すずりんの日記

動物好き&読書好き集まれ~!

里親探しに思う。3

2006年08月29日 | 
私は以前、動物関係の専門学校に通っていました。

ペットブームが始まり、
トリマーや動物病院の看護士を育成する専門学校が流行りだした頃です。

私と同じ、動物好きの人たちがたくさん入学し、
最初の授業で、講師の先生と顔合わせをしました。
その際、クラスのみんなとディスカッションをするテーマを、
先生が発表しました。

「みんなは、動物が好きでこの学校に入った。
その、動物が大好きなみんなに問う。
もし、みんなが、犬か猫を飼っていたとする。
みんなはそのペットをとてもかわいがっていた。
しかし、突然引越しが決まり、ペットを飼えなくなってしまったら、
みんななら、どうする?」

私たちは答えました。「他に誰か、代わりに飼ってくれる人を探します。」

「でも、もう大人になったペットを、代わりに飼ってくれる人は、
そう簡単には見つからない。」

「それでも探します。」

「それでも見つからなかったら?」

・・・私たちは、答えを失いました。
「捨てる」なんてことは、問題外。
でも、見つからなかったら・・・。


「保健所だ。」



私たちは、耳を疑いました。
先生は、こう続けました。

「良いか。奇麗事を言うのは簡単だ。
そりゃあ誰だって、代わりに飼ってくれる人を探すし、
それでそういう人が見つかったら、めでたしめでたし、だ。

しかし、そうできなかったら保健所に連れて行くしかない場合もある。

ただし、保健所に行って、
『飼えなくなったので(私たちの見えないところで)殺してください』
というのはダメだ。最低だ。
日本はこういう人間ばかりだ。

保健所に行ったら、自分が昨日まで家族として
同じ時間をたくさん共有してきた自分の分身であるペットを、
静かに保定(動物を、動いたりしないように押さえること)して、
注射を打たれてだんだん冷たくなっていくペットの体温を感じろ。
自分たちのエゴや無責任で、
この子が自分の腕の中で、殺されていくのを実感しろ。
『自分は知らない』ではなく、
『自分が殺したんだ』という事実を直視し、
自分が殺した命があったことやその罪を忘れるな。
そして、2度と自分が同じことをしないように懺悔しろ。

そして、・・・そのペットには、せめて飼い主の腕の中で最期を迎えさせてやれ。

・・・そうやって、海外では、自分の子供に命の重さを教えているところもある。
実際に、そういうことにならずに教えられれば良いんだけどな。」

私は、思いました。
「そうだ。本当は、そんなこと(ペットを保健所に連れて行くこと)は、
あってはいけない。
でもそのくらいして命の大事さを、刻み込まないとダメなんだ。」と。

この、学校の教え方には、賛否両論あるかもしれません。

でも、言いたいことは、
「自分の命は、自分だけの力で生きながらえているわけじゃない。」
ということなんです。


これを読んでくれているみなさんならおわかりでしょうが、
重ねて言いますが、決して、
「自分たちの家族の一員を飼えなくなったら
保健所に連れて行きなさい」と言っているのではありません。

自分が他の命を軽んじたり、他の命を絶ったりする資格は無いし、
自分の周りに息づいている生に感謝して、
人生を生きなければいけない。

それを、数十年経っても忘れないくらいのインパクトで、
教えてくれたんだと思います。

そして、私はこれからもそう生きていこうと思います。

コメント (2)
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