どんな状況下でも、人間は慣れてしまうという特性がある。
東京の友人はメールで、「もう震度4くらいじゃ炬燵から出ないよ」と
言っていた。確かに、自分にも覚えがある。
もう八年前になる。NS州に住んでいた時、ハリケーンが大西洋岸州を遅い、
甚大な被害を出した。うちのところは十日間の停電。計画停電じゃなくて、
全く電気のない生活。送電線が断裂して、復旧に十日を要したからだ。
温水器は電気で温度調節のスイッチが入るから、停電中はお湯が使えず水の
シャワー。秋口とはいえ、さすがに寒い。キャンプ用品を使って調理したり、
夜はロウソクの灯りを使ったり。犬の散歩に出ると、道にはガラスの破片や
飛んできた枝とかがいっぱい。
しかし一週間もすると、そうした「難民生活」にも慣れてしまった。
最初の頃は、毎朝起きるたび「今日は電気が復活してるかも」と期待していた
が、後半にはもう電気など頭からなかった。森から飛んできた倒木とか枝とか
を集め、暖炉で燃やしたり、すっかり野生の生活。夜は暗くなると何にも
できないから、早く寝てしまう。なんか、江戸時代の生活に戻ったかんじ。
もう二度とあの経験はしたくはないが、今思い出すと「あの時はねえ」みたい
な、多少の懐かしささえ覚える。子供の頃、お年寄り達が「戦争中はねえ」
みたいな話をよくしていたが、それと一緒か。人間というものは、どんな不幸
を体験しても、意外とたくましく生きてゆけるものなのだろう。
東京の友人はメールで、「もう震度4くらいじゃ炬燵から出ないよ」と
言っていた。確かに、自分にも覚えがある。
もう八年前になる。NS州に住んでいた時、ハリケーンが大西洋岸州を遅い、
甚大な被害を出した。うちのところは十日間の停電。計画停電じゃなくて、
全く電気のない生活。送電線が断裂して、復旧に十日を要したからだ。
温水器は電気で温度調節のスイッチが入るから、停電中はお湯が使えず水の
シャワー。秋口とはいえ、さすがに寒い。キャンプ用品を使って調理したり、
夜はロウソクの灯りを使ったり。犬の散歩に出ると、道にはガラスの破片や
飛んできた枝とかがいっぱい。
しかし一週間もすると、そうした「難民生活」にも慣れてしまった。
最初の頃は、毎朝起きるたび「今日は電気が復活してるかも」と期待していた
が、後半にはもう電気など頭からなかった。森から飛んできた倒木とか枝とか
を集め、暖炉で燃やしたり、すっかり野生の生活。夜は暗くなると何にも
できないから、早く寝てしまう。なんか、江戸時代の生活に戻ったかんじ。
もう二度とあの経験はしたくはないが、今思い出すと「あの時はねえ」みたい
な、多少の懐かしささえ覚える。子供の頃、お年寄り達が「戦争中はねえ」
みたいな話をよくしていたが、それと一緒か。人間というものは、どんな不幸
を体験しても、意外とたくましく生きてゆけるものなのだろう。