女性の生き方をテーマに活動してるノンフィクション作家沖藤典子
さん現在80歳、64歳のときに書かれたエッセイ「夫婦という幸
福、夫婦という不幸」 は夫婦のあり方について書かれてる。
夫婦は赤の他人同士の結びつき、異文化のカップル、だから当然結
婚すれば摩擦が起きる、夫婦には思いやりが大事といわれながら、
夫婦であるがゆえに、思いやりを持てなくなってしまう男と女、そ
れが平凡な夫婦の姿だという。
夫たちは会社だけに価値をおき生活や感情のすべてを会社とその人
間関係に傾けてしまう、そこから外れることを恐れる、妻に深く感
謝していてもそれが言葉になって出てこない。
最近の沖藤さんのインタビュー記事で沖藤さんのご主人は4年前他
界したが会社員時代は毎晩のように泥酔して深夜に帰宅、定年後も
友人と外出して深酒をする生活を続けた、その結果病いに倒れた、
ところが世間は「夫の病気は妻のせい」という目で彼女を見る、同
年代の女友達からも「あなたが仕事なんかしているせいよ」と言わ
れたという。
それでなくてもこうしたときに長い人生で積もり積もった夫婦間の
感情が一気に噴き出て、最初の1年ぐらいは葛藤が続いたが「私も
悪いところがある、夫ばかり責められない」と思い要介護3のご主
人の闘病生活をサポートしたが80歳で亡くなった。
この経験をもとに沖藤さんは自分と同年代の妻のなかにおなじよう
に夫に対する過去の感情が整理ができない中で世間からのプレッシ
ャーを受けてつらい介護をしている人が少なくないと思う、だから
彼女たちに「良妻ぶらずにつらさを語って」と伝えたいという。
そうすれば必ず同じ思いの人と出会え少しでも楽になると語ってい
る、あらためて老後の「夫婦という幸福、夫婦という不幸」につい
て考えさせられた内容である。