これは、実話ですよ~
先日ラジオの怪談話のコーナーを聞いていて、
思い出しました。
高校生の時の話です。
同級生のA子から、相談を受けました。
「自分の部屋の天井の色が、なんか変なの。」
A子は、高校2年、3年のクラスメートで、
私はいつも学校帰りに彼女の家に寄り、
彼女の部屋で遊んでいました。
その、私がいつも行っている彼女の部屋の天井の色が、おかしい、
色が変わってきている、と言うのです。
私は、毎日のように彼女の部屋に入っていましたが、
それまで天井まで詳しく見たことは無かったので、
さっそく見に行きました。
彼女の家は木造2階建てで、
彼女の部屋は、その2階にありました。
私はいつものように、彼女の少し後ろから、2階に行く急な階段を登り、
彼女の部屋に入って、いつもの場所に自分のカバンを置き、
天井を見上げました。
「ほら、あそこ。」
彼女の部屋は、・・・8畳くらいだったかなぁ。
でも勉強机とベッドの他に、とにかく服が多くて、
タンスの中に入っているもの以外にも、
タンスの上にはハンガーに掛け切れない洋服が
雪崩を起こしかけていました。
窓は1ヶ所だけで、その窓の位置と荷物の多さで、外はまだ明るいのに、
部屋にはその7割くらいの日の光しか入り込めていないような薄暗さでした。
でも、部屋の電気をつけるにはまだ早いし、
電気をつけたら、そのすぐそばの天井部分は、
蛍光灯のかさの影に隠れて、余計に暗くなる。
私は、部屋に差し込んでいる窓からの光を遮らない場所に移動し、
彼女の指差す方を改めて見上げました。
当時すでに喫煙歴が5年以上の彼女の部屋の天井は、
一面、ヤニでかなり汚い感じで、
きっと本来の天井の色はこの色じゃないな、
ということははっきりとわかりました。
でも、不思議なことに、ちょうどベッドの真上にあたる部分が、
サッカーボールほどの大きさで、ぼんやり明るい色になっているんです。
「もともとこんなふうになってたんじゃないの?」と聞く私に、
A子は、やっぱりそういうと思った、という顔で、言いました。
「少し前に気づいたんだけど、最初はもっとぼんやりしてて、
色が変わっている部分ももっと小さかったんだよね。
でも、だんだん大きくなってきて・・・。」
私は、ふ~ん、と言ったきり、ちょっと言葉が無くなってしまいました。
正直、私にこれを見せて、A子は、私になんて言って欲しいんだろう。
言っちゃあ悪いけど、だから何?と思ったんです。
でも彼女は、私のその反応もわかっていたようで、
私のここまでの反応を確認してから、ちょっと声をひそめて言いました。
「・・・ここ、見て。」
だから、何さ!
「ここ、手の跡がついてるように見えない?」
は~?どこが?
そう返事をしようと思っていた私は、再び言葉を無くしました。
よく見ると、そのサッカーボール大の変色部分と、
ヤニで変色した部分の境目に、五本の指の跡らしきものが見えました。
そして私は、この時初めて彼女が私に言わせたかった言葉を口にしたのです。
「・・・何、これ?・・・どういうこと?」
さてこれは何なんでしょう?つづく
先日ラジオの怪談話のコーナーを聞いていて、
思い出しました。
高校生の時の話です。
同級生のA子から、相談を受けました。
「自分の部屋の天井の色が、なんか変なの。」
A子は、高校2年、3年のクラスメートで、
私はいつも学校帰りに彼女の家に寄り、
彼女の部屋で遊んでいました。
その、私がいつも行っている彼女の部屋の天井の色が、おかしい、
色が変わってきている、と言うのです。
私は、毎日のように彼女の部屋に入っていましたが、
それまで天井まで詳しく見たことは無かったので、
さっそく見に行きました。
彼女の家は木造2階建てで、
彼女の部屋は、その2階にありました。
私はいつものように、彼女の少し後ろから、2階に行く急な階段を登り、
彼女の部屋に入って、いつもの場所に自分のカバンを置き、
天井を見上げました。
「ほら、あそこ。」
彼女の部屋は、・・・8畳くらいだったかなぁ。
でも勉強机とベッドの他に、とにかく服が多くて、
タンスの中に入っているもの以外にも、
タンスの上にはハンガーに掛け切れない洋服が
雪崩を起こしかけていました。
窓は1ヶ所だけで、その窓の位置と荷物の多さで、外はまだ明るいのに、
部屋にはその7割くらいの日の光しか入り込めていないような薄暗さでした。
でも、部屋の電気をつけるにはまだ早いし、
電気をつけたら、そのすぐそばの天井部分は、
蛍光灯のかさの影に隠れて、余計に暗くなる。
私は、部屋に差し込んでいる窓からの光を遮らない場所に移動し、
彼女の指差す方を改めて見上げました。
当時すでに喫煙歴が5年以上の彼女の部屋の天井は、
一面、ヤニでかなり汚い感じで、
きっと本来の天井の色はこの色じゃないな、
ということははっきりとわかりました。
でも、不思議なことに、ちょうどベッドの真上にあたる部分が、
サッカーボールほどの大きさで、ぼんやり明るい色になっているんです。
「もともとこんなふうになってたんじゃないの?」と聞く私に、
A子は、やっぱりそういうと思った、という顔で、言いました。
「少し前に気づいたんだけど、最初はもっとぼんやりしてて、
色が変わっている部分ももっと小さかったんだよね。
でも、だんだん大きくなってきて・・・。」
私は、ふ~ん、と言ったきり、ちょっと言葉が無くなってしまいました。
正直、私にこれを見せて、A子は、私になんて言って欲しいんだろう。
言っちゃあ悪いけど、だから何?と思ったんです。
でも彼女は、私のその反応もわかっていたようで、
私のここまでの反応を確認してから、ちょっと声をひそめて言いました。
「・・・ここ、見て。」
だから、何さ!
「ここ、手の跡がついてるように見えない?」
は~?どこが?
そう返事をしようと思っていた私は、再び言葉を無くしました。
よく見ると、そのサッカーボール大の変色部分と、
ヤニで変色した部分の境目に、五本の指の跡らしきものが見えました。
そして私は、この時初めて彼女が私に言わせたかった言葉を口にしたのです。
「・・・何、これ?・・・どういうこと?」
さてこれは何なんでしょう?つづく