すずしろ日誌

介護をテーマにした詩集(じいとんばあ)と、天然な母を題材にしたエッセイ(うちのキヨちゃん)です。ひとりごとも・・・。

お眠のキヨちゃん

2007-07-04 21:04:04 | うちのキヨちゃん
 うちのキヨちゃんは、とにかくよく眠る。日の出と共に目覚めるのだから、早くから眠いのは当然ではある。そして、一旦寝てしまうと、自ら目覚める時間が来ない限り、まず起きない。
 夜中に父が不調を訴えることがある。しかし、運悪く深い眠りに落ちている時間に当たってしまったら、呼んだくらいでは起きないのだ。
 そんな時父は、迷わず私の携帯を鳴らす。寝室から飛んでいくと、タイミング良く目覚めたであろうキヨちゃんが、まるでずっとそうしていたかのように背中をさすっていた。
そして、私を見るなり
 「ふぁ・・、おひゃへりぃ(あ、お帰り)」
と言った。寝起きなのがばればれである。
 奇跡的にというか、本人たちの気合いなのか、私が夜勤などで不在の時には父の不調がほとんどなく、また彼女も目覚めるらしいから、今のところは支障無くきている。
 先日は夜遅くに帰宅した。遅くなることは分かっていたから、玄関の鍵は持っている。ところが、鍵穴に私の鍵がどうしても合わないのだ。それもそのはず、玄関のドアの鍵が故障したので取り替えていたのだ。それなら、新しい鍵をどこかに隠してくれているとか、裏口があいているとか、何かしらの対応が考えられるが、さすがはキヨちゃん、こんな時に限ってきっちり戸締まりしている。
 そこで困ったのが、その時間夫婦揃って眠っているのである。しかたなく電話をかけた。しばらくして、枕元の電話を父がとった。そして母を起こして事なきを得た。すんなり目覚めてくれて良かった。父は透析中で動けないのだから。
 朝、キヨちゃんはこう言った。
 「父ちゃん、勘ええよなあ!お前が帰ったのすぐ分かった。」
・・・。もちろん、電話の音など聞こえるはずもないキヨちゃんであった。

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コメント (2)
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