先頭はすでにまぼろし風の盆 中里麦外
3日3晩、町中が踊り続けるという風の盆
先頭はせでにまぼろし
このフレーズに作者の本音が伺える
目前の踊りの列の先頭のことと解釈もできるが
己の来し方が見えているのかもしれない
この踊りの列は黄泉の国へとつながっている
(小林たけし)
【風の盆】 かぜのぼん
富山県八尾町で9月1日から3日間行われる民俗行事が有名。胡弓の調べに乗せ「越中おわら節」を歌って踊り明かす。暴風を吹かせて稲に害する悪霊を、踊りに乗せて送り出す目的で行うことからこの名がついた。
例句 作者
この世には胡弓の吐息風の盆 森岡保子
ちらほらと話題になりし風の盆 桑垣信子
対岸は燈の帶となる風の盆 長尾信子
幾山河恋いし胡弓を風の盆 田口晶子
深爪の指先愁う風の盆 進藤紫
父はやく死にしあと母風の盆 古沢太穂
立ち方の美男にありぬ風の盆 田口晶子
風の盆朝から鶏の目が濡れて 加藤三陽
山墓は山に囲まれ風の盆 松山足羽
風の盆八尾は哭きに来るところ 白根順子
闇に指返しそらせり風の盆 加藤耕子
街裏に瀬波の白さ風の盆 沢木欣一
踊る身の風となるまで風の盆 国保泰子
踊るとは生きることかも風の盆 中村苑子
この世には胡弓の吐息風の盆 森岡保子
ちらほらと話題になりし風の盆 桑垣信子
対岸は燈の帶となる風の盆 長尾信子
幾山河恋いし胡弓を風の盆 田口晶子
深爪の指先愁う風の盆 進藤紫
父はやく死にしあと母風の盆 古沢太穂
立ち方の美男にありぬ風の盆 田口晶子
風の盆朝から鶏の目が濡れて 加藤三陽
山墓は山に囲まれ風の盆 松山足羽
風の盆八尾は哭きに来るところ 白根順子
闇に指返しそらせり風の盆 加藤耕子
街裏に瀬波の白さ風の盆 沢木欣一
踊る身の風となるまで風の盆 国保泰子
踊るとは生きることかも風の盆 中村苑子