1.私たちは高速スピンの玉の上で暮らしているよ。
地球の自転速度を考えてみます。地球の赤道一周の長さは約4万Kmです。
これを1日、24時間で1周しますから、4万Km÷24時間(h)=1,667(Km/h)
となります。
新幹線の時速が280Km/hだから6倍の速さです。ジェット機の時速が約800
Km/h、音速が1200Km/hだから、ジェット機の約2倍、そして音速を超える
速さで自転しているのです。
よく、遠心力で振り落とされないものだと思いませんか。
理由は人も同じ速さで動いているからです。動いている電車に乗っているのと
同じですね。電車の場合は車窓の景色の変化や、レールの上を走る摩擦音で速さ
を実感できますが、地球号はあまりにも大きく、眺めの変化も天体の星たちです
から、実感が出ないのですね。(慣性の法則)
2.地球自体も宇宙空間を高速移動しているよ。
次に地球が1年で太陽の周りを1周する速度(公転速度)について考えてみます。
地球は太陽の周りをほぼ円に近い楕円軌道で回っています。太陽と地球の距離は
およそ1億5千万Kmです。その円軌道の長さは2πRだから、1億5,000万Km×2
×3.14=9億4,200万Kmです。
1日に進む距離は9億4,200万Km÷365日=258万Km/日です。
時速は258万Km÷24時間=10.7万Km/h、秒速で30Km/秒の早さです。
音速の約90倍の速さで、宇宙空間を移動しているのです。
3.自転速度は常に変化しているよ。
月の引力の影響で潮の満ち引きが起こり、これをもとにした海水と海底との摩擦
で100年間で1~2秒長くなっている。また、2011年3月の東日本大震災の影響
で自転周期が短くなったとの研究発表があります。このように、地球の自転周期
は一定ではなく、さまざまな要因で常に変化しているのです。
4.もしも地球の自転が止まったら・・・
巨大な慣性力による津波や暴風、温度差、宇宙からの高濃度放射能で、地球は完
全に崩壊するでしょう。でも、止まり方が問題です。満員電車で急ブレーキをか
けられたのと同じだから、ゆっくりゆっくり減速した場合は慣性力を受けずに済
むので、その間に対策が立てられるかもしれませんね。
(まとめ)
普段は実感することがない、自転や公転の速さを感じていただけましたか?
普遍的だと思われている地球の自転さえ、月や地震の影響などで常に変化している
のです。
そして太陽系自体も宇宙空間を公転速度よりわずかに遅い、秒速20kmの速度で移
動しているのです。