たままま生活

子育ての間にこっそりおでかけ・手作り・韓国語・・・。
多趣味な毎日を紹介します。

遊園地みたいな短編集 『愉快なメイド マリサ』チョン・ミョングァン著

2011-07-31 22:55:52 | 韓国文学
一目見て、面白くないはずがない!と買った短編集。
表紙の女性像にひげ描いてあるし。



デビューからの11作品をまとめた短編集。
5年にわたって発表されたものなのである主題にそったものではなく、
さまざまな話が入っています。

なぜか英語の名前が出てくる

フランクと私
愉快なメイド マリサ
フランス革命史-ジェーン ウェルシュの切なる願い
もっといかした人生のために-マーティへ

프랭크와 나
유쾌한 하녀 마리사   
프랑스혁명사-제인 웰시의 간절한 부탁  
더 멋진 인생을 위해- 마티에게 


ちょっとまじめな人生の話

セイリング
農場の日曜日
13番ホール

세이링
농장의 일요일
13홀


どこで間違っちゃったのか・・トホホな男たちの話

自動車のない人生
スプーンよ、曲がれ

자동차 없는 인생
숙가락아,구부러져라


そして、私が一番気に入ったこの本の中では一番長い

飛行機

비행기


この作家には珍しい(?)青春ストーリー

二十歳(韓国語も漢字表記です)

・・となっています。


飛行機は老年に差し掛かった女性が自分の人生を振り返る話なんですけど、
振り返ってみたら自分が考えていたのとは全く違った自分を発見して驚き、
結局自分の人生も悪くなかったと認めるという話。
反転に次ぐ反転のストーリーそのものもおもしろいんだけど、何より読み終わってとっても幸せで満たされた気持ちになる話しです。

チョン・ミョングァンの話は人をびっくりさせるストーリーだけど読み終わると幸せになるのが不思議な魅力です。

とほほな人たちを書かせたら右に出るものはいないし、
うまく行かない寂しさの中でも笑いを忘れない姿勢は登壇当時から変わっていません。
そして何よりもこの作家の特徴は予想できないストーリー展開です。
「なんでこうなるの?」と突っ込みたくなるほどくねくねと反転を重ねるストーリーは、
それでも最後まで読むとひとつのとても力強い流れになっているのがわかります。

私もそうなんですけど、見る前からど~せみんな死ぬんでしょ、みたいな予定調和の映画とかキライな人だったらはまると思います。

まるでいつまでも乗っていたいジェットコースターのようで、この点から見ると短編はちょっともったいない気もします。
話をずっと読んでいくと最後に驚くオチがひとつある、くらいだとなんだか物足りなくなる私はすでにチョン・ミョングァン中毒なのかもしれません。

短いものは12ページからあるので
初心者にはチョン・ミョングァンを味見するいい本だと思います。