衰退国 日本(2021.6.10日作)
衰退国 日本
この国 日本 は もはや
先進国では ない
政治は言うに及ばず
経済 教育 の 面に於いても
世界に誇り これが日本だ と
言い得るものが ない この国 日本の
高校生達が 必死に目差す「東大」それも
世界で見れば
六位 か 七位 これが
この国 日本の最高大学 と
思われて来た 東大 の 地位
経済に於いても 然り
政治に於いても 然り
堅固 緊密 堅牢 その理念の下
強力に人々 国民を導き得る指導者
人材が いない 低迷 ぬるま湯体質
その中で 互いの身体を暖め合っている
次第 次第 に 没落してゆく この国 日本
あらゆる指標が 下降の線を描き
中進国なみに 沈んでいる
(コロナ対策を見れば歴然)
かつて この国 日本が
世界を席巻した 高度成長時代
千九百八十年代 この国の大学生達は
その好景気下 夜な夜な 日々 浮かれ 遊び歩き
地道な勉学に励む学生の姿は 稀だった
一億総大学入学 と ばかりに
誰もが大学を目差した時代 その時代の
学生の質の低下 好景気に浮かれ なんの
苦もなく育った世代 その世代が今
政治 経済 その世界で この国 日本を
動かし 指導する立場 の 年齢に達している
若き日々の 気の緩み 苦労知らず
それが そのまま
今現在 この国を治める指導者達に
反映され この国の姿に 跳ね返って
来ている
苦労 苦悩を知らない世代の 指導者
そんな指導者達が創るこの国 日本は
このまま 何処まで 落ちてゆくのか ?
---否 それでも 希望の
ない 訳では ない
数少ない 優れた指導者 そんな人達 の
二人 三人 と 散見出来る 今現在 その人達の
後に続く者達も やがて
出て来るのでは ないか もはや
先進国ではない この国の その姿に
業を煮やし 発奮する人達も やがて 現れる
のでは ないか この国 日本の人々に
再び 立ち上がる その 気概 能力 が
無い とは 思われない
やれば出来る
そう 信じたい
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優子の愛(1)
一
尾沢、滝口両家の結婚披露宴への招待状を手にした時、沖津順三は、
「何かの間違いじゃないのかなあ」
と、心穏やかでない思いで呟いた。
結婚する当事者二人の名前に心当たりがなかった。
「会社の方じゃないんですか」
妻の道代が傍で、関心がなさそうに呟いた。
「いや、こんな名前は営業部にはいない」
沖津順三は銀座に本社がある、中堅クラスの広告代理店の営業部長だった。
「でも、まさか、結婚式への招待状を間違って出すような事はないでしょう」
妻は重ねて言った。
「うん、そうは思うけどね。まあ、いいや、そのうちに分かるかも知れない」
「返事の期限は何時までなんですか ?」
「十日までになっている。あとひと月近くある」
その夜はそれで終わった。
一週間が過ぎる頃には沖津は招待状の事など忘れていた。
部長と言えども先頭に立って営業に出歩く沖津は、連日、仕事に追われていた。五十一歳の身体には、何日も続く午後十時過ぎの帰宅は少々、重荷に感じられた。それでも弱音を吐ける立場ではなかった。会社は三年前に新社長を迎えていて、その攻撃的姿勢と共に業績は飛躍的に向上していた。自ずと社内にも溢れる活気と共に、攻撃的姿勢が満ちていた。沖津はその社長の下で営業部長に抜擢されていた。
「部長、電話です」
梨本課長が受話器を差し出して言った。
沖津は席を立っていって、課長の手から受話器を受け取った。
「沖津です」
そう答えると電話の相手は、
「わたくし、川田です」
と言った。女性の声だった。
「川田さん ?」
沖津は名前に心当たりがないままに繰り返した。
「はい。お分かりになりません ? 川田優子です」
「ああ」
沖津は思わず言って、後は言葉を呑んだ。
「お分かりになりました ?」
川田優子は微笑みを湛えたような口振りで言った。
「しばらくでした」
そう言ってから沖津はまた、言葉を呑んだ。
社内では私用電話は特別な事のない限り、厳しく制限されていた。
「お久し振りです」
川田優子の口調と声には昔を感じさせる、親しみと懐かしさとも言えるような響きが込められていた。
沖津は戸惑った。今、沖津が立つこの場に於いては、もっとも相応しくない会話だった。それでも沖津は出来得る限りの平静さを自分に強いて穏やかな何気ない口調で言った。
「お変わりありませんか ?」
「はい、お陰さまで」
川田優子は相変わらず同じ口調で言ったが、その後でなぜか急に言いよどむような口調になって、
「あのう・・・結婚披露宴の招待状、届きましたでしょうか ?」
と、呟くように言った。
沖津は息が止まった。それから思わず、
「ああ、あなたが・・・・」
と大きな声で言っていた。その声の大きさに気付くと慌てて自分取り繕って、何気なさを装い、
「あなただったんですか。ちょっと分からなくて、誰かと思っていたところなんです」
と、社内の周りを気遣い、極めて事務的色合いを滲ませながら言った。
「御出席戴けますでしょうか」
川田優子はなおも、遠慮がちな口調と共に沖津の気持ちを促すように言った。
沖津はなぜか苦い思いに捉われて、不快な感情を抱いた。
勤務中のこんな時間に、という思いは無論、すでに遠い昔に終わって、それぞれ二人が別の人生を歩んできた歳月だった。今更なんで・・・・、その思いが強く沸き起こり、不快感はなお一層掻き立てられた。
「はい、それはよく検討してみて後ほど御返事を差し上げたいと思いますので、宜しかったら、電話番号をお教え戴けますでしょうか」
沖津はまるで仕事の話しでもあるかのように事務的に言った。
優子も沖津のその改まった口調には改めて気付いたようで、
「御免なさい。お忙しい時間にお電話したりして」
と、狼狽の気配を滲ませて言った。
「いえいえ、いいんです。ちよっと電話番号だけを教えて戴ければ、改めてこちらから御返事致しますので」
沖津はやはり事務的態度を装いながら、今度は穏やかに言った。
川田優子もそれで気を取り直したようで、落ち着いた口調で連絡先の電話番号を口にした。
「時間は何時頃がよろしいでしょうか ?」
沖津はメモした電話番号を見詰めながら言った。
「何時でも結構です。家にいますから」
受話器を置くと沖津は体中から汗が吹き出すのを意識した。
自分の席へ戻るとしばらくは呆然としたまま、何も考えられずいた。
二
川田優子はなぜ、二人の間にあった二十年以上もの空白時間をかえりみず、娘の結婚披露宴への招待状を送って来たのだろう ?
沖津にしてみれば亡霊に出会ったような感覚だった。
妻の道代と結婚して以来、沖津は川田優子を思い出す事はなかった。五歳違いの道代との間には大学生の娘と、高校生の息子がいて、半年程前には二十一回目の結婚記念日を二人の子供達と共に過ごしていた。現在、沖津は東京近郊の一戸建て住宅で何不足のない日々を送っていた。
そんな沖津にしてみれば、過去には深い関係にあったにしても、とっくの昔に時効になっているはずの事柄など、今更、事改めて持ち出されたくはないというのが本音だった。ちよっと迷惑、というのが沖津の心境だった。川田優子への懐かしさの気持ちも薄れていた。
それでも沖津は川田優子の電話に対して、こちらから返事を差し上げます、と言った手前、放って置く事も出来ない、と思った。さんざん迷い、思案したあげくの果てに川田優子に電話をした。
「はい、滝口です」
声ですぐに優子と分かった。
「沖津です」
「ああ、沖津さん」
そういった声には、嬉しさと一緒に安堵感のこもった響きが混じっていた。
それからすぐに優子は自分から言葉を継いだ。
「この間は突然、お電話などして申し訳ありませでした。御迷惑とは思ったんですけど、お宅の方へはしづらかったものですから」
「よく、電話番号が分かりましたね」
「会社の交換台で聞いて」
「それにしても驚いた。招待状といい、電話といい、いったい、どういう事なの ?」
言葉を交わしているうちに沖津は自然に、昔に近い口調に戻っていた。それが二人だけの間では違和感がなく感じられた。二十数年振りの空白が何故か気にならなかった。
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takeziisan様
コメント 有難う御座います
前作 お写真で拝見したキジの幻想的な美しさと
草原から連想して「化野」の形で表現してみました
少しでもその雰囲気が出ていればよいのですが ?
いつも詰まらない作品にお眼をお通し戴き
有難う御座います 小説を書く というより
これまで自分が生きて来た八十年余の歳月の中で
認識した人間というものの存在 その心に
焦点を当てて書いてみたいと思っていますので
物語的にはどうしても退屈なものになってしまうのでは
と考えています 前作でも離婚によって心に傷を
負った男の無意識的願望が基調に流れています
それと この人間の生きている今という時も
結局は 束の間 一瞬の幻ではないか
総ては死と共に消え去って逝く
そんな思いも込められています
中学生日記 懐かしさは何時も通りです
あの頃が如実に甦ります
奥様は何処かお悪いのですか ?
くれぐれもお気を付け下さい
あれは石の造形物ですよね ふくろうに見えます
「南国の夜」昨年も拝見したと記憶しいていますが
いつ聴いてもいい曲です ハワイアン全盛時が
懐かしく思い出されます
コロナ予防接種 しない積もりです
血圧が低く常に上100前後 下55位しかないので
夏などそれでなくても辛いです 常にふらふらする感覚が
あります それでも病気は何も持っていませんので
ーー五年前に大腸がんを切除しましたが
健康診断の医師は百歳まで生きられますよ と言ってます
それに人嫌いの傾向のあるわたくしは他者と接触する
機会もあまりないものですから
お写真 楽しませて戴きました
有難う御座いました
桂蓮様
有難う御座います
アニメ まったく分かりません
見た事がないのでちんぷんかんぷん
ただ、歌でもそうですが 現在の
若者たちとわたくしの世代とでは
まったくの別世界です 総て世の中は動き
変わってゆく それも進歩の
一つの過程かも知れませんが
英語発音の訛り
面白く拝見致しました
努力の不足 その部分もあるのかも知れませんが
天性のものもあるのではないでしょうか
外国の方が話す日本語でも 日本人が
驚く程の日本語を話す人もいますし
何年たっても訛りの抜けない人もいますし
エリグール 言い得て妙です
笑いました お二方の暖かい雰囲気が
伝わって嬉しくなりました
何時も 有難う御座います