![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/1b/69f53c38b6f599160c200238a5217538.jpg)
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一月末から厳しい冷え込みが続いたあと、久々に暖かい日差しが庭に降り
注ぐある日のこと。スイセンの香りを楽しんでいる老夫婦の目の前をヒラ
ヒラと横切ったものがありました。
妻:モンキチョウだわ!今日は暖かいけど、先週は雪がチラつくほど寒かっ
たわよね。冬眠しているものとばかり思っていたのに、こうして飛び
回っているなんて。今日の暖かさで、春になったと勘違いして羽化し
ちゃったのかな?明日からは再び寒波が来る予報なのに、大丈夫なの
かな~?
夫:モンキチョウは昔から春一番に飛ぶ蝶として知られていて、多くは3月
~12月にかけて3~4回の世代交代をするパターンなので、幼虫で越冬す
る蝶の仲間ということになっているようだ。
でも、まれに12月頃に羽化したものが、椿の葉の裏などで寒さをしのぎ
つつ、暖かい日には日光浴のために飛び回ることがあるらしい。
それに冬でも暖かい日が続いた場合には羽化することもあるようだね。
この結果、一年中見ることができる蝶ということで、オツネンチョウ
(越年蝶)と呼ばれていた時もあったんだ。
妻:オツネンという言葉は懐かしいわ。自然観察の森の観察会で初めて越年
トンボを教えてもらって、実際に本物を見て感激したわよね。
でも、越年蝶っていうのは初耳よ。
夫:モンキチョウのオスは黄色なんだけど、メスには黄色型と白色型がいて
ね、この白色型のメスはモンシロチョウと間違えやすいよ。
そのうえ、オスの黄色とメスの黄色も似ているんだ。見分けにくいよ
ね。蝶の中では飛ぶスピードが速いのも特徴のひとつだ。
妻:黄色いモンキチョウが一羽だけ飛んでいるのを見てオス・メスを正確に
判断するのは難しく、白い蝶の場合はモンシロチョウとの区別するのも
難しいってことね。
夫:そういうことになるね。この時期に田んぼのあぜ道などを散歩している
と、モンキチョウ以外にもいろいろな蝶を見かけるから、モンキチョウ
だけが特別に冬空を舞うわけではないよ。これまでにもこの時期に蝶の
写真で撮ってきたじゃないか。
妻:そういえば、キチョウやタテハ蝶の仲間、それにシジミ蝶たちも見てい
るな。こうして思い返してみると、モンキチョウだけが特別というわけ
ではないわね。
夫:冬季でも田んぼのあぜ道にはオオイヌノフグリ、ホトケノザなどが咲い
ているし、時にはスズメノエンドウやタンポポの早咲きを見かけること
があるから、花蜜にはありつけるんじゃないかな。
妻:蝶は南方からの渡来と聞いていたから、寒さには弱いと思っていたんだ
けど。
夫:すべてが南方渡来ではないようだよ。モンキチョウの仲間は北方起源だ
と思われていて、寒さには強いそうだ。
もしかすると、モンキチョウの仲間は休眠する性質を徐々に失って年中
発生するようになり、ゆっくりと南方に分布を拡げてきたのかもしれな
いな。
妻:そうだ!成虫の姿で越冬する蝶として真っ白い姿のウラギンシジミを見
たことがある。垣根の葉の裏に数匹が集団で越冬している姿を目撃した
わ。成虫の姿で飛ばず越冬する蝶がいることはこの目で確認済みよ。
夫:大部分の昆虫は卵や蛹(さなぎ)で冬を越すけど、それは卵や蛹が丈夫
な外皮に覆われていて暑さや寒さに強いし、卵や蛹の間は食べ物を捜す
必要もないからね。
けれども、幼虫や成虫で冬を越す昆虫もけっこういるよね。そういった
昆虫たちは土の中や落ち葉の下や樹皮の隙間に入り込んで、寒さを避け
ているんだろうな。
妻:厚くて、丈夫なヨロイを持つ甲虫たちが成虫で越冬するのは分かるけ
ど、頑丈そうには見えない蝶が成虫で越冬するには、葉の裏などに止
まって、ひたすら寒さに耐えるしかないのね。そして、暖かい日には日
光浴に出てくる。それを私たちが目にして、「こんな寒さの中で飛んで
いる!」と驚いたり、心配したり・・・
夫:越冬した蝶たちの翅は春にはボロボロになっているんだ。厳冬を乗り越
えた蝶の勲章だね。ボロボロになりながらも、彼らは生き残りの戦いに
勝ったんだ。春になれば、シロツメグサ(クローバ)、アカツメグサ、
タンポポ、レンゲ、ハルジオン、ヒメジオン、アメリカセンダングサな
ど色々な花が一斉に咲いて迎えてくれるからね。頑張れば必ず春は来る
んだよ。
妻:いつだって最後は教訓に結び付けるから、急につまらない話になっちゃ
うのよね。気分を変えて、お茶でも飲も~~~
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