出水拡がる鉄格子にすがる女越し 金子兜太
鉄格子にすがる女
この女越しに出水がひろがる
まさか実景ではあるまいとは思うが
作者の戦争体験にてらせばありえないことは何もない
(小林たけし)
【出水】 でみず(・・ミヅ)
◇「夏出水」 ◇「梅雨出水」 ◇「出水川」
梅雨時の長雨や梅雨末期に多い大雨や集中豪雨で水量が増し河川が氾濫すること。溢れ出た水は濁流となって野や田畑や人家を襲う。時には都会を流れる川も氾濫することがある。台風による出水は「秋出水」という。
例句 作者
出水川橋洗ふ音夜もひびく 鈴木勇之助
水ひくや葉に擁かれて青胡桃 内田保人
白日に出水の泥の亀裂かな 沢木欣一
梅雨出水流るゝものに蛇からみ 松浦真青
出水して森の奥なる月明り 中川宋淵
天に星地に闇幹に出水跡 宇多喜代子
出水川橋洗ふ音夜もひびく 鈴木勇之助
水ひくや葉に擁かれて青胡桃 内田保人
白日に出水の泥の亀裂かな 沢木欣一
梅雨出水流るゝものに蛇からみ 松浦真青
出水して森の奥なる月明り 中川宋淵
天に星地に闇幹に出水跡 宇多喜代子