朝凪の海見てこころ足りにけり 井上喬風
昨夜からのわだかまりにつかえていた胸だが
だれもいない穏やかな海をみていたら
つまらないことに拘っていた小さな自分に
自然と苦笑い
満たされるほどではないがじゅうぶんに心足りた気分になった
(小林たけし)
【朝凪】 あさなぎ
海岸地方で朝、陸風から海風に変る時、一時的に風が吹かなくなること。海風、陸風とも日射の強い夏期に特に発達し、それだけに朝凪、夕凪が目立つので夏の季題となっている。
例句 作者
朝凪のいかなご舟に波送る 殿村莵絲子
朝凪や渡島づとめの造船工 秋元不死男
朝凪といへども波は寄せてをり 平井照敏
朝風のくづるゝ待ちて打瀬舟 小島昌勝
善良な朝凪に棒立ててある 河西志帆
朝凪のいかなご舟に波送る 殿村莵絲子
朝凪や渡島づとめの造船工 秋元不死男
朝凪といへども波は寄せてをり 平井照敏
朝風のくづるゝ待ちて打瀬舟 小島昌勝
善良な朝凪に棒立ててある 河西志帆