すずしろ日誌

介護をテーマにした詩集(じいとんばあ)と、天然な母を題材にしたエッセイ(うちのキヨちゃん)です。ひとりごとも・・・。

バックナンバーフェア~~~

2006-10-21 23:35:36 | ひとりごと
今日、ようやくお買い物をしました。夏にやろうと思ってた、贅沢です!!これでもかってほど、ウインドウショッピンクして、試着しまくった割には、2着なのですが。

ところで、これから時々バックナンバーを紹介していくことにしました。もちろんすでに読んでくださった方が多いのですが、最近のお客様もいて、初心者の私は、始めに2日くらいでほぼ全作品をアップしてしまったのです。だから、時々虫干しみたいに、出していこうかな・・・と。おもに「じいとんばあ」と「うちのキヨちゃん」です。
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幸吉さん(バックナンバー)

2006-10-21 23:24:49 | じいとんばあ
         幸吉さん

   幸吉さん あなたはいつでも 人気者
   ゆず風呂のゆずを 食べちゃったり
   座布団を頭に乗っけて いざってみたり
   一晩中 何度も何度も お布団から抜け出して
   へとへとになりながら あなたを探して運ぶのに
   飄々とした風貌と その笑顔に
   みんなはやられてしまうのです 
   何をやっても 「へえ、そうかい」
   その一言で 片づけちゃう
   そんなあなたに 負けちゃうのです

   幸吉さん 本当はあなたは 孤独なの
   白寿のあなたの子供たちは
   それぞれ みんないい歳だから
   あなたの 子や孫は 遠くの街に住んでいるから
   だけど いつでも ニコニコして
   私たちを とりこにするのです
  
   幸吉さん 後少しで百歳なのに
   神様は いじわるね
   お誕生日を 待ってはくれなかったの
   あなたが寝込んでから
   毎日家族が来てくれましたね
   毎日顔を見せてくれたのに
   やさしいあなたは 最期の時を 見せなかった

   遠くの家族も駆けつけて 
   みんなで あなたの体を拭いて
   ほんの少し 体を傾けた刹那・・・
   あなたは うすく目を開けた
   「お前たち 来てくれたのか」
   まるで そう言ってるみたいに
   きっと みんなの顔 見たかったんなあ
   心の中でつぶやいて
   そっと そっと 目を閉じた

   金木犀の香る夜
   あなたは 静かに旅立った
   手を合わせる私たちに
   いつまでも いつまでも
   ほほえみながら・・・
コメント (2)
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