いつよりか秋の歩幅になりにけり 根岸敏三
夏の果てを感じる間もなく
朝夕に秋の気配が感じられる
道すがらその気配を確かめるように歩いている自分
その歩幅はいつのまにか夏とは違う
秋の歩幅になっていた
(小林たけし)
【秋】 あき
◇「白秋」(はくしゅう) ◇「金秋」(きんしゅう) ◇「素秋」(そしゅう)
俳句では立秋(8月8日頃)から立冬(11月8日頃)の前日までを冬とし、ほぼ陽暦の8月、9月、10月に当る。清涼感と共に物悲しさを感じる季節である。「読書の秋」「芸術の秋」などといわれるように、秋は人々がさまざまなことにいそしむのに最適な季節とされる。「白秋」「素秋」は秋の異称。
例句 作者
「生きている」自分を探す秋の景 佐古澄江
「革命」のピアノ鳴りやまずホテルの秋 川崎幸子
あざやかに昃るを秋の喪としたり 松澤昭
ある秋の日の弾痕の鉄兜 和知喜八
あんまり笑うから対角線に秋 早川里子
おんなじに秋のふらここさらさら砂 伊東類
かの秋も広島の川澄みたるか 後藤章
くずし字を詠まんと秋の白秋碑 吉本孝雄
「生きている」自分を探す秋の景 佐古澄江
「革命」のピアノ鳴りやまずホテルの秋 川崎幸子
あざやかに昃るを秋の喪としたり 松澤昭
ある秋の日の弾痕の鉄兜 和知喜八
あんまり笑うから対角線に秋 早川里子
おんなじに秋のふらここさらさら砂 伊東類
かの秋も広島の川澄みたるか 後藤章
くずし字を詠まんと秋の白秋碑 吉本孝雄