はじめは、なにかの実だと思っていた。
何本かにわかれた枝の先に、黒っぽい紅の球状に集まった小花をつける。
吾亦紅だ。
花とよぶやわらかな情感はこの花にはない。
深い黒紅の色は咢、花びらは持たない。
数日前、友人から個展の案内状が届いた。
個展会場は播州の龍野である。
10年ぶりの龍野に懐かしさがこみあげて、出かけることにした。
個展を見たあと、風の心地さを感じながらしばらくは散策してみることにした。
まだ夏草の繁る揖保川の川原に「われもこう」をみつけました。
その花だけを見ると、愛想のよくないは花だけど・・・
色とりどりの花とともに咲いていて、決してさびしい佇まいではない。
その花びらを棄てた強い個性が・・・
美しいとはお世辞にもいえないが、独特の面白さを見せている。
「われもこう」に赤とんぼが・・・・・・。
さすが「赤とんぼの里」とよばれた龍野ですね。
そう。だれもが口ずさんだ『赤とんぼ』の作詞者である三木露風が、生まれた故郷なんです。
『吾亦紅」は寂しい花である。
そのしゃがれた花が、なぜか寂寥感をそそる。
「われもこう」といえば、「枯淡」ということばが充てはまる。
だから、年若くして惹かれぬ花かもしれない。
この花がイバラ科に属していたのは、意外だったというしかない。
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