竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

放生会真つ赤な鯉のあばれけり 岸本尚毅

2020-09-15 | 今日の季語


放生会真つ赤な鯉のあばれけり 岸本尚毅

日常の殺生を
この祭りひとつで許されるはずもないが
この国の神事は人間に優しい
放たれる緋鯉の鮮やかさに作者はあわれを禁じ得ない
(小林たけし)


【八幡放生会】 やはたほうじょうえ(・・ハウジヤウヱ)
◇「八幡放生会」(やわたほうじょうえ) ◇「放生会」 ◇「八幡祭」(はちまんまつり) ◇「男山祭」(おとこやままつり) ◇「石清水祭」(いわしみずまつり) ◇「南祭」(なんさい)
各地の八幡宮で魚や鳥を放つ行事。京都の石清水八幡宮で9月15日に行われる「石清水祭」が有名。放生会(ほうじょうえ)とは仏教の殺生戒に基づいて、生物を池川山林に放って供養に供する儀式。

例句 作者

渡御待つや虫の夜空の男山 本田一杉
からくりの泣いてぞ果てぬ放生会 岸田稚魚
放生の泥さかな鰌こぼるる草の土 廣瀬ひろし
放生会べに紐かけて雀籠 村上鬼城