ショートシナリオの館

ボケに抵抗するため、日常生活の中から思いつくままに書いています。月2回・月曜日の投稿を目指します。

「Serendipity」 と 「Japanity」

2012-08-23 07:40:12 | 日記



自然科学の中で、セレンディピティは、失敗してもそこから見落としせずに学び取るこ

とができれば成功に結びつくという科学的な大発見を、説明するためのエピソードとし

て語られることが多いですね。

私も大好きな言葉で常にこの言葉を意識して仕事に取り組んでいたことを思い出しま

す。

 最近、ネット上でジャパニティという言葉がセレンディピティの反対語として使われ

ていることを知りました。

この言葉は「誰もがやっていることを追いかけて、必然のところで発見する能力」と書

かれており、海外の学者が日本人の研究者を揶揄(やゆ)した言葉のようです。

でもこのジャパニティは、これはこれで重要で、「ノーベル賞狙いのような研究ばかり

では、科学もビジネスも動かない。むしろ、セレンディピティで語られるような成功の

土台はジャパニティによって築かれている」というような使われ方で紹介されていまし

た。

 私がセレンディピティという言葉に会ったのは某研究所で働くようになってから数年

後のことだったと思います。ある研究中に技術上の発見があり、その発見の経緯を報告

した時、先輩からこれはセレンディピティだ!と褒められ、この言葉が脳裏にインプット

されました。

ご存知の方も多いと思いますが、セレンディピティの逸話として有名なエピソードをいく

つか紹介します。

・フレミングは実験室に放置された青カビからペニシリンを発見した。

・ニュートンはリンゴが木から落ちるのを見て、万有引力の法則を発見した。

・レントゲンは蛍光板の不思議な光に気づいて、X線を発見した。

・白川英樹は実験で触媒の量を間違えて、誘電性高分子を発見した。

・3Mのポストイットメモは、楽譜から落ちるしおりをヒントに発明された。

その他、知られたエピソードは紙面に書ききれません。

次に、ジャパニティの逸話を紹介したいと思いますが、これはノウハウとして表に出な

いものが多いので、最近感動した「はやぶさ」の帰還で紹介したいと思います。

小惑星探査機「はやぶさ」の偉業達成はこのジャパニティの賜物と言えると思います。

帰還までのドキュメントをテレビで見しましたが、部品一つ一つに込められた匠の技術

そしてそれを7年間に渡って運用した組織の団結力、更に行方不明になってから再発見

までの職員の執念を見た時、ジャパニティには「チームワーク」があるなと感じました。

「セレンディピティに恵まれないと大抵のノーベル賞は生まれないかもしれませんが、

新規の生産技術を獲得する王道やビジネスの成功はジャパニティにある」という意見が

ありました。

確かに、セレンディピティに頼っていると、開発資金をいくら用意しても長続きしません

よね。

尚、ジャパニティという言葉はネット上では見られますが、テレビや新聞では見かけてい

ません。今後、皆さんの目にとまる機会が増えるかもしれませんね。

最後にルイ・パスツールの言葉を紹介します。

「幸運は準備のできた人だけに訪れる」