すずしろ日誌

介護をテーマにした詩集(じいとんばあ)と、天然な母を題材にしたエッセイ(うちのキヨちゃん)です。ひとりごとも・・・。

ほんの少し認めて欲しい

2015-02-27 22:59:30 | ひとりごと
 ある担当様の話である。
 その方はご病気で認知症もあるが、家事のほとんどを任されている。一時期寝起きも一人でままならない状態だったのだが、リハビリと治療の甲斐もあって、今では家事が出来るほどに。
 その事が嬉しくて、無理してはダメと言っても頑張って仕事をする。ご本人のためを思えば、勿論「危ない」と何もかも取り上げるよりも、して貰った方が良いのだ。
 しかし、そんな生活が続くうちに、その方はふと考えたのだ。
 「私はこんなに頑張っているのに、当り前になってないか?誰もありがとうって言ってくれない。」
 ご家族にしてみたら、本当にそれが「当り前」になってしまっているのだろうし、かと言って感謝していないわけではない。ただ、家族って逆に照れもあってそういう事は言いあわない場合が多い。また、お互いに甘えたりもあって、感情がストレートで、ついついお互いに言葉が過ぎる事もある。
 だから、時々ちゃんと感謝の言葉を伝えたり、頑張っている事を認めてあげないといけないのだと思う。どちらかが、少し言葉にすれば、ちょっとなごむ事なのだろう。
 そういう私自身も、キヨちゃんに対してそうなのだろうと思う。どうしてもイライラしてしまったり、分かりきっている事として言葉にしていない事がある。キヨちゃんにしても、先に文句や愚痴が出てきがちである。
 そんな思いで反省しながら家に帰ると、いつものように、
 「遅っそいのお。」
と少し不機嫌に言ったキヨちゃん。でも、
 「朝早くから遅くまでよう動く。大変だろう。しんどいのにすまんな(洗い物)。」
と言ってくれた。
 「何でよ。母ちゃんがご飯してくれるけん助かるわ。」
私も素直に言えた。
 きっと・・・こういうことなんだろうな。

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コメント (5)
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