ショートシナリオの館

ボケに抵抗するため、日常生活の中から思いつくままに書いています。月2回・月曜日の投稿を目指します。

「空気」を知ろう!

2014-09-22 09:17:59 | 日記



地球の空気は窒素が約78%、酸素が約21%。これだけで99%を構成し、残りの1%
のうちアルゴンが0.9%、二酸化炭素が0.03%です。この他にはネオン・一酸化炭素・
オゾン等がほんのわずかずつ含まれています。
今回はこの空気について考えてみました。

1.現在の空気の組成はどのようにして決まったのか?

地球が誕生した約46億年前の大気は現在とはかなり異なったもので、水蒸気、二酸化
炭素、窒素などが主成分でした。水蒸気は地球が冷えてくるにつれて水になり、海をつ
くりました。二酸化炭素は水と反応して石灰岩になりました。その結果、今の大気の主
成分である窒素が大量に地表に残ったのです。
酸素が現れたのは約20億年前です。地球上に誕生した生命体の中に、太陽の光を受
けて二酸化炭素を酸素に変える働きをするモノが生まれました。植物です。
酸素を生み出した植物の存在が現在の空気の組成を作り上げたのです。

2.空気はどうして地上に留まっていられるのか?

太陽や地球が勝手に飛散せずに均衡を保って、秩序ある宇宙を構成していられるの
は、ヒッグス粒子の存在によるものです。このヒッグス粒子は光以外の全てのものに
質量(重さ)を与えました。空気を構成する窒素や酸素などの全ての気体も質量を持
ちました。
そして質量があることによって、地球の引力の影響を受け、空気は地球から離れず
にいられるのです。更に、空気層を覆うオゾン層によるフタ効果も寄与しています。
これらのどれが欠けても空気は宇宙に飛散してしまいます。

3.空気組成が変化するとどうなるの?

(1)まず、地球上の生物が必要とする酸素(現在は空気の約21%)が減るとどうなる
   のか、人間を例にとって説明します。

    ・18%では いわゆる酸欠の状態
    ・16%では 脈拍/呼吸数増加、集中力の低下、頭痛、耳鳴り
    ・12%では 立っていられない、めまい
    ・10%では 意識不明、嘔吐(おうと)
    ・8%では 昏睡(こんすい)状態
    ・6%なら 瞬時に失神、呼吸停止

     ちなみに、15%を下回るとろうそくの炎が消えます。

    逆に増えたらどうなるか? 病気やけがの治療、美容をうたった「酸素カプセル」
    が存在するぐらいだから健康に良さそうに思えますが、空気中の酸素が50%以
    上の環境で長時間過ごすと肺や気道に障害が起きるといいます。
    医療用に用いる場合でも、100%なら6時間以内、80%では12時間以内が安全
    だというデータもありますから、多くても少なくても健康を害してしまうということで
    す。

(2)たった0.03%しかない二酸化炭素が地球温暖化対策で論じられる理由

    温室効果をもたらすガスには二酸化炭素・メタン・一酸化二窒素・フロンなどがあ
    ります。その中で地球温暖化への影響力が一番大きいのは約60%という最大の
    構成比をもつ二酸化炭素です。ですから、二酸化炭素の排出量をコントロールす
    ることがとても重要なのです。

4.オゾン層はなぜ落ちてこないのか?

   オゾン層とは成層圏の上部で地表から上昇してきた酸素と太陽からの紫外線
   (240nm以下)によって作られたオゾンの密度が高い層のことです。オゾンは酸素
   より重いので地球の引力に引かれて落下しますが、落下途中で波長の異なる紫
   外線(320nm以下)によって分解されて酸素に戻ります。
   オゾン層ではオゾンがたくさん存在していると同時に、オゾンは常に生成・分解し
   ています。
   このため、成層圏にあるオゾンは酸素より重くても、地表には落ちてこないのです。

5.空気にはどうして色がないのか?

   人間が色を認識する方法は二つです。一つは太陽光などの光源が直接目の網膜
   に刺激を与えて色を認識する場合。もう一つは、物体に当たった光源のうち、物体
   に吸収されずに、跳ね返ってきた反射光が、網膜に刺激を与えた場合です。
   どちらにしても、人間の網膜が色として認識できるのは380nm(紫)~780nm
   (赤)の波長が網膜を刺激した時だけです。現在の空気を構成している気体は、こ
   の波長幅の中では電磁波を出しません。
   このために、私たちの目には色がないと映るのです。

<まとめ>

 酸素が後から作られたように、空気中の気体の種類や比率は変化しながら、今日の
 組成比になりました。今、地上に生きているものは現在の空気環境下で命を営んでい
 ます。
 恐竜の絶滅要因として、巨大隕石の衝突が挙げられていますが、もしかすると、同時
 に空気中の気体の組成比が一時的に変化したことが影響したのかもしれません。
 地球の誕生以降、生き物は常に地球の空気環境に合わせて体を進化させてきまし
 た。
 しかし今は、地球環境が変化するスピードが早く、体をそれに合わせて進化できる時
 代ではなくなりました。何とか現在の環境を維持するしか生き延びるすべはありませ
 ん。
 ある報告では1年に4ppmの酸素が減少しているので、このまま減り続けると7,500
 年後にはいわゆる「酸欠」状態になると警告しています。

 日常はその存在を意識することがほとんどありませんが、大切な、大切な空気です。
 できるだけ汚さないように心がけようと思います。

 ※ ヒッグス粒子・私の理解度  (当ブログの2013年11月3日記事参照)
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