柳生博さんがこの世を去られた・・・・・・・
4月16日 老衰のためご自宅で死去、85歳。
ついこの間まで森のことを熱く語っておられたと・・・・
柳生さんは俳優としても素晴らしいところは無論なのですが、俳優という枠では語り切れない「芸能の人」だったように思います。
また、これまでの活動や亡くなり方も含めて「自然派」を貫いたという、確かにご家族のご不幸やご苦労もおありでしたが、貫くという面で小職からすると羨ましいところがあります。
ご本人は覚悟を以て死に臨まれたようにお見受けするので、残念と言ってはいけないような気がしますが、やぱり残念です・・・。
ご冥福をお祈り申し上げます・・・・・
柳生さんの俳優歴としては、1960年からで翌年本格デビュー。特捜隊#1もこの年。
その後、主な活躍の場はテレビ『七人の刑事』『水戸黄門』、大河ドラマなど幅広くご出演で、洋画吹替もこなし、後期の日テレ青春シリーズを支えたおひとりでした。このころは悪役の方が多い傾向でしたが、NHK朝の連続テレビ小説にご出演の後から、脇役から中心人物の一人、例えばピンクレジットの俳優さんとなり、「100万円クイズハンター」で知らない人が居ない存在となったという印象です。
個人的に柳生さんの演じる役柄の決定版は『誇りの報酬』の田沼課長ですね。
気の合った雅俊さんとの絡み、ステレオタイプの上司かと思いつつも全くそうではなく頼もしかったり。
『あぶない刑事』の近藤課長の原型は田沼課長かと。
ただ、俳優としてランクアップされたころから自然保護活動に取り組み、柳生さんのライフワークとなったわけですが、俳優としての柳生さんはシリアスなインテリからステレオタイプの教頭、小心者でヒステリックなジゴロだと思ったら、頼もしい上司だったり、見た目が大丈夫であればどんな役でもこなされていた印象があります。
太陽では初期からのご出演。落ちぶれた漫画家、狙われる証券マン、インテリ強盗、オートアクセサリーショップ店主(殺人犯)、熱帯魚店店主(殺人犯)、偽装強盗を企てる宝石店店主、特殊血液の子供の父、そしてメインゲスト時は、失業中のなにをやってもうまくいかない男。
確かに「企て店主」は多いかもしれませんが、善人もそつなくこなされています。やっぱり#353はゲスト主演なので静かながらも熱のこもった演技、長さん=辰平さんとの競演。ストーリーも伴って、この年齢になると身につまされるというか・・・・・。
#33 刑事の指に小鳥が… 谷口浩三
#47 俺の拳銃を返せ! 井口武夫
#62 プロフェッショナル 尾崎
#124 仰げば尊し 長戸
#174 星の神話 鶴田
#208 ひとり立ち 大崎
#243 その血を返せ 立花
#353 ラスト・チャンス 菊池三郎