竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

何かさかさまの色なる雁来紅 中井洋子

2020-09-08 | 今日の季語


何かさかさまの色なる雁来紅 中井洋子

葉鶏頭のどくどくしい色を
さかさかな色と言い切る潔さに惹かれた
葉鶏頭といわず雁来紅というところに
作者の本気を感じる
(小林たけし)




【葉鶏頭】 はげいとう
◇「雁来紅」(がんらいこう) ◇「かまつか」
葉の形が鶏頭に似ている。茎は太く直立して2メートルにもなり、多数の葉をつける。秋、枝先の葉が黄、紅、赤などに色づき重なり合うのが華麗。雁が飛来するころ葉が美しく色づくので「雁来紅」ともいう。

例句 作者

剣道着干すや燃え立つ葉鶏頭 宇都宮靖
川風に心から覚めて雁来紅 廣川公
肩越しの沖の哀しみ葉鶏頭 中西誠
色彩を遣ひ果して葉鶏頭 神田ひろみ
葉鶏頭まずかたぶくを空という 平田薫
解脱など思いもよらぬ雁來紅 本田幸信
赤すぎはせぬか参道の葉鶏頭 綾野道江
雁来紅や中年以後に激せし人 香西照雄
雁来紅思ひすごしのやうな雲 花房八重子

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