南座のお芝居がハネてから、木屋町にある釜めしの「月村」にいって来ました。
「月村」の釜めしは有名ですが、もう一つの名物に「大根煮」があります。
お店で使っているのは、京都の冬に欠かせない聖護院大根。
聖護院大根はカブラのような丸い大根で、通常の大根と比べると、倍以上の値の高級野菜です。
「たかが大根、フツウの大根とちっとも変らない!!」
と思われたら大間違い。
煮ると、とても軟らかくて、味がしみこみやすいのが特徴です。
月村の「大根煮」(←画像)は、豚肉と煮込んで、油揚げを添えて供せられる絶品。
はらはらとかかった山椒が絶妙のアクセント。
大根はとろけるような口当たりです。
味の好みは人それぞれに違うもの。
少しだけ甘味の味付けは聖護院大根の最高な”甘み”なんです。
それに、大きな油揚げとのマッチは絶妙。
まあ、月村の「大根煮」はいちどは食べてみる価値があります。
〇 聖護院大根とは?
そもそもこの大根は、初めから丸かったわけではありません。
はじめは普通の長いダイコンだったのです。
誕生地は京都市東部の、左京区聖護院地区です。
江戸時代後期の文政年間、聖護院の東の「黒谷」と云うところに光戒光明寺というお寺があり、ここに尾張の国からダイコンが奉納されました。
聖護院の農家がそのダイコンを貰いうけ、何年も大切に育てていました。
ところがどういうわけか丸くなってしまいました。これが聖護院大根(←画像)です。
〇 とり釜飯
今回はスタンダードと申しましょうか、丹波の地鶏を用いているという、とりの釜めし(←画像/右)にしました。
注文を受けてから炊き上がるので、20分ほど待たなければなりません。
その間、生のグラスビールをグ~ィと。本日のお通しは水菜の胡麻合え(←画像/左)。
水菜も有機肥料栽培の京野菜だそうです。
その日はカウンター席でしたから、めったにないことだが店の主人といろいろと話すことができた。
「釜めしのよく出る№1はやはり鶏ですか?」
「いえ、冬場は牡蠣ですね」
「牡蠣は広島産なの?」
「いえ、うちのは鳥羽産の牡蠣をつかってます」
広島の牡蠣は「カキでござい」とカキを主張している。
つまり味覚の美味しさに対して、うちのは主に臭覚に問いかけてる美味に重点をおいている、とも話してくれた。
美味しい出汁で炊きあげられたモチモチのご飯。
丹波地鶏の脂とも絡み合って堪りません。
”飲み会”とやらでよく「焼き鳥屋」に行きますよね。
仕上げはきまって「とり釜めし」にするのが定番コース。
「月村」のとり釜めしをいちど食べてみてください!!
あなたは「釜めし」の概念がきっと変わるはずです。