竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

生きながら蜻蛉乾く石の上 宇多喜代子

2020-09-02 | 今日の季語


生きながら蜻蛉乾く石の上 宇多喜代子

この蜻蛉は己自身を投影しているのかも知れぬ
周囲の知己が衰えるのを感じそれを乾くと表現する
乾くとはみずみずしさの衰えの事
干からびた蜻蛉をみての1句であろう
(小林たけし)


【蜻蛉】 とんぼ
◇「とんぼう」 ◇「あきつ」 ◇「蜻蛉」(やんま) ◇「鬼やんま」 ◇「塩辛蜻蛉」 ◇「精霊蜻蛉」(しょうりょうとんぼ)
晩春から秋遅くまでいろいろな種類が見られる。飛ぶ姿が涼しげで、秋の季語とされる。蜻蛉は成虫・幼虫とも肉食で他の昆虫を捕食する。大きな複眼が印象的。

例句 作者

生れたての蜻蛉総身水こだま 野中久美子
立山の晴れて群れ飛ぶ蜻蛉かな 秋元汀石
笠にとんぼをとまらせてあるく 種田山頭火
紐付けて蜻蛉放つM理論 播磨穹鷹
群蜻蛉そらの浅瀬をわたりくる 澁谷道
草の水舐めて蜻蛉しなやかに 近藤栄治
草枕旅にし見舞う鮒・とんぼ 折笠美秋
蜻蛉の渓深ければ高く飛ぶ 広田輝子
蜻蛉の翅の透けたる喫茶店 宮本佳世乃
蜻蛉らはいつも平衡あかね雲 土肥屯蕪里
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