すずしろ日誌

介護をテーマにした詩集(じいとんばあ)と、天然な母を題材にしたエッセイ(うちのキヨちゃん)です。ひとりごとも・・・。

犬小屋

2006-10-15 20:28:49 | ひとりごと
 あと二日で、ようやくADSLが入る!!!!もっともフリーズの原因は他にあるのだろうから、全面解決とはいかない。でもでも、とりあえず、立ち上がりが遅いことにイライラすることは無くなるのかなあ??
 私の創作も、これに習ってぐぐ~んと早くなるといいのだけど・・・。

 ところで、最近うちの犬が、密かに私の部屋に侵入しているらしい。休日の朝寝坊の時など、こっそりと入り口で覗く気配は感じたことがある。雷が恐いときなど、部屋に走り込んだ事もある。でも、基本的に進入禁止エリアと知っているので、おおっぴらには入らない。
 もっとも、猫の方は私の部屋に入り浸り。私よりも猫の部屋のようだ。だから、嫉妬しているふしもある。休みの日、なかなか起きない私をこっそり覗いて、こっそり「あ、いるいる」と納得したようにもどる姿は、大変愛おしく、叱れなくなる。
 先日、夜勤明けで部屋に戻ると、いつものように猫が寝ていた。(猫は夜おトイレに行く都合で、夜勤の夜は野宿である。だから朝親が中に入れるのだ。)犬もいつものように庭でお出迎えをしてくれた。で、布団に入ろうとした私の目に、見覚えのない物が映った。畳の上にあるのは、犬用の骨・・・ではないか?猫がいたずらして、犬のを失敬したとも考えたが、それは犬が許すまい。
 どうやら知らぬは私だけで、夜勤の夜は犬小屋になっているらしい。ゆ、ゆゆしき事態・・・。
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雄叫び

2006-10-12 11:26:20 | うちのキヨちゃん
 うちのキヨちゃんはニュースが好きである。新聞も欠かさず読む。それは大変感心なのであるが、ニュースを見ている時でも新聞を読んでいる時でも、それを家族にも伝えようとしてくれる。
 「まあ!火事で・・・へえぇ!」
 「・・・ひき逃げ、31歳・・・へえ・・・」
大声で、内容を台所にいる私にも聞こえるように読んでくれるのだが、さっぱり伝わらない。
 そうなのだ。キヨちゃんは読めない漢字は飛ばして読む。ひどいときには、平仮名しか読まない。しかも勘で適当に解釈して読む。だから結局気になって見に行く羽目になるのだ。一体火事でどうなったのだ? 31歳は被害者?加害者?となるわけだ。
 ある朝、居間から「あぁ~」というキヨちゃんの雄叫びが上がった。何事かと急いで駆けつけた。座っている所を見ると、事件ではなさそうだ。さては、ひどいニュースでも見て、悲鳴を上げたのだろうかと思っていた。それにしても長い悲鳴である。
 「どしたん?」
 「ん、大声大会やって。」
見るとテレビでは大声大会の様子が流れていた。彼女はニュースに勝手に参加していたのだ。眠気も吹っ飛ぶ朝の雄叫びであった。
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衣替え

2006-10-10 21:05:30 | ひとりごと
 今日、ようやく衣替えをした。毎年思うことなのだけど、一体去年は何を着て過ごしたのだろう??というくらい服のバリエーションがない。気に入ったものは、何年も着てしまう。考えてみると10年以上着ている物がほとんどだ。よって、ぼろぼろのものもある。なのに、愛着があって捨てられない。でも、これじゃあ片づかない。で、今日は泣く泣く何枚か処分した。
 てことは、ますます服がないわけで、この秋は、何を着て暮らせばいいのだ??

 みなさんは、どうなのでしょう?こんなことはないのかなあ?
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ばあちゃんリサーチ

2006-10-09 00:25:44 | ひとりごと
 介護の仕事をしていると、お年寄りのさまざまな個性に、圧倒される事がある。仕事も慣れて、ひとりひとりの個性にもだいたい精通し、コミュニケーションの取り方や、トラブル回避の方法も分かってきている中堅でも、思いがけず不意を突かれる。

 「姉さん、婿さんおるんか?」
顔を見るたび、こう聞いてくるおばあちゃんがいる。
 「おらんのよ」 
 「何で結婚せんのぞ」
 「ご縁がなくて」
 「選り好みするけんじゃ」
こういうパターンになると長い。叱られないように
 「いい人おったら、紹介して」
などと、おもねってみたりしたら、ますます長くなる。
 「お前の年は?」「親は健在か?」「親は百姓か?」「兄妹は?」ETC.
矢継ぎ早に質問が来る。
 先日、先輩を見ていたら
 「うん、婿さんおるよ。子供もおる」
と返していた。なるほど、そうすりゃ良かったのだ。翌日私も真似をした。
 「姉さん、婿さんおるんか?」
 「うん、おるよ」
 「婿さん、何の仕事ぞ?」
え!そう来るかい?とりあえず適当に答える。
 「ちゃんと(エッチ)してくれようか?」
・・・・・!!!
 修行が足りない。受け答えが出来ない私に、おばあちゃんは、不敵に笑って見せた。
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父の手紙

2006-10-06 00:25:05 | うちのキヨちゃん
 かつてうちの父は大変上下関係に厳しく、封建的な方であった。例えば、私が電話を取る。電話はうちのキヨちゃんにである。そこで、取り次ごうと庭にいる彼女を、玄関先で
 「お母さ~ん!電話!!」
などと大声で呼んだりしようものなら、きっちり叱られるのである。
 「親を呼びつけるとは、何事か」
つまり、目上の人には呼びつけるのではなく、近くまで自分が寄って「電話ですよ」と伝えなければならないわけだ。
 しかし、わたしとキヨちゃんはたいへんおおざっぱで、出稼ぎの父の留守中はまったくお構いなしに生活していた。
 ある日、わたしとキヨちゃんが喧嘩をした。といっても、これは私たちにとって日常茶飯事で、結構きゃんきゃん言い合うわりに、すぐに忘れたりするものである。
 しかし、普段家にいない父にとってそれは衝撃的な光景だったようだ。黙って部屋にこもったなり、いきなり見事な筆書きで、手紙を書いてよこした。
 
 親は親たり 子は子たり
 「鳩に三枝」の言われあり   父より

 言わんとすることは、何となく分かるのだが、おバカな私は「鳩に三枝」の語源が分からず、辞典を引いてみた。
 「鳩に三枝の礼あり」つまり、鳩は親鳥より三本下の枝に止まる。親に礼節を尊べと言いたかったのである。
 そこへ何故か有頂天のキヨちゃんが、私と喧嘩したことなど当然忘れて部屋に入ってきた。
 「父ちゃんに、手紙も~ろた。でも、意味が分からん」
・・・父は、喧嘩両成敗として、彼女にも同じ手紙をあげたのだった。そこで、わたしが説明する。そして二人して反省の言葉を父に届けに行った。
 自分の手紙で反省してくれたことに、父は大満足の様子で、この件は一応の決着を見た。
 その後、久しぶりの父の「ラブレター」に感激したキヨちゃんは、手紙をパート先まで持ち出し
 「父ちゃん字きれいやろう。文章かっこええだろう。」
と自慢しまくり、意味を聞かれると受け売りでそのまま説明していた。もちろんエピソード付きで。パート仲間のおばちゃんたちも
 「ええなあ。かっこええなあ」
と言ってくれたらしいが、これを恥の上塗りと世間では言うまいか。
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横田めぐみさん

2006-10-03 00:07:02 | ひとりごと
 何故だろう。名前を聞くだけで、涙が止まらない。また、彼女たちを題材にしたドラマがあるらしい。この問題を風化させないためにも、必要なのだとは思う。でも、解決してないからこそ、たまらない、ひどく悲しい・・・。

 13歳。13歳ですよ。自分の中学時代を思い起こしてみる。何て事はない平凡な毎日だった。それからの今まで、それもドラマティックな事なんてない、毎日だった。でも、この何気ない毎日を、彼女は奪われてしまったのだ。
 どんな思いで、爪から血を流すほど船底であがいたのだろう。好きなアイドルとか、クラブとか、高校へのあこがれとか、そんな事だけ考えてれば良かった毎日。いきなり訳も分からず、誘拐され、命がけの日々を強いられる。毎日毎日お父さんやお母さんを呼び続けたに違いない。
 誰かを恨んだのだろうか?絶望をそんな小さな胸に感じたのだろうか?両親が今でも探してくれているって、信じていられるだろうか?
 自分の両親に聞いてみた。たぶん自分たちなら死んだとあきらめていたという。まず、私がその立場なら、親はいずれ死んだと思う・・・とあきらめたはず。だって、国に拉致されるなんて途方もない話に、たどり着く方が奇跡だ。親が私を愛してくれているという事だけでは、いかんともしがたい現実。
 相手が大きすぎて、私たちに出来ることはないのかもしれない。こうやって、泣いてみたって、ただの感傷かもしれない。でも、でもやっぱりたまらない。早く、めぐみさんを返して欲しい。時間を取り返せはしないけど、ご両親に会わせてあげてほしい。他の人がそうであったように、大きな力の前で、洗脳されているかもしれない。それでも、きっと分かり合えるはずだから、返して欲しい。
 あなたの国が、守りたい物はなんですか?自国の大勢が飢えているときに、あなたは私腹を肥やしているのに。あなたのミサイルでどれだけの人が飢えから解放されますか。よそ様の大切なお嬢さんを誘拐して、何十年も返さない、そればかりか、自分の為に働かせる。たくさんの足かせをして。
 自分が13歳だった頃を思い出してみてください。それからの日々。出会った人たち。今のささやかな幸せ。
 私には祈ることしか出来ません。でも、横田さん親子が一日も早く再会できることを、心から願わずにはいられません。
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茂市と貞夫

2006-10-02 22:14:26 | むかしむかし
 むかしむかし、ある田舎に仲の良い茂市と貞夫という若者が暮らしておった。ふたりは大変な働き者で、朝早くから山に登り、山仕事にいそしんでいた。
 この山は昔から、よくタヌキに化かされる所じゃった。じゃから、土地の者は日暮れを過ぎると、道々十分に気を配って帰るのじゃった。
 ある日、ふたりはいつものように山仕事を終え、急いで山を下っておった。
 「おい、茂市よ。何か嫌な雲行きじゃ、タヌ公に化かされんうちに、いなんか(帰ろう)。」
 「阿呆言え。みんな言うだけじゃ。タヌキがなんの化かしたり出来るもんか。」
 茂市は大きく笑った。貞夫は気の小さい正直者じゃったが、茂市は明るく楽天的な性格だった。
 しばらく山を下っておったら、ふいにぐにゃりと道が揺らいだ。地震か・・・とふたりは立ち止まったが、どうもそうではないらしい。ははん、騙せるもんかと言うたものじゃから、タヌキめ、意地になったか?そう茂市は感じておった。
 「気ぃつけえよ、おい、貞夫、貞夫!」
貞夫に注意を促そうと振り返った茂市は、そこに貞夫がおらんことに気づいて驚いた。しまった!そう思ったがもはや手遅れじゃった。
 いきなり茂市の目の前の道が、跡形もなく消え失せ、足下には崖があるだけじゃった。後戻りしようとしたが、今度は後ろの道も消え失せ、茂市は高い崖のてっぺんにいるようじゃった。
 化かされているのだとは分かっていても、さすがに何があるか分からず、一歩がどうしても踏み出せない。茂市は覚悟を決めて、その場にあぐらをかいた。
 「かんまんぞ、今夜はここでおってやる。」
行くことも戻ることも叶わず、茂市はまんじりともせず、山の中で一晩を過ごした。
 明け方になり、茂市の前にはもとの山道が現れていた。あぐらをかいておったのは、大きな木の切り株の上じゃった。
 さて貞夫はというと、大変親切な人に家に泊めて貰い、風呂まで貰った・・・と思い込まされて、泥沼に腰まで浸かって笑っておった。
 それでもふたりは懲りもせず、あいかわらず山で働き、タヌキと競い合ったとさ。

以上、またまたタヌキのお話です。タヌキの悪さは結構かわいいのもあれば、きついのもあります。のつぼ(肥溜め)にはめられたりは嫌ですね。しっぽがめっちゃ太くて、目が合うとだまされるそうです。
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