生物の形-ポリ亭のマクロ・顕微鏡写真-

 身近な動植物のマクロ写真や顕微鏡を用いて撮るミクロ写真を載せていきます。「生物の形」を気楽に楽しんでいきたいものです。

タンポポ(4)綿毛の偏光顕微鏡写真(その2)

2007-07-28 10:04:16 | Weblog
◆ 以下の説明を読むのが面倒くさい人は,結論だけを分かっていただければと思います。光を通過させる方向を直交させた2枚の偏光子を試料の前後に挿入した偏光顕微鏡写真を前回示しました。今回はこの状態で1λの赤色石膏版を挿入して撮影しました(屈折率の大きい方向が右斜め上方向)。この条件では試料のないところや屈折率がどの方向も同じなところでは赤色に見えます。
◆ 前回の写真で薄黄色の白っぽく見えた細長い繊維の束のような構造が今回の写真では空青色に見えてきました。このことは主成分のセルロースの長い分子鎖が綿毛の長さ方向に配向していることを示しています。綿毛の長さ方向の強さが大きいのはそのためです。
ミクロラボ Π(パイ) ポリ亭


タンポポ(3)綿毛の偏光顕微鏡写真(その1)

2007-07-28 09:40:01 | Weblog
◆ タンポポの偏光顕微鏡写真です。理屈っぽくなりますが,一方向に振動する光だけを通過させる2枚の偏光子を,それぞれの振動方向を直交させた状態で試料の前後に挿入しています。その結果,試料がないところでは光が通過できないので消光して暗黒になります。
◆ 試料に光学的異方性(方向によって屈折率が異なること)がありますと,方向によって光の進行速度が違ってくるので,光路差が生じ明るく見えるようになります。この写真を見ると,綿毛の長さ方向に沿って細長い繊維の束のような構造が見えます。
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