの際、スパンの長い外交を考えてみよう。

日本ならそれができる。どこからも借金をしていないからだ。

むしろ融資や投資ならどこの国に対してもたくさんしているから、条件を明示して「かくかく、しかしかの国に対しては今後融資も投資もしない」と声明を出して実行すれば、多分原爆投下と同じくらいの効果がある。 

それを首相直轄の“世界再生政策”とても名付けて実行すればよい。

折り紙でツルを折るよりよほど確かな効果が期待できる。 

日本もそれだけの金持ちになったと思えば国民は貯金した甲斐があったというものだが、今は外務省と経産省に勝手に使われている。 

蒋介石は友人から、「日本との戦争と中国共産党征伐の二つの問題にどう対処する気か」 と訊かれて、「中国共産党の征伐は『内臓の病気』だが、日本との戦争は単なる『皮膚病』」と答えた。 

正にその通りで蒋介石は中国共産党との戦いに負けて台湾に逃げ二度と戻ってこなかった。 

21世紀の今、予想される戦争はいろいろあるがこの分類を使って考えてみよう。 

まず内臓に達する病はたくさんある。 

アメリカでは白人至上主義との戦いがすでに内臓に食い込んでいる。

貧富の格差も同じである。

宗教的原理主義者との戦いはこれからはじまる。

アメリカの各州と連邦政府の関係は、独立戦争の昔に戻るかもしれない。 

「英語ができないアメリカ人」や「白人でないアメリカ人」はいずれ過半数に達する。 

それでもアメリカ人として誇りを持って生きてゆくために必要なものは何か。 

これは“内臓病対策とアメリカ”という問題である。

そのときはカリフォルニアは日本に―フロリダはスペインに―分裂してゆくというのも一案になる。 

ま、しかしそんなことが問題になるようなときは同じ問題がヨーロッパにも登場しているだろう。

中国本土にも。 

中国には雲南行省など、行省がいくつかあったが、これは元の時代に中国語による統治を諦めたところという意味らしい。いやはや。 

アイデンティティを言いだすとこんな話になって、国家という名称が使えなくなる、とは島国育ちの日本人には想像を超えた話だが、別の言い方をすれば日本は歴史が古いから、トランプが言う“国境の壁を高くする平和”はもう実現しているとも言える。 

21世紀はどこの国も内臓が問題の時代になる。

そのとき日本の病気が一番軽ければ日本は何かを世界のために言わねばならない。 

400年続いた帝国主義に代って登場する新しい世界を見るメガネは、実はどこの国にも備わっていると思う。

たとえば「温故知新」だが、「郷土再生」「国粋主義」「国家分割」「小国家主義」などを見直してみてはどうだろうか。 

北朝鮮が国連を敵にまわして頑張っている姿をみると、「相互確証破壊による均衡」の考えは「小国による世界分裂と均衡」の時代へ向うように見える。 

サテ日本は?

くさか きみんど 1930年生まれ。東京大学経済学部卒。日本長期信用銀行取締役、昶ソフト化経済センター理事長、東京財団会長を歴任。現在、日本ラッド、三谷産業監査役。最新刊に『ついに日本繁栄の時代がやって来た』(ワック刊)。

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400年続いた帝国主義に代って登場する新しい世界を見るメガネは、実はどこの国にも備わっていると思う。

2018年04月30日 10時35分33秒 | 日記

以下は4/26に発売された月刊誌Willに掲載されている日下公人氏の連載コラム「繁栄のヒント」…今回のタイトルは「内臓が問題の時代」である。

トランプ大統領が登場してから、アメリカのインテリはすっかり静かになった。 

「新しい世界をつくろう」という呼びかけは消え、「新しい世界はかくあるべし」という理想や夢を語る声もない。 

それに代って、「北朝鮮を制裁する」という声が出てきた。

実力があるアメリカが言うのだから実現性は十分あると思うが、それがあと一歩というところで進まない。

「進め!」 という声もない。 

日本の安倍首相も、「では日本がやる」とは流石に言えない。

日米韓中の四力国で圧力をかけようというところで止まっている。 

このまま貿易と金融を制限しているだけでも十分効果はあるのだから何も焦ることはない3年くらい続けてみるといいと思うがそういう声もない。 

これまで世界各国はスパンの短い外交を重ねてきたので、それがクセになっているらしい。

どこの国でも内閣の寿命が短くなっているので自然に仕事の期限も短く考えるようになっている。 

ではこの際、スパンの長い外交を考えてみよう。

日本ならそれができる。どこからも借金をしていないからだ。

むしろ融資や投資ならどこの国に対してもたくさんしているから、条件を明示して「かくかく、しかしかの国に対しては今後融資も投資もしない」と声明を出して実行すれば、多分原爆投下と同じくらいの効果がある。 

それを首相直轄の“世界再生政策”とても名付けて実行すればよい。

折り紙でツルを折るよりよほど確かな効果が期待できる。 

日本もそれだけの金持ちになったと思えば国民は貯金した甲斐があったというものだが、今は外務省と経産省に勝手に使われている。 

蒋介石は友人から、「日本との戦争と中国共産党征伐の二つの問題にどう対処する気か」 と訊かれて、「中国共産党の征伐は『内臓の病気』だが、日本との戦争は単なる『皮膚病』」と答えた。 

正にその通りで蒋介石は中国共産党との戦いに負けて台湾に逃げ二度と戻ってこなかった。 

21世紀の今、予想される戦争はいろいろあるがこの分類を使って考えてみよう。 

まず内臓に達する病はたくさんある。 

アメリカでは白人至上主義との戦いがすでに内臓に食い込んでいる。

貧富の格差も同じである。

宗教的原理主義者との戦いはこれからはじまる。

アメリカの各州と連邦政府の関係は、独立戦争の昔に戻るかもしれない。 

「英語ができないアメリカ人」や「白人でないアメリカ人」はいずれ過半数に達する。 

それでもアメリカ人として誇りを持って生きてゆくために必要なものは何か。 

これは“内臓病対策とアメリカ”という問題である。

そのときはカリフォルニアは日本に―フロリダはスペインに―分裂してゆくというのも一案になる。 

ま、しかしそんなことが問題になるようなときは同じ問題がヨーロッパにも登場しているだろう。

中国本土にも。 

中国には雲南行省など、行省がいくつかあったが、これは元の時代に中国語による統治を諦めたところという意味らしい。いやはや。 

アイデンティティを言いだすとこんな話になって、国家という名称が使えなくなる、とは島国育ちの日本人には想像を超えた話だが、別の言い方をすれば日本は歴史が古いから、トランプが言う“国境の壁を高くする平和”はもう実現しているとも言える。 

21世紀はどこの国も内臓が問題の時代になる。

そのとき日本の病気が一番軽ければ日本は何かを世界のために言わねばならない。 

400年続いた帝国主義に代って登場する新しい世界を見るメガネは、実はどこの国にも備わっていると思う。

たとえば「温故知新」だが、「郷土再生」「国粋主義」「国家分割」「小国家主義」などを見直してみてはどうだろうか。 

北朝鮮が国連を敵にまわして頑張っている姿をみると、「相互確証破壊による均衡」の考えは「小国による世界分裂と均衡」の時代へ向うように見える。 

サテ日本は?

くさか きみんど 1930年生まれ。東京大学経済学部卒。日本長期信用銀行取締役、昶ソフト化経済センター理事長、東京財団会長を歴任。現在、日本ラッド、三谷産業監査役。最新刊に『ついに日本繁栄の時代がやって来た』(ワック刊)。

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そのとき日本の病気が一番軽ければ日本は何かを世界のために言わねばならない。 

2018年04月30日 10時34分45秒 | 日記

以下は4/26に発売された月刊誌Willに掲載されている日下公人氏の連載コラム「繁栄のヒント」…今回のタイトルは「内臓が問題の時代」である。

トランプ大統領が登場してから、アメリカのインテリはすっかり静かになった。 

「新しい世界をつくろう」という呼びかけは消え、「新しい世界はかくあるべし」という理想や夢を語る声もない。 

それに代って、「北朝鮮を制裁する」という声が出てきた。

実力があるアメリカが言うのだから実現性は十分あると思うが、それがあと一歩というところで進まない。

「進め!」 という声もない。 

日本の安倍首相も、「では日本がやる」とは流石に言えない。

日米韓中の四力国で圧力をかけようというところで止まっている。 

このまま貿易と金融を制限しているだけでも十分効果はあるのだから何も焦ることはない3年くらい続けてみるといいと思うがそういう声もない。 

これまで世界各国はスパンの短い外交を重ねてきたので、それがクセになっているらしい。

どこの国でも内閣の寿命が短くなっているので自然に仕事の期限も短く考えるようになっている。 

ではこの際、スパンの長い外交を考えてみよう。

日本ならそれができる。どこからも借金をしていないからだ。

むしろ融資や投資ならどこの国に対してもたくさんしているから、条件を明示して「かくかく、しかしかの国に対しては今後融資も投資もしない」と声明を出して実行すれば、多分原爆投下と同じくらいの効果がある。 

それを首相直轄の“世界再生政策”とても名付けて実行すればよい。

折り紙でツルを折るよりよほど確かな効果が期待できる。 

日本もそれだけの金持ちになったと思えば国民は貯金した甲斐があったというものだが、今は外務省と経産省に勝手に使われている。 

蒋介石は友人から、「日本との戦争と中国共産党征伐の二つの問題にどう対処する気か」 と訊かれて、「中国共産党の征伐は『内臓の病気』だが、日本との戦争は単なる『皮膚病』」と答えた。 

正にその通りで蒋介石は中国共産党との戦いに負けて台湾に逃げ二度と戻ってこなかった。 

21世紀の今、予想される戦争はいろいろあるがこの分類を使って考えてみよう。 

まず内臓に達する病はたくさんある。 

アメリカでは白人至上主義との戦いがすでに内臓に食い込んでいる。

貧富の格差も同じである。

宗教的原理主義者との戦いはこれからはじまる。

アメリカの各州と連邦政府の関係は、独立戦争の昔に戻るかもしれない。 

「英語ができないアメリカ人」や「白人でないアメリカ人」はいずれ過半数に達する。 

それでもアメリカ人として誇りを持って生きてゆくために必要なものは何か。 

これは“内臓病対策とアメリカ”という問題である。

そのときはカリフォルニアは日本に―フロリダはスペインに―分裂してゆくというのも一案になる。 

ま、しかしそんなことが問題になるようなときは同じ問題がヨーロッパにも登場しているだろう。

中国本土にも。 

中国には雲南行省など、行省がいくつかあったが、これは元の時代に中国語による統治を諦めたところという意味らしい。いやはや。 

アイデンティティを言いだすとこんな話になって、国家という名称が使えなくなる、とは島国育ちの日本人には想像を超えた話だが、別の言い方をすれば日本は歴史が古いから、トランプが言う“国境の壁を高くする平和”はもう実現しているとも言える。 

21世紀はどこの国も内臓が問題の時代になる。

そのとき日本の病気が一番軽ければ日本は何かを世界のために言わねばならない。 

400年続いた帝国主義に代って登場する新しい世界を見るメガネは、実はどこの国にも備わっていると思う。

たとえば「温故知新」だが、「郷土再生」「国粋主義」「国家分割」「小国家主義」などを見直してみてはどうだろうか。 

北朝鮮が国連を敵にまわして頑張っている姿をみると、「相互確証破壊による均衡」の考えは「小国による世界分裂と均衡」の時代へ向うように見える。 

サテ日本は?

くさか きみんど 1930年生まれ。東京大学経済学部卒。日本長期信用銀行取締役、昶ソフト化経済センター理事長、東京財団会長を歴任。現在、日本ラッド、三谷産業監査役。最新刊に『ついに日本繁栄の時代がやって来た』(ワック刊)。

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別の言い方をすれば日本は歴史が古いから、トランプが言う“国境の壁を高くする平和”はもう実現しているとも言える

2018年04月30日 10時33分54秒 | 日記

以下は4/26に発売された月刊誌Willに掲載されている日下公人氏の連載コラム「繁栄のヒント」…今回のタイトルは「内臓が問題の時代」である。

トランプ大統領が登場してから、アメリカのインテリはすっかり静かになった。 

「新しい世界をつくろう」という呼びかけは消え、「新しい世界はかくあるべし」という理想や夢を語る声もない。 

それに代って、「北朝鮮を制裁する」という声が出てきた。

実力があるアメリカが言うのだから実現性は十分あると思うが、それがあと一歩というところで進まない。

「進め!」 という声もない。 

日本の安倍首相も、「では日本がやる」とは流石に言えない。

日米韓中の四力国で圧力をかけようというところで止まっている。 

このまま貿易と金融を制限しているだけでも十分効果はあるのだから何も焦ることはない3年くらい続けてみるといいと思うがそういう声もない。 

これまで世界各国はスパンの短い外交を重ねてきたので、それがクセになっているらしい。

どこの国でも内閣の寿命が短くなっているので自然に仕事の期限も短く考えるようになっている。 

ではこの際、スパンの長い外交を考えてみよう。

日本ならそれができる。どこからも借金をしていないからだ。

むしろ融資や投資ならどこの国に対してもたくさんしているから、条件を明示して「かくかく、しかしかの国に対しては今後融資も投資もしない」と声明を出して実行すれば、多分原爆投下と同じくらいの効果がある。 

それを首相直轄の“世界再生政策”とても名付けて実行すればよい。

折り紙でツルを折るよりよほど確かな効果が期待できる。 

日本もそれだけの金持ちになったと思えば国民は貯金した甲斐があったというものだが、今は外務省と経産省に勝手に使われている。 

蒋介石は友人から、「日本との戦争と中国共産党征伐の二つの問題にどう対処する気か」 と訊かれて、「中国共産党の征伐は『内臓の病気』だが、日本との戦争は単なる『皮膚病』」と答えた。 

正にその通りで蒋介石は中国共産党との戦いに負けて台湾に逃げ二度と戻ってこなかった。 

21世紀の今、予想される戦争はいろいろあるがこの分類を使って考えてみよう。 

まず内臓に達する病はたくさんある。 

アメリカでは白人至上主義との戦いがすでに内臓に食い込んでいる。

貧富の格差も同じである。

宗教的原理主義者との戦いはこれからはじまる。

アメリカの各州と連邦政府の関係は、独立戦争の昔に戻るかもしれない。 

「英語ができないアメリカ人」や「白人でないアメリカ人」はいずれ過半数に達する。 

それでもアメリカ人として誇りを持って生きてゆくために必要なものは何か。 

これは“内臓病対策とアメリカ”という問題である。

そのときはカリフォルニアは日本に―フロリダはスペインに―分裂してゆくというのも一案になる。 

ま、しかしそんなことが問題になるようなときは同じ問題がヨーロッパにも登場しているだろう。

中国本土にも。 

中国には雲南行省など、行省がいくつかあったが、これは元の時代に中国語による統治を諦めたところという意味らしい。いやはや。 

アイデンティティを言いだすとこんな話になって、国家という名称が使えなくなる、とは島国育ちの日本人には想像を超えた話だが、別の言い方をすれば日本は歴史が古いから、トランプが言う“国境の壁を高くする平和”はもう実現しているとも言える。 

21世紀はどこの国も内臓が問題の時代になる。

そのとき日本の病気が一番軽ければ日本は何かを世界のために言わねばならない。 

400年続いた帝国主義に代って登場する新しい世界を見るメガネは、実はどこの国にも備わっていると思う。

たとえば「温故知新」だが、「郷土再生」「国粋主義」「国家分割」「小国家主義」などを見直してみてはどうだろうか。 

北朝鮮が国連を敵にまわして頑張っている姿をみると、「相互確証破壊による均衡」の考えは「小国による世界分裂と均衡」の時代へ向うように見える。 

サテ日本は?

くさか きみんど 1930年生まれ。東京大学経済学部卒。日本長期信用銀行取締役、昶ソフト化経済センター理事長、東京財団会長を歴任。現在、日本ラッド、三谷産業監査役。最新刊に『ついに日本繁栄の時代がやって来た』(ワック刊)。

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アイデンティティを言いだすとこんな話になって、国家という名称が使えなくなる、とは島国育ちの日本人には想像を超えた話だが

2018年04月30日 10時32分37秒 | 日記

以下は4/26に発売された月刊誌Willに掲載されている日下公人氏の連載コラム「繁栄のヒント」…今回のタイトルは「内臓が問題の時代」である。

トランプ大統領が登場してから、アメリカのインテリはすっかり静かになった。 

「新しい世界をつくろう」という呼びかけは消え、「新しい世界はかくあるべし」という理想や夢を語る声もない。 

それに代って、「北朝鮮を制裁する」という声が出てきた。

実力があるアメリカが言うのだから実現性は十分あると思うが、それがあと一歩というところで進まない。

「進め!」 という声もない。 

日本の安倍首相も、「では日本がやる」とは流石に言えない。

日米韓中の四力国で圧力をかけようというところで止まっている。 

このまま貿易と金融を制限しているだけでも十分効果はあるのだから何も焦ることはない3年くらい続けてみるといいと思うがそういう声もない。 

これまで世界各国はスパンの短い外交を重ねてきたので、それがクセになっているらしい。

どこの国でも内閣の寿命が短くなっているので自然に仕事の期限も短く考えるようになっている。 

ではこの際、スパンの長い外交を考えてみよう。

日本ならそれができる。どこからも借金をしていないからだ。

むしろ融資や投資ならどこの国に対してもたくさんしているから、条件を明示して「かくかく、しかしかの国に対しては今後融資も投資もしない」と声明を出して実行すれば、多分原爆投下と同じくらいの効果がある。 

それを首相直轄の“世界再生政策”とても名付けて実行すればよい。

折り紙でツルを折るよりよほど確かな効果が期待できる。 

日本もそれだけの金持ちになったと思えば国民は貯金した甲斐があったというものだが、今は外務省と経産省に勝手に使われている。 

蒋介石は友人から、「日本との戦争と中国共産党征伐の二つの問題にどう対処する気か」 と訊かれて、「中国共産党の征伐は『内臓の病気』だが、日本との戦争は単なる『皮膚病』」と答えた。 

正にその通りで蒋介石は中国共産党との戦いに負けて台湾に逃げ二度と戻ってこなかった。 

21世紀の今、予想される戦争はいろいろあるがこの分類を使って考えてみよう。 

まず内臓に達する病はたくさんある。 

アメリカでは白人至上主義との戦いがすでに内臓に食い込んでいる。

貧富の格差も同じである。

宗教的原理主義者との戦いはこれからはじまる。

アメリカの各州と連邦政府の関係は、独立戦争の昔に戻るかもしれない。 

「英語ができないアメリカ人」や「白人でないアメリカ人」はいずれ過半数に達する。 

それでもアメリカ人として誇りを持って生きてゆくために必要なものは何か。 

これは“内臓病対策とアメリカ”という問題である。

そのときはカリフォルニアは日本に―フロリダはスペインに―分裂してゆくというのも一案になる。 

ま、しかしそんなことが問題になるようなときは同じ問題がヨーロッパにも登場しているだろう。

中国本土にも。 

中国には雲南行省など、行省がいくつかあったが、これは元の時代に中国語による統治を諦めたところという意味らしい。いやはや。 

アイデンティティを言いだすとこんな話になって、国家という名称が使えなくなる、とは島国育ちの日本人には想像を超えた話だが、別の言い方をすれば日本は歴史が古いから、トランプが言う“国境の壁を高くする平和”はもう実現しているとも言える。 

21世紀はどこの国も内臓が問題の時代になる。

そのとき日本の病気が一番軽ければ日本は何かを世界のために言わねばならない。 

400年続いた帝国主義に代って登場する新しい世界を見るメガネは、実はどこの国にも備わっていると思う。

たとえば「温故知新」だが、「郷土再生」「国粋主義」「国家分割」「小国家主義」などを見直してみてはどうだろうか。 

北朝鮮が国連を敵にまわして頑張っている姿をみると、「相互確証破壊による均衡」の考えは「小国による世界分裂と均衡」の時代へ向うように見える。 

サテ日本は?

くさか きみんど 1930年生まれ。東京大学経済学部卒。日本長期信用銀行取締役、昶ソフト化経済センター理事長、東京財団会長を歴任。現在、日本ラッド、三谷産業監査役。最新刊に『ついに日本繁栄の時代がやって来た』(ワック刊)。

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中国には雲南行省など、行省がいくつかあったが、これは元の時代に中国語による統治を諦めたところという意味らしい。いやはや

2018年04月30日 10時31分37秒 | 日記

以下は4/26に発売された月刊誌Willに掲載されている日下公人氏の連載コラム「繁栄のヒント」…今回のタイトルは「内臓が問題の時代」である。

トランプ大統領が登場してから、アメリカのインテリはすっかり静かになった。 

「新しい世界をつくろう」という呼びかけは消え、「新しい世界はかくあるべし」という理想や夢を語る声もない。 

それに代って、「北朝鮮を制裁する」という声が出てきた。

実力があるアメリカが言うのだから実現性は十分あると思うが、それがあと一歩というところで進まない。

「進め!」 という声もない。 

日本の安倍首相も、「では日本がやる」とは流石に言えない。

日米韓中の四力国で圧力をかけようというところで止まっている。 

このまま貿易と金融を制限しているだけでも十分効果はあるのだから何も焦ることはない3年くらい続けてみるといいと思うがそういう声もない。 

これまで世界各国はスパンの短い外交を重ねてきたので、それがクセになっているらしい。

どこの国でも内閣の寿命が短くなっているので自然に仕事の期限も短く考えるようになっている。 

ではこの際、スパンの長い外交を考えてみよう。

日本ならそれができる。どこからも借金をしていないからだ。

むしろ融資や投資ならどこの国に対してもたくさんしているから、条件を明示して「かくかく、しかしかの国に対しては今後融資も投資もしない」と声明を出して実行すれば、多分原爆投下と同じくらいの効果がある。 

それを首相直轄の“世界再生政策”とても名付けて実行すればよい。

折り紙でツルを折るよりよほど確かな効果が期待できる。 

日本もそれだけの金持ちになったと思えば国民は貯金した甲斐があったというものだが、今は外務省と経産省に勝手に使われている。 

蒋介石は友人から、「日本との戦争と中国共産党征伐の二つの問題にどう対処する気か」 と訊かれて、「中国共産党の征伐は『内臓の病気』だが、日本との戦争は単なる『皮膚病』」と答えた。 

正にその通りで蒋介石は中国共産党との戦いに負けて台湾に逃げ二度と戻ってこなかった。 

21世紀の今、予想される戦争はいろいろあるがこの分類を使って考えてみよう。 

まず内臓に達する病はたくさんある。 

アメリカでは白人至上主義との戦いがすでに内臓に食い込んでいる。

貧富の格差も同じである。

宗教的原理主義者との戦いはこれからはじまる。

アメリカの各州と連邦政府の関係は、独立戦争の昔に戻るかもしれない。 

「英語ができないアメリカ人」や「白人でないアメリカ人」はいずれ過半数に達する。 

それでもアメリカ人として誇りを持って生きてゆくために必要なものは何か。 

これは“内臓病対策とアメリカ”という問題である。

そのときはカリフォルニアは日本に―フロリダはスペインに―分裂してゆくというのも一案になる。 

ま、しかしそんなことが問題になるようなときは同じ問題がヨーロッパにも登場しているだろう。

中国本土にも。 

中国には雲南行省など、行省がいくつかあったが、これは元の時代に中国語による統治を諦めたところという意味らしい。いやはや。 

アイデンティティを言いだすとこんな話になって、国家という名称が使えなくなる、とは島国育ちの日本人には想像を超えた話だが、別の言い方をすれば日本は歴史が古いから、トランプが言う“国境の壁を高くする平和”はもう実現しているとも言える。 

21世紀はどこの国も内臓が問題の時代になる。

そのとき日本の病気が一番軽ければ日本は何かを世界のために言わねばならない。 

400年続いた帝国主義に代って登場する新しい世界を見るメガネは、実はどこの国にも備わっていると思う。

たとえば「温故知新」だが、「郷土再生」「国粋主義」「国家分割」「小国家主義」などを見直してみてはどうだろうか。 

北朝鮮が国連を敵にまわして頑張っている姿をみると、「相互確証破壊による均衡」の考えは「小国による世界分裂と均衡」の時代へ向うように見える。 

サテ日本は?

くさか きみんど 1930年生まれ。東京大学経済学部卒。日本長期信用銀行取締役、昶ソフト化経済センター理事長、東京財団会長を歴任。現在、日本ラッド、三谷産業監査役。最新刊に『ついに日本繁栄の時代がやって来た』(ワック刊)。

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