老人の紫煙涼しき東巴文字 森田かずや
嫌煙の風潮は国中に広まって煙草を好む人は肩身が狭い
私は禁煙してそろそろ20年になる
掲句はなんとも懐かしく採りあげさせていただいた
巴文字 の作者の工夫に感心させられた
現在ではこの景を<涼し>とは誰も言うまい
(小林たけし)
【涼し】 すずし
◇「涼気」 ◇「朝涼」(あさすず) ◇「夕涼」(ゆうすず) ◇「晩涼」(ばんりょう) ◇「夜涼」(やりょう)
夏の暑さの中にあって一服の涼気はことのほか心地よいものである。涼を最も求めるのは夏であることから夏の季語とされる。
例句 作者
晩涼やうぶ毛はえたる長瓢 杉田久女
花の実の中垣涼し梨子の窓 鬼貫
髪つめて涼しき妻の車椅子 鈴木喜八郎
さざめきのなかへ柝の入る涼しさよ 矢島久栄
思ひきり旅荷小さくして涼し 今成志津
汽笛涼し川も列車も急カーブ 松室美千代
イヤリング一つを外す一つ涼 小高沙羅
君羨し晩涼の両手は天へ 宇多喜代子
師の墓のうしろの石に涼みけり 深見けん二
引き際の波へ及べる夜涼の灯 花谷和子
目細めて涼むにあらぬ呼吸難 目迫秩父
裸涼みキャベツ畑は「青海波」 香西照雄
晩涼やうぶ毛はえたる長瓢 杉田久女
花の実の中垣涼し梨子の窓 鬼貫
髪つめて涼しき妻の車椅子 鈴木喜八郎
さざめきのなかへ柝の入る涼しさよ 矢島久栄
思ひきり旅荷小さくして涼し 今成志津
汽笛涼し川も列車も急カーブ 松室美千代
イヤリング一つを外す一つ涼 小高沙羅
君羨し晩涼の両手は天へ 宇多喜代子
師の墓のうしろの石に涼みけり 深見けん二
引き際の波へ及べる夜涼の灯 花谷和子
目細めて涼むにあらぬ呼吸難 目迫秩父
裸涼みキャベツ畑は「青海波」 香西照雄