竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

深ぶかと瀞のあおきに晩夏光 流伴

2017-06-07 | 
深ぶかと瀞のあおきに晩夏光





5年ほど前だが奥只見に一泊吟行をした
只見ダムのためにできた深い静かな瀞があった
山の日暮れは早い
音のない青い緑のなかに深く深く
日差しが沈んでいくさまは
幻想的でさえあった


悲鳴にも怒涛にも聴く夏怒涛



夏の大きな波頭は人によってさまざまに感じる
思い出、記憶の中にたくさんの事象がある
悲鳴や怒声
尼酸っぱい記憶もある
波の音は悲鳴にも怒声にも
また時には歓喜の雄たけびにも聞こえてくる


蝉の殻無双自在に根の走る


私は「走り根」が興味深い
樹種や土地柄によってその姿はさまざまだが
同じ形はひとつとしてない
その生命力は無双無敵、加えて自在である
どのように乾いた土であろうとも水の匂いを嗅ぐわける

蝉の殻が走り根にあったりすると
生命の広がりと輪廻の理を感じぜざるを得ない