すずしろ日誌

介護をテーマにした詩集(じいとんばあ)と、天然な母を題材にしたエッセイ(うちのキヨちゃん)です。ひとりごとも・・・。

メビウスの輪(バックナンバー)

2007-07-18 01:16:12 | うちのキヨちゃん
 今年、うちのぼけの花に実が付いた。当然、花が咲くのだから実が付いても何の不思議もないわけだが、私は初めて見たのだ。
 それは父もキヨちゃんも同じようだった。初めて見る実は、小さなかりんとりんごを足したような、かわいらしいものだった。父とその話で盛り上がっていると、キヨちゃんも参加してきた。
 「実、ついたよなあ。」
 「な、初めてよな。」
 「なあ。で、これ、何の実だろう・・・。」
ぼけの木に付いたのだから、ぼけの実だと思うのは間違いだろうか?
 「いや、ぼけの実だろう。」
 「ほんでも、これまで付いたことないよな。」
 「なあ、初めてよなあ。」 
 「なあ、で、何の実だろう。」
・・・。キヨちゃんと暮らしていると、こんなメビウスリングにはまることがよくある。
 ある時は、こんな事もあった。
 うちの父はインスリン投与しているため、低血糖に備えて、どこでもすぐ糖分補給できるように、あらゆるところに、缶コーヒーや砂糖を用意していた。私が、台所、寝室、仏壇、脱衣所など缶コーヒーを配ると、片っ端からキヨちゃんが片づけてしまうのである。イースターの卵じゃないのだから、集められても困るのである。
 まさにこういう状態を、「いたちごっこ」と言うのではなかろうか?
コメント (3)
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