ようやく「ジェノサイド」を読み終えた。どうコメントすれば伝わるのか。一言で言えば、とても感動した。ハリウッド映画を見終わったようなわくわく感と、日本映画を観たような感動があった。
戦争を抜きには出来ない内容だったので、作者は逃げずに書ききっている。それは凄惨な場面もたくさんあり、きれいごとでは終わらない。けれど、それだからこそ深い感銘もあった。人間の抱える沢山の矛盾は人事ではない。
戦争を書く上で、例えば沢山の少年兵が出てくる。主人公の一人は不治の病の息子の治療費を稼ぐために傭兵をしている。息子を助けるためにその兵士は息子と変わらない少年と戦わなくてはならない。つまり殺さなくてはならない。この事実だけで十分悲惨さは伝わるが、作者はその一場面の登場人物に過ぎない少年の、ある日家族を惨殺され生きるために少年兵に身を落とさざるを得なかったいきさつを、その立場からも書いている。その事が、いかに戦争が無益かを物語っている。
また、今のバーチャルに慣れきった時代をも強烈に批判しているのかもしれない。サイバー攻撃や機械任せの危機管理の脆弱さを、どこにでもいる普通の「オタク」が知らずに殺人に加担してしまうエピソードで描いている。それは本当に今にも起こりそうな怖さだった。
読み進めながら一つ一つの点が線になっていく時、隠された沢山の伏線に気づかされる。一緒になって「謎解き」をしながら読み進め、難度も「やられた」と額を打った。
また、一体誰が味方なのか敵なのか、どんどん分からなくなる。主人公たちと読み手も疑心暗鬼に陥る。そして分かった瞬間、かなりすっきりとする。日本のひ弱な大学生が、思いがけず巻き込まれた形で成長していく過程も面白い。
正直、科学的なことや薬学的なこと、戦闘機や戦争のファーメーションや戦略などは私には殆ど理解できなかった。これが分かればあと何倍も楽しめるのにと思う。
ネタバレになるので詳しくは書けない。また、説明できる私の力も無いが、ぜひお勧めしたい本である。間違いなく面白い。日米合作で映画化してくれないかな・・・。
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戦争を抜きには出来ない内容だったので、作者は逃げずに書ききっている。それは凄惨な場面もたくさんあり、きれいごとでは終わらない。けれど、それだからこそ深い感銘もあった。人間の抱える沢山の矛盾は人事ではない。
戦争を書く上で、例えば沢山の少年兵が出てくる。主人公の一人は不治の病の息子の治療費を稼ぐために傭兵をしている。息子を助けるためにその兵士は息子と変わらない少年と戦わなくてはならない。つまり殺さなくてはならない。この事実だけで十分悲惨さは伝わるが、作者はその一場面の登場人物に過ぎない少年の、ある日家族を惨殺され生きるために少年兵に身を落とさざるを得なかったいきさつを、その立場からも書いている。その事が、いかに戦争が無益かを物語っている。
また、今のバーチャルに慣れきった時代をも強烈に批判しているのかもしれない。サイバー攻撃や機械任せの危機管理の脆弱さを、どこにでもいる普通の「オタク」が知らずに殺人に加担してしまうエピソードで描いている。それは本当に今にも起こりそうな怖さだった。
読み進めながら一つ一つの点が線になっていく時、隠された沢山の伏線に気づかされる。一緒になって「謎解き」をしながら読み進め、難度も「やられた」と額を打った。
また、一体誰が味方なのか敵なのか、どんどん分からなくなる。主人公たちと読み手も疑心暗鬼に陥る。そして分かった瞬間、かなりすっきりとする。日本のひ弱な大学生が、思いがけず巻き込まれた形で成長していく過程も面白い。
正直、科学的なことや薬学的なこと、戦闘機や戦争のファーメーションや戦略などは私には殆ど理解できなかった。これが分かればあと何倍も楽しめるのにと思う。
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