竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

とんぼうに先手うたるる譜面台 峡天衣女

2021-06-14 | 今日の季語


とんぼうに先手うたるる譜面台 峡天衣女

作者は夏の午後
午睡から覚めてピアノに向かう
さてと譜面台に目をやると
とんぼが止まっている
そこを<先手うたれる>と表意
ただそれだけのことなのだが
その切り取りがさわやかで気持ちが良い
とんぼうと譜面台の取り合わせは他にはあるまい
(小林たけし)


【蜻蛉】 とんぼ
◇「とんぼう」 ◇「あきつ」 ◇「蜻蛉」(やんま) ◇「鬼やんま」 ◇「塩辛蜻蛉」 ◇「精霊蜻蛉」(しょうりょうとんぼ)
晩春から秋遅くまでいろいろな種類が見られる。飛ぶ姿が涼しげで、秋の季語とされる。蜻蛉は成虫・幼虫とも肉食で他の昆虫を捕食する。大きな複眼が印象的。

例句 作者

いたりやのふいれんつえとおしとんぼ釣り 阿部完市
かげろふの坂下りてくる大あたま 飯島晴子
かげろふや丘に群がる兵の霊 石原八束
さびしさに蛇や蜻蛉を生んでみる 鳴戸奈菜
とどまればあたりにふゆる蜻蛉かな 中村汀女
とんばうに肩先貸して棒になる 山﨑幸子
とんばうや後の敵の見えてをり 木村真魚奈
とんぼう、 子を焼く木ひろうてくる 松尾あつゆき