とんぼうに先手うたるる譜面台 峡天衣女
作者は夏の午後
午睡から覚めてピアノに向かう
さてと譜面台に目をやると
とんぼが止まっている
そこを<先手うたれる>と表意
ただそれだけのことなのだが
その切り取りがさわやかで気持ちが良い
とんぼうと譜面台の取り合わせは他にはあるまい
(小林たけし)
【蜻蛉】 とんぼ
◇「とんぼう」 ◇「あきつ」 ◇「蜻蛉」(やんま) ◇「鬼やんま」 ◇「塩辛蜻蛉」 ◇「精霊蜻蛉」(しょうりょうとんぼ)
晩春から秋遅くまでいろいろな種類が見られる。飛ぶ姿が涼しげで、秋の季語とされる。蜻蛉は成虫・幼虫とも肉食で他の昆虫を捕食する。大きな複眼が印象的。
例句 作者
いたりやのふいれんつえとおしとんぼ釣り 阿部完市
かげろふの坂下りてくる大あたま 飯島晴子
かげろふや丘に群がる兵の霊 石原八束
さびしさに蛇や蜻蛉を生んでみる 鳴戸奈菜
とどまればあたりにふゆる蜻蛉かな 中村汀女
とんばうに肩先貸して棒になる 山﨑幸子
とんばうや後の敵の見えてをり 木村真魚奈
とんぼう、 子を焼く木ひろうてくる 松尾あつゆき
いたりやのふいれんつえとおしとんぼ釣り 阿部完市
かげろふの坂下りてくる大あたま 飯島晴子
かげろふや丘に群がる兵の霊 石原八束
さびしさに蛇や蜻蛉を生んでみる 鳴戸奈菜
とどまればあたりにふゆる蜻蛉かな 中村汀女
とんばうに肩先貸して棒になる 山﨑幸子
とんばうや後の敵の見えてをり 木村真魚奈
とんぼう、 子を焼く木ひろうてくる 松尾あつゆき