すずしろ日誌

介護をテーマにした詩集(じいとんばあ)と、天然な母を題材にしたエッセイ(うちのキヨちゃん)です。ひとりごとも・・・。

マジですか?

2011-04-07 23:02:05 | ひとりごと
 今日行った事の無いところに調査に行った。地図で観てもよく分からない。と言うのが、これは道なのか?という細い線でつながれていたからだ。もちろん道には違いないのだろうが、余りに細いので車が行く道か不安だった。
 同僚に聞くと、そのすぐ近くの家が過去にヘルパーさんが訪問していた家だった。
 「この家、確か車を止めて、杉林を15分ほど徒歩で行っていたという所だよ。」
彼女は会社の創設以来いるのでその辺りは詳しい。え、杉林15分・・・。
 ものすごく不安を感じながら、ヘルパーさんに聞くと
 「ああ、今は道があるから。」
とお手製の地図を描いてくれた。彼女の地図は非常に分かりやすく、完璧だった。
 山の中の一軒家。ご近所は少し遠く、その家々もほとんど空き家だった。道はちゃんと家まであって良かった。平成9年に抜けたというから、それまではヘルパーさんは本当に山道を歩いて通ったのだろう。
 また、こんな事もあった。担当様の奥様が骨折して入院した。担当様は認知症があり介護が必要な状態だ。お子様は県外にお住まいで毎日は戻れない。ショートステイなどを利用すればいいのだが、介護度が低いので日数が使えない。また、ペットを飼っている事もあり本人が留守にしたがらない。ご家族の希望も同じ。ついでにペットの世話をどうしたら・・・とも相談される。残念ながら、そして申し訳ないのだが介護保険の範疇ではない。ペットホテルや動物病院をお勧めしたが、かわいそうだから・・・と言われた。
 ヘルパーやデイサービスを使っても、家族が心配する「夜間」「早朝」の対応は出来ない。結局、早朝と少し遅くまで来てくれる家政婦さんが見つかったとの事。その合間を介護保険で対応する事になった。
 この仕事をしていていつも思う。研修でも今は「QOL(クオリティ・オブ・ライフ)を基本に。」と言われる。生活の質を上げるというのだが、実際にはその手前でアップアップである。介護保険では対応できないことが多い。その上、都会と違い山間部は生活している居住環境や家族の状態、医師の不足など色々問題がある。その上、こんな田舎でも介護現場はぎゅうぎゅう詰めで、サービスを増やしたくても受け皿がない。ベッドが無い病院に入院させるわけにいかないのと同じだ。
 何とか柔軟な対応が出来るような方法は無いのかな。インフォーマルを利用するというのも、田舎は難しい場合が多い。こういう時も、自分の無知と無力を感じる。

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コメント (4)
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