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むかしむかし、地上の神様がきれいな花を咲かせる植物を何種類も作りました。
地上の神:これらの植物を何とか地上全体に広めたいのだが、よい方法はないもの
か?
そうだ、天上の神に相談して助けてもらうことにしよう。
天上の神:何か相談があるようじゃが、一体、何事かな?
地上の神:きれいな花を咲かせる草や木を作ったので、地上のあちこちに広く分布さ
せたいんじゃよ。だが、なかなか良い方法を思いつかなくて困っておる。
良い知恵を授けてもらえると嬉しいのだが…
天上の神:ほほう。それで、それらの草や木を増やすには何が必要なのかな?
地上の神:まずは咲いた花の花粉を運んで、受粉させることが必要。次に受粉によって
できたタネを地上の隅々まで運ばなくてはならない。
天上の神:そうか、結構大変じゃな。花粉を運ぶにはどうすればいいんじゃ?
地上の神:一番簡単なのは花粉を身体にくっつけて花から花へ移動する方法だと思う
が。
天上の神:花から花へと簡単に移動できる生き物がいればいいんじゃな。
となると、羽根があって、空中を飛べることが第一条件じゃな。
地上の神:そうか、飛んで移動する生き物なら最適だ。
天上の神:他に必要なことは何かな?
地上の神:小さな花の花粉を運ぶには、あまり身体が大きくなくて、こまめに動き回る
ものがいいのではないだろうか。
天上の神:小さな働き者といえば、適任の神がおるぞ。チョット呼んでみよう。
第一の神:お呼びでしょうか?
天上の神:地上に行って、花たちの花粉を運んで欲しいのじゃが、引き受けてくれるか
な?
第一の神:はい、お望みとあらば何なりと。
天上の神:では、空を飛ぶための羽根以外にお前が必要と思う物を授けるから、
よろしく頼むぞ。
第一の神:できれば、素早く方向を変えるための軽い羽根が欲しいです。私は身体がち
いさいので、一度に運べる花粉の量が少ないと思います。
だから仲間をたくさん連れて行きたいです。さらに剣があれば外敵から身を
守ることができます。
天上の神:わかった。望みどおりにするから、しっかり役立っておいで。
地上の神:働き者を遣わして頂き、かたじけない。できれば、もう少し大きめの花粉を
運んでくれる生き物もいるといいのだが・・・
天上の神:そうか。ではあのものを呼んでみよう。
第二の神:お呼びでしょうか?
天上の神:地上に行き、大きめの花粉を運ぶ仕事をしてもらえんじゃろうか?
第二の神:はい、お望みとあらば何なりと。
天上の神:何か必要な物があるかな?
第二の神:私は動きがいささか鈍いのですが、力持ちです。一度に大量の花粉を運ぶこ
とができると思いますが、できれば、強い背中と羽根それに丈夫な足が欲
しいです。
天上の神:分かった。望み通りにしよう。では、行っておいで。
地上の神:これでしっかりと花粉を運んでもらえる。ありがたい。ありがたい。
タネを運ぶ方法が見つかれば、全て解決するのだが・・・
天上の神:タネは遠くまで運ぶ必要があるんじゃったな。それならあのものを呼ぼう。
第三の神:お呼びでしょうか?
天上の神:地上へ行き、花のタネを遠くまで運ぶ役割を引き受けてほしいのじゃが・・・
第三の神:はい、お望みとあらば何なりと。
天上の神:役目を果たすのに必要な物を授けたいが、何がよいかな?
第三の神:遠くまで飛ぶのに耐えられる丈夫な羽根と強い身体。それにしっかりと枝
足が欲しいです。枝に止まって休憩しながら長旅を続けます。
天上の神:よくわかった。難しい役割じゃが、よろしく頼んだぞ。
地上の神よ、これでよいのかな?
地上の神:地上全体に美しい花々が咲き乱れるのも遠い日の事ではないであろう。
ご助力に心から感謝申し上げる。天上の神の智恵はさすがですな。
天上の神:いや、わしはたいしたことはない。使者となったそれぞれの神が立派なの
じゃ。
天上の神様が地上に送った3人の神はそれぞれ蜂・甲虫・鳥となりました。
ホントかな!