正ちゃんの時計修理ブログ たからや時計店

お客様からお預かりした時計の修理を記録として日記に残こそうと思います。

タグホイヤーオートマチックの分解と裏ブタネジ抜き

2011年01月14日 | 時計修理
昨日は先日N氏に買ってきてもらったドリルを使って裏ブタの錆びたネジを抜く作業がありました。
ストックしていたドリルの先がみんな減ってしまって購入しようと思いN氏にお願いして買ってきてもらいました。
ネジの溝きりも一緒にお願いしました。

 テルテル坊主みたいな先に刃を切っているドリルで0.5ミリから1.0ミリまでお願いしました。先は超硬のものでステンレスもさくさくと削れます。
(ちょっと高いですが…)
ゆっくりリューターを回しても削れます。
早速裏ブタのネジになっている時計の2箇所が回らず電池交換できずにいた時計のネジ抜きです。
ネジの頭をリューターで削ってしまって裏ブタを外して機械を取り出し、ガラスも外して錆び取り作業に入りました。
まず錆を落としてケースに残っているネジの胴体の部分に溝きりの刃を使ってマイナスドライバーの先がつかえるように溝を作ってゆっくり抜き出しました。
かかった時間は約1時間半。
細かな作業でケースに傷がつかないようにまた失敗すると大変なので慎重に修理しました。
結構疲れました。
でも抜けたときの感動はなかなかいいものです。
新しいネジを作って電池の交換、バンドの交換、ガラスの接着をして完成です。





あんまり華やかな修理ではなく、時間と神経を使って大変疲れる修理ですが、バンドのピン折れ等と共に日常の使用で発生しやすい故障なので本来の時計屋さんとしての仕事なんだと思っています。
またいろんな方にいろんな情報を聞いて修理していこうとおもいます。

 次はタグホイヤーの自動巻きです。
止まりの状態でした。どの部分に不具合があるのか調べながらの分解でアンクル、テンプ周りの不具合まで分かりましたがもう少し調べてみる必要があります。



昨日は時間が無く分解、掃除までして帰り今日の修理残業で不具合箇所を探して仕上げようと思います。