劇作家で演出家の鴻上尚史氏の著書「ほがらか人生相談」で老
いた父親についてふれている、身体が不自由になり介護用おむ
つから大便が漏れ、それがベッドに広がり、毎回母親がその処
理をしてたという、その時の心情を俳句が趣味の父親がメモに
残していた「糞まみれ、これがおのれか歳暮れる」
鴻上氏の父親は40年間小学校の教師を勤め、地域の自治会長
もやり、色んな会合でリーダー的存在だっただけに苦しい胸の
内を俳句にぶつけたのかもしれない、実は私の父も晩年認知症
になり、おむつをして夜中に大便が漏れることが度々あった、
その始末を母がしてて私が実家にいくと、いつも愚痴をこぼし
てたものだ。
父が亡くなって当時の心境を殴り書きで書いてた大学ノート
を見つけた「情けない、惨めだ、なんで俺が認知症に」正直
息子として生前もっと寄り添ってればと複雑な気持ちだった、
人間は齢老いて自立することができなくなると老いを激しく
嫌悪するということを痛感した。