すずしろ日誌

介護をテーマにした詩集(じいとんばあ)と、天然な母を題材にしたエッセイ(うちのキヨちゃん)です。ひとりごとも・・・。

お涅槃てんやわんや

2009-03-25 22:16:39 | ひとりごと
 今日は「お涅槃」。うちは父の新過去帳付けがあるので、早めに行く予定だった。遠くの檀家さんが車で来るので、駐車スペースは望めないので近くの者は徒歩で行く。
 キヨちゃんの足で片道30分。出掛けに雨がぱらぱらし始めた。不思議なもので「お涅槃」の頃はいつも寒い。それまで暖かい日が続いていても、必ず雨や雪の冷え込む日になる。今日も例年通り寒い一日だった。
 着いてからキヨちゃんは席取りに。私は新過去帳を付けて貰うために、ご住職のところにお金を納めに行った。ところが、いざ手渡そうとバッグを開けるとお包みがない。傘だ、膝掛けだとたくさん持っていて、席取りのキヨちゃんの所に荷物を預けるときに取り落としたようだ。慌てて引き返す。幸い座布団の上に落ちていた。結構な金額が入っていたのでちょっと肝を冷やした。
 気を取り直してご住職の所へ。無事お包みを渡すと
 「えっと、お位牌は・・・。」
と聞かれた。・・・・・。あ、父を家に忘れてきた。
 「時間あるので連れてきてもらえますかね。」
あわてて自宅へ位牌を取りに戻った。戻りは大急ぎだったので、すっかり息が上がっていた。
 それからいよいよ供養が始まる。新帳さんから始まって、散檀家。それから遠い順に読まれる。この1年で亡くなった人は20人以上いた。ご近所の人も数人。知り合いの方や父の名前と戒名を呼ばれると、分かっていたのにこみ上げるものがあった。キヨちゃんを見ると、涙を止められないようだった。
 それから一度家に帰った。父の位牌を仏壇に戻して、寒さが応えたので礼服から私服に着替えて簡単に食事をしてから、慌ててまた徒歩で寺に戻った。午後はご先祖の供養がある。
 うちは最後の方なので、終わる頃には人もまばらだった。せっかくの出店も店じまいしかけていた。昔ご近所に住んでいた「もとやくざやさん」のお兄さんが、近所中の年寄りに「お土産」を買って配ってくれた。うちのキヨちゃんも父の好きだった「あわおこし」をゲットしていた。しかも
 「おばちゃん、たこ焼きいるかえ?」
の言葉に
 「おこしのほうがええ」
と注文するからすごい。しかしありがたいことである。
 帰りに私は「はなみずき」の苗木を買った。と言っても育てるのはキヨちゃんの仕事である。
 帰り着くと、さすがに3往復した私は疲労困憊していた。普段の運動不足が悔やまれる。毎日墓参りしているキヨちゃんは元気だが、それでも父の法要を済ませた安堵感で疲れていた。夕方は二人して横になった。間違いなく私は明日は筋肉痛だろう。
 次は灯籠。それから新盆。そして1周忌。忙しいと言うことは有り難いことなのかも知れない。こうして、悲しみが紛れていくのだろう。

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コメント (4)
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