谷崎潤一郎の細雪を読んでいたら神経衰弱への医師の
アドバイスとしてこんな記述があった。
夕刻に辻博士が見え、診察後しばらく悦子と問答などをして
神経衰弱という診断を下した。
そして、まず脚気を十分に治療する必要があること、
投薬に依ってでも食欲を促進させ偏食を直すようにすること、
学校は気分次第にして遅刻や早退させるのはよいが
全然学業を廃して転地療養等をするのは不可であること、
なぜなら精神があるひとつのことに向けられていると、
かえっていろいろな妄想を描く余裕がなくなるからであること、
興奮させてはならないこと、
わからないことを言っても頭から叱りつけず、
じゅんじゅんと説いて聞かせるようにすること、
等々を注意して帰った。
僕はもちろん医学の素人だけれどこの辻博士のアドバイスの
内容を読んで今でも十分に通用するひとつのひな型、手本のような
アドバイスだなと思った。
こういう医師のアドバイスの内容まで本当によく吟味して
書かれている。
やはり文豪と言われるような人はちょっと違うなと思う。
※新潮文庫から引用しましたが、仮名遣いは新潮文庫と異なります。
アドバイスとしてこんな記述があった。
夕刻に辻博士が見え、診察後しばらく悦子と問答などをして
神経衰弱という診断を下した。
そして、まず脚気を十分に治療する必要があること、
投薬に依ってでも食欲を促進させ偏食を直すようにすること、
学校は気分次第にして遅刻や早退させるのはよいが
全然学業を廃して転地療養等をするのは不可であること、
なぜなら精神があるひとつのことに向けられていると、
かえっていろいろな妄想を描く余裕がなくなるからであること、
興奮させてはならないこと、
わからないことを言っても頭から叱りつけず、
じゅんじゅんと説いて聞かせるようにすること、
等々を注意して帰った。
僕はもちろん医学の素人だけれどこの辻博士のアドバイスの
内容を読んで今でも十分に通用するひとつのひな型、手本のような
アドバイスだなと思った。
こういう医師のアドバイスの内容まで本当によく吟味して
書かれている。
やはり文豪と言われるような人はちょっと違うなと思う。
※新潮文庫から引用しましたが、仮名遣いは新潮文庫と異なります。