蝌蚪に足出て小満といふ日かな 前島みき
句意はあまりにも明快である
句のうちに小満を云いえてじゅうぶんである
説明しているようで
おたまじゃくしの成長と
季節のたしかな移ろいを愉しんぢる作者がみえてくる(たけし)
【小満】 しょうまん(セウ・・)
二十四節気の一つで、5月21、22日頃に当る(立夏の15日後)。陽気盛んにして万物ようよう長じ満つる、の意。
例句 作者
蝌蚪に足出て小満といふ日かな 前島みき
小満や箭竹篠竹生えしめて 星野麥丘人
小満や一升壜に赤まむし 齊藤美規
小満やどの田も水を湛へをり 小島雷法子
小満のみるみる涙湧く子かな 山西雅子
小満のまるき柱を抱きをり 柿本多映
小満の人影ふゆる田に畑に 太田 嗟
小満の月へ開けおく納屋の窓 黛執
小満の身を大いなる樹下に容れ 池田秀水
小満の風を青しと遊びけり 草間時彦
小満やあやめにまじる薄荷草 那須弥生
小満や川うごかして手を洗ふ 鳥居おさむ
小満や母に八十二歳の日 平間眞木子
山葵田の小満の水余りけり 鈴木しげを
縦三つを引き小満の勝越しぞ 都筑智子