竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

白露に薄薔薇色の土龍(もぐら)の掌 川端茅舎

2020-09-06 | 今日の季語


白露に薄薔薇色の土龍(もぐら)の掌 川端茅舎

土の中から土竜が
季節の変わり目をたしかめるかに出てきた
作者はじっと観察する
どうみても汚い醜い気色悪い土竜なのだが
その掌のきれいな薄桃色を発見した
それを薄薔薇色と表する鮮やかさに驚くばかりだ
(小林たけし)


【白露】 はくろ
二十四節気の一つ。秋の陰の気が積もって露を結ぶの意。陽暦の9月7日、8日頃に当たる。同じ「白露」でも「しらつゆ」は草などに結ばれた露の白さを表現するものである(秋・天文)。

例句 作者

かの地主白露に白き鶏放ち 久保田慶子
ゆつくりと湯呑砕ける白露かな 小豆澤裕子
二階から声のしてゐる白露の日 桂信子
白露に阿吽(アウン)の旭さしにけり 川端茅舎
白露の日神父の裳裾宙に泛き 桂信子
白露の月窓にしみじみ帯を解く 河野多希女
白露や一匹の虫のわれが佇つ 新谷ひろし
白露過ぐ鯉に長途のあるごとし 戸田和子
閾をすべる雨戸いくつも白露の日 桂信子