すずしろ日誌

介護をテーマにした詩集(じいとんばあ)と、天然な母を題材にしたエッセイ(うちのキヨちゃん)です。ひとりごとも・・・。

クリが死んでから・・・

2009-04-19 23:02:56 | うちのキヨちゃん
 うちのキヨちゃんは、クリが死んでしまってから私や父以上にペットロスの状態になった。最期まで看取った私には、ある意味「納得」があった。また、綺麗な死に顔を見て、父は父なりに受け止めた。
 しかしキヨちゃんは受け止めきれず、取り乱し長いペットロスになった。クリが死に父が死に、くろべえと私とのささやかな生活が始まり、ようやく穏やかな時間を過ごせるようになってきた。
 私はそろそろ犬を飼いたいと思うようになったが、キヨちゃんは頑なに受け入れられない状態だった。
 ところが今日少し出会いがあった。立ち寄った店で「里親さがし」をしていたのだ。普通こういう店での「里親探し」は最後の手段で、とにかく「貰ってもらう」ことを大前提にしている人がほとんどだが、その人は本当に犬を大切にしている方で、条件が揃わないと「渡せない」方だった。
 希望は完全室内飼い。サークルなどで庭も放し飼い。鎖はしてほしくない。
 家は半室内だったが、庭では放し飼いは無理である。その方の犬はどの犬も愛情深く育てられていて、自由なので鎖が無くても逃亡したり誰かに迷惑を掛けることはなさそうだが、私が飼うとなれば犬は好きな人ばかりでもないので、どうしても場所によっては鎖が必要になる。条件は悪いのだが、それでも飼う家を見てみたいとわざわざ家まで来てくださった。
 当然、キヨちゃんは
 「駄目、絶対いや。」
と途中からは涙目にもなっていた。でも、飼えば必ずキヨちゃんのためにもなると、確信はあった。そして、しばらくしてキヨちゃんも受け入れる気持ちになっていた。
 残念ながら、今日の時点では私の「里親」試験は保留である。長く抱いていたのでぬくもりが愛しかった。またようやく受け入れる気になったキヨちゃんが、また心を閉ざすことが気がかりだったが、帰り際
 「また来いよ」
と子犬に話しかけていた。
 縁があって家族になれるといいな。でも、もしもっと条件のいい人がいて、飼い主さんが心おきなく手放せるなら、それもご縁かな・・・とも思う。クリだって、くろべえだって縁だと思うから。

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コメント (4)
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