高江雅人  竹工芸職人の独り言  竹工房オンセ

高江雅人  竹工芸を初めて37年、徒然なる出来事をアップしています。

新宿伊勢丹 2

2007年08月18日 07時30分44秒 | 出張

07817_008地下鉄13号線開通に向けて、新宿のデパートで激しい戦いが展開されている。今まで、新宿駅から少し離れていた伊勢丹。しかし、この13号線が開通することで、池袋経由で北関東方面のお客様、渋谷経由で横浜方面からのお客様まで、伊勢丹に流れ込んでくることになる。

伊勢丹の地下の食料品売り場も改装を追え、以前にも増して高級感あふれる売り場に変わっていた。

07817_00507817_009_1 

07817_00607817_003_1高級ワインがずらりと並び、有名なチョコレート屋さんにはお店に入るのに人がずらりと並び、食肉売り場にも生ハムの釣るしがずらりと並ぶ。整然と圧倒感を持ってすべてが並んでいる。ちょいと生ハムの値段を拝見。「10g315円」‥‥、「ん?100g、いや10g。なにー10g!」なんとプライスカードは10g表示だった。

営業後は多田さんと、上野から駆けつけてくれた「F」さんと三人で半年振りに「イーズ」というバーにやって来た。ここは日本でも珍しく、「ヒューガルテン」の生ビールタワーを出してくれるお店だ。フルーティーな味が独特で実に美味しかった。

http://blog.goo.ne.jp/takae_1/d/20070226

しかし、最近は「ヒューガルテン」の生がなかなか入ってこないそうで、残念ながら飲めなかった。その代わりに日本では販売されていないというアラスカのビールを頂いた。今回びっくりしたのは、狭い店内であるが、お客様がいっぱいだ。半年前、一年前に来たときはいつもお客様はいなくて貸切の状態だったのだが?「どうしたんだろう?」「今までの地道な努力が身を結んだのだろうか?」    「いやいや、可愛いスタッフが一人増えていた。」07817_010「 そうだ大きな違いは笑顔の素敵な女性スタッフが増えていたのだ。」「きっと、このせいでお客さんがじわじわ増えているのだ!」「きっとそうだ!」

飲み物だけでなく、ここの料理は本当に手が込んでいて美味しい。乾き物などは出さず、本格的な料理ばかりである。今日はお奨めの「テールの煮込み」と「カルボナーラ」。飲みに行かなくても、食事だけしに行っても良いお店だ。

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新宿伊勢丹 1

2007年08月17日 09時00分35秒 | 出張

20070816104832 暑い、暑い、暑い。ニュースでも70年ぶりに最高気温が更新されたと言っている。40.9℃暑いはずだ。伊勢丹の中でも冷房が聞いている所と、利かない所がある。私が今年出店している所は、全然冷房が効かなくて一向に涼しくならない。我慢できず、近くの家電売り場で小さな扇風機を買い込んで来た。これで少しは涼しくなった。

おかげ様で、暑い中にも関わらず、二日目も順調な売り上げで、リピーターの方が沢山来てくださる。

今日は朝起きて、6時前にホテルを出発。伊勢丹方面まで進み、新宿御苑に沿って東に新しいルートの開発である。いつもであれば明治神宮方面に行くのであるが、今日は緑に沿って、御苑から外苑に。

20070817060643 東京にはまだまだ、緑がある。ビル街を歩くときは、人工的な建造物ばかり続くと直ぐ飽きてしまうのだが、少しでも緑があると気持ちが良い。生まれて初めて「国立競技場」を見た。私達世代にとっては昭和40年の東京オリンピックは人生の中でも記憶に残る大きなイベントであった。

当時はまだ、白黒テレビがふっきゅうして、まだ近所ではカラーテレビなんて見たことも無かった。テレビしか娯楽が無い時代、国中が東京オリンピック一色に染まっていた。マラソンのアベベ、円谷。柔道のヘーシング。黒い弾丸ボブ・ヘイズ、バレーの東洋の魔女、水泳ではショランダー、体操のチャフラフスカなどなど‥‥。40年以上経った今でも思い出す活躍した人たちの名前。よほど、印象が強く残っているのだろう。

戦後20年を過ぎて、日本が高度経済成長期に入り、世界に復興された日本を見せる国家的イベントであった。今の中国がこんな時期なのかも知れない?

20070817060900 国立競技場を過ぎると神宮球場があった。テレビで神宮球場の名前は良く聞いているが見たのは今日が始めてである。球場を過ぎると青山通りに出た。そこは見覚えがある景色で。

そうだ、6,7年ほど前、青山の伝統工芸品センターに竹細工を教えに来たときの場所であった。断片、断片を知っていた地区が少しずつ朝歩きで繋がってきた。いつも、地下鉄で移動をしているので駅から出たあたりはわかるのだが、やはり、歩いてみると、点と点が始めて結びついていく。

最後に面白い物を見かけた。良く、浮浪者の人が自転車の荷台に山のように空き缶を積んでいるのを見かける事があるのだが、彼らも生きていくうえで商売しなくてはなら20070817063925 ず、朝6時頃元締めがトラックではかりを持って買い取りに来るようだ。いくらになるのか?わからないが、台車の上に空き缶を乗せてトラックの回りに集まっている。親方がはかりの上に空き缶を乗せ、支払いをしていた。

彼らは汚い格好をしているが、やはり個人経営者なのだ。時間を決め、商いをして、昼間は公園や街中の空き缶を集めて回る。ネクタイこそしていないが、真面目に働いている。人を騙して、お金しか見えない奴より、ずっと人間的である。

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ブー・フー・ウー

2007年08月16日 07時38分31秒 | 友人

日本列島中が猛暑に覆われ汗びっしょりになっている。そんな中、新宿伊勢丹にはたくさんのお客様がいらしてくれた。私の所も、「前日までの京都での催事は何だったの?」と思えるくらい、快調な滑り出しである。朝のオープンから午前中はお客様を待たせっぱなしで、やっと一息つけたのが12時過ぎである。やはり、長年積み重ねたお客様との信頼関係や、「毎年見ているが、買うことが出来なかった。今年こそは!」と言って下さるお客様など、今までに種まきをしてきたおかげである。

暑い中、足を運んで頂いたお客様には本当にお礼申し上げます。

久しぶりに揃った「ブー・フー・ウー」。2月のココ伊勢丹での「九州展」以来なので、半年ぶりに3人が揃うことになる。こんな暑い日は冷たい生ビールが美味しい。近くの中華料理店に飛び込んだら、隣の席には鼈甲細工の「田川のシンちゃん」と竹炭の「清水君」と若い兄ちゃんがもうビールを飲んでいた。「料理が食べきれなかったら、貰いますよ」と声をかけてきたが、「彼らは甘い!まだ、我々の食欲を知らない!」  あーだ、こーだとバカ話をしながらビールをかたむける。気取りも無く、同窓会のメンバーと飲むような物だ。

20070815213407中華料理屋を出た後、福ちゃんがお決まりのコンビニでハーゲンダッツを買い込む。この食事の後のコンビニでアイスクリームが無ければ良い奴なんだが!

見て、この幸せそうな顔。

多田さんも私も仕方なしに、一緒にハーゲンダッツを咥えながら、歌舞伎町を歩く、3人の中年男。いつもであれば、呼び込みの兄ちゃんが次から次へと声をかけてくるのだが、無邪気にアイスクリームをかぶりつく3人男には声が掛からない。20070815213419 

半年ぶりに会った多田さんも少しお腹が出ていた。しめしめ、だんだん私に近づいてくるぞ!この調子で毎日福ちゃんとアイスクリームを食べさせておけば、私とあまり変わらない体型になるのももう直ぐだ。

しかし、一緒に付き合っている私もどうなるの?

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京都から東京へ

2007年08月15日 07時32分19秒 | 出張

京都大丸を13日に終了して、翌日新幹線で東京に向かう、お盆の帰省ラッシュにはまだ1日早く、車内はそれほど混んでいなかった。大丸の本屋で見つけた「百貨店地図の塗り変わる日」という本を読んでいた。内容的には、評論家が百貨店の売り上げ数字に肉付けして、いかにもと思わせるような文章であまり中身は無い。読んでいて、先週までの広島三越、今週の京都大丸、明日からの新宿伊勢丹。売り上げでは広島三越が181億円、京都大丸が836億円、新宿伊勢丹が2570億円。しかし、この売り上げに比例して私どもの売り上げに比例するわけではない。小粒でも、ファッション性、高級感を地域で打ち出している広島三越では成績が良い。大丸でも、地域に根ざした老舗としての地位を確立しているので、私どもの作品とマッチした展開の仕方でやれば、今回の5倍は売れるはずである。

ちなみに私が出店している主なデパートの売り上げは上記の他に日本橋三越2738億円、横浜高島屋1599億円、難波高島屋1425億円、名古屋松坂屋1400億円、梅田阪急1828億円など。いつも、考えるのだが、作品とお店と客層の三つが合わなければ売れない。デパートだけでなく、ギャラリーで展開する場合でも同じだ。そんな事を考えながらあっという間に新幹線で東京に着いてしまった。

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計算違い!

2007年08月14日 07時48分49秒 | 出張

ゆっくりした、家族揃っての休日を満喫した後、8月8日から始まっている京都大丸での「日本伝統工芸職人展」11日より、先発の小野 友恵さんよりバトンタッチ。

20070811091009_1 大分空港から伊丹空港へ、朝から機材調整のため出発時間の遅れ、最近のJALは経営改革のため、地方路線にはなるべく小型の飛行機を飛ばしている。プロペラ機のロンバルディア。先日初めて乗った機種である。今回が2回目、機内も狭いのでいつも持込できる荷物も手荷物では持ち込めない。

予定より遅れて大阪空港に到着。京都までいつもであればリムジンバスで行くのだが、チケット売り場に行くと「京都行きは運行休止」と出ている。お盆の帰省ラッシュのため、高速道路は渋滞で運行休止だそうだ。新大阪までバスで行き、新大阪から京都まではJRの快速。京都駅から地下鉄で四条の大丸へ、やっとたどり着いた。

京都のお盆は大文字の送り火を控えて、仏様を迎える準備で忙しい。「京都で一番古い老舗の大丸。さぞ、忙しいのだろう」と、期待してきたのだが、残念。全然お客様が居ない。お客様より、職人展のメンバーのほうが多い。私どもで出した案内のdmも、普段であれば3割くらいの回収率、(これは非常に高い率であるが)、今回は1割くらいであった。今まで、7年ほど京都伊勢丹でお買い上げ頂いたお客様と大丸のお客様は全然結びつかないのだろう。客層も御高齢の方がほとんどで、ホント今回は計算違い!

京都の夏は本当に暑い、昨日もニュースの発表では最高気温38℃といっていた。実際のコンクリートに囲まれた街中は40℃を越えていたのではないか?と思う。デパートの中ででは、冷房の効きすぎで藍染めの大川さんが「寒い、寒い」と言って。ジャンパーを羽織っていた。

20070812064818 ホテルから四条通りを東に進んでいくと八坂神社に突き当たる。神社の前を南に下ると清水寺につながっている。三年坂を上っていく。日中は観光客でごった返しているのだろうが、朝の6時台はほとんど人もいなくて、京都の古い家並みが良くわかる。

20070812065611清水寺に登って、有名な清水寺の舞台に立って見ようと思ったが、入り口に入館料3百円と書いてあり、今日は止めにした。何処に行っても入場料を取るところが京都らしく観光地の商売だ。入り口前でユーターンして振り返ると、京都の町並が一望でき得したような気がする。

計算違い!ばかりの今回の京都でしたが、たくさんの友人、知人にお会いできて良かったです。それにしても、京都の夏は暑い!

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焼肉いちなん

2007年08月13日 09時15分11秒 | 友人

京都に来て、親友の恵文さんの所に行かない法は無い。今回は三日間しか京都にいないので、旨く、スケジュールを組まないと行くことが出来ない。初日は、いつもお世話になっている、京都の木版作家の植谷さん、染色作家の山本さんとお食事を御馳走になり、近況報告など楽しいお酒を頂いた。2日目の昨日は、同じ職人展に参加している、藍染めの大川さんと福井の漆器の鈴木さんを誘って、恵文さんの焼肉「いちなん」に行ってきた。いちなんについては、「さすらいの食い倒れ、やまけん」のブログに詳しく載っている、

http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2005/06/post_557.html  http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2005/06/post_558.html

お店に知り合いを連れて行く時、私の立場は完全にお店側に立っているのだ。「今日のこの二人がここの料理を気に入ってくれるのだろうか?」とまるで、自分の家にお客様を向かいいれるような気持ちになるのだ。今日は物事に拘る、特に食にはうるさい大川さんがお客さんである。果たして、結果は? 大満足を頂いた。二重丸◎である。まずはキムチで軽くジャブをくい、蒸し豚、牛の面身でフックをくらい、ソーセージ、鳥のせせり、ホルモンでパンチを貰い、最後のコムタンクッパでノックアウト!「このせせりは彼の気持ちの広さが現れているね!」と。  まるで自分の事を褒められているようで嬉しい。もう一人のお客さんの鈴木さんは食にはいたって保守的で、冒険をしない。内臓関係、鳥肉、テールなど見た目を想像すとダメだそうだが、カルビとお野菜で満足頂いた。

先月、名古屋松坂屋での催事の後に京都まで足を伸ばし、娘の楓子ちゃんとイタリア行きの打ち合わせのためにやってきているので。今回は半月で2回も来た事になる。その時の事が恵文さんのブログに載っていた。http://blog.livedoor.jp/corazoncojp/archives/50972116.html

翌朝、焼肉を食べたおかげで元気モリモリ、四条のホテルを出て、西へ西へと歩き出した。ダイエットのために歩いているのではない。知らない土地をうろうろ、何か面白い物が無いか?とか、歩きながら、いろんな事を考える時間が好きなのだ。楽しい朝歩きを元気良くするために、栄養補給としてたくさん食べているのである。   どんどん進んで行くと京都外語大学を通り過ぎ、大きな三菱の工場の横に出た。そこを過ぎると「京都太秦映画村」の看板が見えてきた。少し、距離があるが、焼肉を食べたせいで元気が」あるのでいってみる事にした。20070813070526 

20070813070943ホテルから丁度7キロのところだ。少し、来すぎてしまった。それにしても暑い、夏の京都は暑い。

帰り道、昨日の食べ過ぎたお肉とにんにくとのせいで、トイレに行きたくなってしまった。しばらく我慢して歩いていたが、もう、我慢できなくなり近くのコンビニに飛び込み、トイレに駆け込んだ。セーフ!冷や汗ものだった。長歩きをする時はこのトイレの問題をいつも頭の中に入れていないといけないのだ。今日は恐らく、3人ともにんにく臭いだろう。嫌なお客が来たら、「ハー」と言って息を吹きかけて撃退してやろ。

竹工房オンセ

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家族揃って!

2007年08月12日 09時10分32秒 | 家族

89_011 家族4人が揃って、短い夏休みを過ごすことが出来た。別府市にある、鶴見山ロープウェー、標高1300メートルの山頂に上った。私は大分に来て30年近く経つのだが、一度も上ったことがなかった。眼下に別府市を眺めて、久しぶりに家族でゆっくりする事が出来た。何気ない、会話の中にも、家族だけの笑いがあり、気が休まるのである。

鶴見山から下りてきた後、昼食を取り、みんなで映画を見た。「トランスフォーマー」目まぐるしく飛び込んでくる映像、後に残る物は何もないが、気晴らしには丁度良い映画であった。少し、小腹が空いたのでとシンラが注文したのが、このビッグサイズのハンバーガー20070809184319 と照り焼きバーガー。どんどん大きくなるはずである。

長男のクルムには「レイバン」のサングラスを買ってやり、ショッピングモールをうろうろ。別にこれといった出来事があるわけではないが、平凡な中に幸せを感じる一日であった。

子供達が寝た後、悦子と二人で借りていたビデオを見る。「それでも、僕はやっていない」 周防正行監督の痴漢冤罪をテーマにした映画である。昼見た映画より面白い。自分がこの痴漢冤罪の立場に置かれたらどうする?と真剣に考えさせられてしまった。今の司法、警察の問題点が浮き彫りになっている。痴漢に間違われるだけで、数ヶ月も拘置されてしまったら、私の会社などはつぶれてしまう。やっていないことでも、現実を考えると「やりました」と答えてしまうかも知れない?そんな風に考えさせられる、現在の裁判制度の問題がある。

フンワカした一日であったが、最後にこの映画で考えさせられてしまった。まだ見ていない人には、娯楽映画としても一級品と思うので、是非、借りて見て下さい。

竹工房オンセ

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どうしても、納得できない!

2007年08月11日 04時28分13秒 | 作品紹介

81_007 お客様からの注文でアタッシュケースを頼まれていた。しかし、この半年以上、忙しいシーズンに突入したこともあり、手付かずで放っておいた。先日、お客様から、どうなりましたか?と電話が入り、出来上がっていない旨、お詫び申し上げた。

また、引っ張り出して来て、この写真はサンプル編みの物で、大きさとか編み目の割り出しに作っているサンプルの物だ。もう一組はもっと編み目の細かい本番のものが縁を付ける前まで出来上がっているのだが、金具を付けた時点から、ストップしてしまっている。特別誂えで、彫金の作家さんにオーダーで作って貰った止め金具と丁板、純銀製の金具であるが、お客様のイメージと私のイメージ、彫金作家のイメージがどうしてもシックリ来ないのだ。取り付けてみて、どうしても納得できない。見ていて、美しさがない。竹の素材感は弾力であり、持ったときのしなやかさ、手触りの優しさであるのだが、金具を付けると機能的にも相当問題が出てきてしまった。

81_005 金属や木で作ったアタッシュケースは硬い素材なので、蓋底がかみ合ったとき、動くことはほとんど無い。しかし、竹の場合は弾力がある分、左右に若干の動きがあるのだ。手で左右に揺り動かしてみると、止め金具がビヨンと外れてしまう。(止め金具の構造にも問題があるのだが、いまさら作り直すわけにもいかず、頭を抱えている。)

この後、持ち手の取り付けと置いた時の足になる部分の取り付け、8箇所ある角の補強の取り付け、内布張り、となるのだが、このまま、本番の作品作りに進んでも、良いものが出来る核心が全く持てない。

お客様のオーダーをなるべく汲み上げて、作品作りをしなくてはいけないのだが、今回のアタッシュケースはどうしても素材的に無理があるのだろうか?大変申し訳ないが今回はココまでの経緯と試作品を見ていただいて、お断りするしかない。私自身も悔しいのだが、納得できない物を中途半端な形でお渡しすることは出来ない。そんな、事をすると、その作品に出会うたびに「後悔の念」に囚われてしまう事になる。

潔く、「○○さん、ごめんなさい」とお詫びしよう。

竹工房オンセ

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青春18切符

2007年08月10日 05時54分01秒 | 家族

長男のクルムが、夏休みで寄生虫?帰省中か。

89_007 大分から新潟の学校に戻るのに、時刻表に首っ丈で頭をひねらせている。JRが出している切符で「青春18切符」と言うのがある。1日、JRの鈍行、急行まで(特急は乗れない)乗り放題で2300円。これを5枚セットで11500円の切符である。新幹線や飛行機を使えばその日の内に新潟まで到着するのであるが、そこはまだ、高校生。時間に追われるわけでもないし、逆にのんびり人生を感じながら旅をしたほうが味わいがある。

私も、大賛成。計画を覗いてみると、初日は大分から岡山くらいまで、

今は忙しい時代で昔ほど普通列車が走っていない。連絡が悪く、走っている時間より、待ち合わせに取られる時間も相当あるようだ。岡山でユースホステルなどを探して泊まり、翌日は滋賀の叔母さんのところまで、そこで一泊。翌日は愛知県の私の実家で一泊。その翌日は長野方面へ、その日に行ける所まで行って、やっと五日目に新潟に着くことになる。

もっと、効率よく無理をすれば丸々二日間電車に揺られてたどり着くことも出来るが、それでは最初から、飛行機で帰ったほうが良い。彼には、旅の予期せぬハプニングや新しい人生の出会いなどを体験できるかも?知れない。そんな事を楽しめれる人間になってもらいたい。只、一直線にゴールを目指すよりも、道草をして、昼寝をして、回りの草花や人との出会いを感じてもらいたい。

子供の成長を目にして、嬉しくなる一コマでした。

竹工房オンセ

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若き竹細工職人を目指す人達へ 4

2007年08月09日 03時21分44秒 | 後継者育成

これから竹細工で身を立てて行こうと思っている人は、小さくても一国一城の主であり、経営者である。自分でアイデアを出し、デザインを起こし、販路を作っていく。今までは作品だけを作れば良かったが、今はもうほとんど問屋制度が崩壊しつつある中、自分でお客様に届けるまでの販路を作りきることが一番大切なことになってきた。

私の販路作りにはルールを作ってある。一地域一店舗、一月一回のペースで (年12回、竹の場合はシーズンがあるので春から夏にかけて12回、その分秋から冬のオフシーズンは出店しない) 今の所少しオーバーペースであるが、若い職人達が育ってきて現場にも出てもらっている。少しづつバトンタッチをしている所である。一地域一店舗と決め、同じデパートに出た方がお客様も育ってくるし、デパートも大切にしてくれる。

東京では 新宿伊勢丹、日本橋三越、渋谷東急。横浜では高島屋。名古屋の松坂屋本店、大阪では梅田阪急と難波高島屋。広島三越と主要都市の一番店に出店している。何処の売り場に持っていっても売れるものではなく、私どもの作品とお店のグレード、お客様層の三つが合わなくては売れるものではない。恐らく、近くのイオンとかジャスコに1年置いていても一つも売ることは出来ないだろう。ところが、自分の作品と客層が合うお店では驚くほど良く売れるのである。

自分の作品を冷静に分析して、どういうお店で、どんなお客様に、どういう飾り付けで販売するのか?努力して見て下さい。努力しても結果が出ない時もあるが、努力しない限り結果を出すことは出来ないのだから。

良い作品を作ることは当たり前、如何に価値を高めて伝えることが出来るのか?

自分に合った生産システムと、身の丈に合った販路を育てることが大切だと思う。無駄な事もいっぱいして、失敗をどんどんした方が良い。イヤな思いも何度もして、唇を噛み締める日、夜眠れない日を過ごす事もあると思う。でも、それを一つ一つ経験して越えてくる事が自信になり、経営者としての巾を作ってくれる。

成功はお金だけの価値観では計れない物、自分の考えた事を自分の手で形にしていく、自分を信じてハラハラドキドキしながら生きている実感を味わい、結果としていくばくかのお金が残っていれば幸せ‥‥。

インターネットの発達に伴って、消費者にアピールする方法は格段に広がっている。竹の世界でもやり方、考え方次第で成功することはいっぱいあると思う。諦めた時が負けであり、続ける限り道は開ける。人を欺くことをせず、誠実にやり続け、自分の出来ることからチャレンジして下さい。

竹細工の職人を目指す若い人たちに、こんな事を一先達として伝えておきたい。

(つい、こないだまで自分も若いと思っていたのだが?)

                    終わり

竹工房オンセ

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若き竹細工職人を目指す人達へ 3

2007年08月08日 04時28分05秒 | 後継者育成

そのうち、市場のニーズも変わって行き、あれほど売れていた花篭もだんだんと下火になって来つつあった。恐らくこのまま行けば、花篭やお茶道具など、従来からの作品だけでは必ず行き詰るであろうと感じていた。問屋がデパートにあちら、こちらの作品を寄せ集め催事に持っていっても売れなくなって来たのだ。そんな中、方向転換として、「自分の作品を自分で売る。」という方向に準備し始めたのである。ターゲットと商品構成を絞り込み、販路を作り、お客様との関係をダイレクトに作り育てていく。私の工房はその方向を選択した。直接出始めた時は問屋から脅しのような圧力もあった。 (当然、同じような作品を高い値を付けて売っていた権益権を守るため、ある意味しかたが無いのであるが。)

ここが正念場であり、問屋の脅しに屈するのか?

リスクは伴うが自分の決断を信じて変革していくのか?

この辺の感覚はサラリーマンでは味わえない、経営者の醍醐味かも知れない。自分の判断で家庭が路頭に迷うかも知れないが、それでも、自分を信じて変革していけるかどうか?

舟の先頭に立って体一杯世間の風を感じる。不安もあり、恐れもあり、でも、期待もある。 経営者として一番重要な「選択」である。

どんなに大きな会社の部長だと言っても、やはりサラリーマンであり、近所の八百屋のオヤジの経営者として肌で感じる実感という物を味わうことは出来ない!

私も以前、サラリーマン時代に名ばかりのサラリーマン社長になったことがある、その時も休みも取らず、一日14時間くらい働いていたが、やはり今の小さい工房ながら社長として考える事とは違う。シュミレーションと実体験の違いがあるのだ。ある意味、サラリーマン時代の方が毎月の損益表の数字が気になっていた。一ヶ月一度の通知表みたいなもので、逆に今のほうが損益を感じるのは当たり前の事として身になっており、それより、経営の方向や実感の方が大切になってくる。

                 つづく

竹工房オンセ

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若き竹細工職人を目指す人達へ 2

2007年08月07日 04時29分44秒 | 後継者育成

今までの竹職人の世界では自分の所から出す生産者価格は知っていても、最終上代(お店でいくらで売られているのか)を知らない人がほとんどである。日当が1万円なので三日かかって作ったら3万円と、実に簡単な計算である。

しかし、市場価格を知らなくて作品作りが何時までも出来るものなのだろうか?

当時私が問屋に提案した物は 上代10000円なら12000円。5000円の物なら6000円分のボリュームを持たせた2割増しの商品提案であった。10000円の物と11000円の物ではあまり違いはないが、10000円と12000円相当の作品を並べてみると、素人の人が見ても10人中9人は違いが判る。では、「3割以上ボリュームのある仕事をすれば、もっと他との差が出るのでは?」  その通りであるが、それは作り手が息切れしてしまう。その作品の注文が来ると嫌な気分になってしまうのである。

2割り増しの仕事にも1年、2年経つうちに自分の実力となって吸収されてくる。また、2年後には、その時の2割り増しの仕事を提案していくのである。沢山作ることで手が慣れ、作業工程にも数を作るように変換されていく。 1.2×1.2=1.44 4年経った時には他のメーカーより1.5倍近い作品力に差が出来て来るのである。問屋とも交渉してオフシーズンに計画的に注文を出して貰う。それが理解していただけない問屋とは取引を中止した。

私が竹の学校を出て直ぐには、自分の作品を写真に撮り10枚ずつプリントして10冊のアルバムを作り、そのアルバムの中に生産者価格と希望上代を書き込み問屋に持って回った。そうする事で問屋の人に顔を覚えてもらったり、新しい注文を遣ってみないか?とオーダーを貰ったりした。そのうちにレパートリーも増え、広がりを持っていった。他の生産者より一味違ったアピールをすることは大事である。

                   つづく 

竹工房オンセ

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若き竹細工職人を目指す人達へ 1

2007年08月06日 07時44分13秒 | 後継者育成

最近、沢山の竹細工職人の卵さんたちが見学に来る。そんな彼らに伝えておきたい事を書いてみた。

伝統工芸に携わる職人の世界はこの25年、四半世紀の間に大いに様変わりしてしまった。

伝統の「伝」とは、古くから伝わる材料加工や製作技術の伝承であるが、伝統の「統」とは時代を反映し、何がニーズに合っているか?を考えまとめる事である。古い物を後生大事に作り続けることでは無い、時代に合った物、新しいニーズを作り出していける作品を作ることである。

22年前、私が竹細工を始めた頃は まだ量産型の花篭がたくさん売れていた時代である。バブル景気もまだ健在で、高級花篭も作れば売れ、竹問屋も何を仕入れてもどうせ売れるのだからと少々質の悪いものでもどんどん仕入れていた。竹の訓練校を出て1・2年でも作品が売れるので作家になったと勘違いした職人も大勢いた。

ところがバブルが弾けると同時に高級花篭は売れなくなり、注文は止まってしまう。問屋は問屋で目先の利益を追うばかりで「職人を育てるとか、業界を支える」などの意識はまったく無くなってしまった。

問屋が在庫を取らず、売れる時期にいる分だけしか注文しなくなってしまった。

《竹には売れるシーズンがあり春から夏が忙しい、問屋はオフシーズンにも来春売れるだろうとリスクを背負って、市場と生産者とのクッションになっていた。その分卸価格で随分安く仕入れるのだが!》 

リスクを背負わなくなった分、仕入れ価格を高くしてくれれば良いが仕入れ価格は今まで通りで、今まで100個単位の品物を1個、2個と注文してくるようになる。オフシーズンには割れ関せずと片方だけに都合の良い様に様変わりしてきたのだ。

作品も素人に毛の生えた様な作家もどきの作品や高額な単価を付ける事に慣れてしまった大家の作品はほとんど売れなくなってしまった。適正価格で力のある作品だけが売れていくことになる。問屋も何でも売れた時代ではないので、ある程度売れると予測できる物しかオーダーを出さなくなってしまった。すると、力のある作家にはオーダーが集中する事になる。      つづく

竹工房オンセ

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広島三越 6

2007年08月05日 07時34分21秒 | 友人

84_001 広島県の竹原市から「藤本」さんが来てくれた。お土産に重たいお酒を持って、ありがたいことです。この方は20年ほど前に、私が竹原市の職業訓練校で竹工芸を教えていた時の教え子である。教え子といっても年は藤本さんの方が上で丁度私の母と同じくらいである。さすがに20年経つと顔は梅干のようになってきた。でも、明るくていつも笑っている。今日も私に「癌が5箇所もあるんよ、先生、一つあげよーか?」と笑って話している。

84_004 夜は、素敵なお店を一軒発見。デトロイトのJUNちゃんからのお奨めで、JUNちゃんの友人のお二人と行って来ました。隠れ家的なお店であった。完全予約制で飛込みでは入れない。お店の名前は「にかいのおねぎや、笹木」 082-247-3302 和風居酒屋であるが実に品の良い、お洒落な店だ。今日はきれいどころとのお酒でますます良いお店に見えてきた。   四代目さん、10月に広島に来たら三越の社員さんと行って下さい。一人で行くお店ではありません。 

竹工房オンセ

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広島三越 5

2007年08月04日 04時15分21秒 | 出張

今日は台風のおかげでお客様も少なく暇な一日になってしまった。そんな時は気分を入れ替えてスタッフ紹介。

83_003私の売り場を快適な状態にサポートしてくれるスタッフたち。 いつも笑顔の「G」さん。今回私の担当部署の責任者、この娘の笑顔のおかげでずいぶん助かっている。昨年来たときより一回り人間が成長して感じるのは私だけだろうか?細かい心使いや丁寧な対応、業者に対する思いやり、また、職人仕事への理解が出来る人で良かった!ちょっとゆっくりした広島弁が心地よく、彼女の顔を見ると広島に来たんだと実感させてくれる人だ。

81_022 今回私の直接の担当者「T」さん。おっとり刀で動じる所がない、ワンテンポ遅れた返事が返ってくるので「本当に解ってんの?」、でも「彼女のおかげで忙しい時でも自分のペースを取り戻せるの」と仲間の声。一歩控えて相手を思いやるタイプ、良い奥さんになるかも?特徴が掴みにくいのが特徴だ。

83_005 

フロアーのサブマネジャー「S」さん、歯切れの良いサパッとした性格でお酒に関しては大ザルである。竹を割ったようなと形容して良い何ともサッパリした娘だ。話していて実に気持ちが良い。昨年、今年と一緒に飲みに行き、焼き鳥の煙と焼酎が似合うかと思えば、スタイリッシュな帽子を颯爽と被り、お洒落なイタリアンレストランも似合いそう。職場では自称「小間使い」と言ってみんなの手が足りない所をサポートして回っている。

83_004何ともひょうきんな「M」さん、愛くるしい明るい娘さんだ。ケロケロッとしていて悪びれた所は微塵も無い。今日もこんな事があった。外人カップルのお客様、彼は背が高く男前、彼女もブロンドでスラーとした美人である。その彼女がシルクのシャツをノーブラで着ている、胸の形から乳首まではっきり分かるファッションである。私の目線もついそちらに行ってしまう。外人カップルが帰った後「M」さんが「思わず目が行っちゃいますよネ、良いものを見せてもらいました。」と、手を合わせていた。何とも天真爛漫というか?ブログに載せますと言うと「花婿募集中と書き込んで下さいネ」と頼まれてしまった。

こんなメンバーに囲まれて楽しくやってます。

竹工房オンセ

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